ミモザの君

月夜(つきよ)

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ひみつの恋は甘く溶ける 後半

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凛視点

「え?ここからタクシー乗るんですか?」
瑛太さんに引っ張られるようにお店を出ると、瑛太さんは大通りに出るとすぐにタクシーを捕まえた。
「・・いや・・かな?」
振り返った瑛太さんは、困ったように眉をしならせ切なそうにこちらを見つめる。
「い、いえっ・・あの、嫌とかじゃなくて。」
なんなのぉーその頼りなさげな顔はっ!
かっ、かわいすぎです、瑛太さん。
自分の顔が赤くなるのが分かる。
「嫌じゃないんだね。良かった。」
そう言うとタクシーの中に私を押し込み、後から隣に乗り込んだ瑛太さんは住所を告げタクシーを走らせる。
・・これは、世にゆうお持ち帰りされてる・・途中ですかね?
自分の目線をどこに向ければいいのか分からなくて、キョドッてしまう。
瑛太さんにお持ち帰りいやじゃない・・けども・・

こ、こころの準備がっ!
お手入れの準備がっ!
し、下着とかっ・・?
自分の頭の中で半裸の瑛太さんにブラジャーの肩紐を肩からするりと落とされるドキドキ映像が浮かぶ。
「っ!」
膝の上に置いた自分の手をぎゅっと握り込む。
わ、私が瑛太さんに・・だ、抱かれちゃうっ!?
ひょえぇぇっ。
大丈夫か私?ヤレる?やれるの?
・・ん?この場合ヤラレちゃう??
いやーん、このお粗末なボディを瑛太さんに晒すなんてっ。
ああっ!ダイエットしとくんだった。
ダメ元でもおっぱい揉んで、大きくする努力をすれば良かった・・。

「凛・・ちゃん?」
後悔先に立たずな思考に囚われていたら、となりに座る瑛太さんが声をかけてきた。
やばいと思ってそちらを向くと、そこには真っ赤な顔の瑛太さん。
「?」
どうしたのかと思うと、「手。」と言われた。
手?
そう思い自分の手を見つめると・・
「!!」
自分のささやかなおっぱいを自分で揉んでいた・・。
「うわわっ。ち、ちがうんです。もう、あの・・なんていうか手遅れなんですけど・・。」
は、恥ずかし過ぎるぅ!
だってさ、混乱するよね!?
失恋したと思ってたら、颯爽と目の前に現れて「好きだ」とか言われてただいまお持ち帰られ中で、タクシーの中で・・。

「何が手遅れなの?」

瑛太視点

気が急いてるとは分かっていた。
気持ちを伝えあったなら、今日はこのまま凛ちゃんの家まで送り届けて凛ちゃんのお母さんにお付き合いのお許しを頂くべきだと思ったんだが・・。
俺のもう隠さなくていいと分かった恋心は、このまま凛ちゃんを帰す事は出来なくて。
まあでも、今日は一緒にいれるだけでも・・
ちょっと抱きしめるだけ・・でも
柔らかそうな唇にキスぐらい・・なんて涼しい顔の下悶えていたら・・

凛ちゃんが自分の胸を小さな手でぐわしと掴んでいた。
しかもちょっと揉んでる??
薄暗い車内で窓からは車のライトやイルミネーションの光が差し込む
その中で華奢な身体を前かがみにした女の子がぐっと自分の胸を弄っている・・。

何してくれてんだ。
視覚的暴力だぞ。
バラバラと自分のもろい忍耐の鎧が崩れていく。

声をかけた凛ちゃんは意味が分からない様子で、手!と告げると真っ赤になって何やら弁明をした。
だが「手遅れ」と言ったその言葉に、自分の心がひやっとした。
手遅れって?
今さら俺とじゃ嫌だとか?
・・もう、帰すっていう選択肢はねえよ?
身体の奥深くからグツグツと湧き出る黒い感情。
もう逃してあげられない。
凛ちゃんの手を指を交差させてぎゅっと握りしめ、彼女の手の甲にちゅっと吸い付く。
「ひっ!」びくんとする凛ちゃん。
怯えさせたいわけじゃないが・・その真っ赤に染まる顔と潤んだ瞳にどうしょうもなく囚われる。
「帰りたい?」
凛ちゃんの耳元で優しく囁く。
帰す気などさらさらないが、凛ちゃんが告げる理由を一つ一つ論破するぐらい大人な俺には余裕なはずだ。
もだもだとした凛ちゃんは意を決した様子で俺の耳元に口を寄せる。
「胸が・・その・・小さくて・・見せるの、恥ずかしい・・。」
真っ赤に顔を染めた顔でプルプルとそんな事を言われたら・・。
くっ!
辛い。
心も身体も。
「だ、大丈夫・・だから。」
だらしなく緩む顔をどうにも出来ず、握った手に力を込める。
「帰さないよ。」
もう離したくないんだ。
凛ちゃんはこくんと頷いた。

そこから家まで何も口にする事ができなかった。
繋いだ手から緊張が伝わる。
なんならしっとり汗をかいていた。
どちらの汗分からないけど。
でも離したくないと握り続けた。

その手を引き、いまやっと自宅のドアを開く。
「お邪魔します」
律儀に言う彼女を引き入れたら、ガチャっと鍵を締める。

密室だ。

凛ちゃんと二人きり。
その現実が俺を激しく興奮させる。

振り返ると心細げに玄関に立つ凛ちゃん。
「・・ごめんね。」
ぽつりと呟く。
え?っと聞き返す彼女に想いを告げる。
「本当なら、ここは大人らしく君の緊張を優しく解いて、想いを言葉で確かめ合うべきなんだ。」
俺の情けない顔を見て心配げな年下の彼女に俺の建前を告げる。
「でも、俺は・・。」
繋いだ手を引き寄せ、華奢な彼女の身体を覆いかぶさるように抱きしめる。
ふわふわと柔らかい彼女の身体。
俺の胸に顔を埋める彼女に俺の激しく速い鼓動が聞こえるだろうか。

「君を抱きたい。」

許しを乞うように彼女の耳元に囁く。
ごめんね。もう本音を取り繕う余裕なんてないんだ。
びくりとした凛ちゃんの身体。
その硬くなった身体のまま両手がそっと俺の背中に回される。

「私の初めて・・貰ってください。」
囁くように小さな声で彼女は告げた。
「俺を殺す気か・・。」
好きな子にそんな事を言われたら、男がどうするか・・。
そりゃあ・・ね?










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