空間魔法で異世界最強

dainamo

文字の大きさ
4 / 4

魔物と武器

しおりを挟む
俺は5歳になっていた。
この2年間で空間魔法と、補助魔法の使い方に付いてめっちゃ修行した。
本なども読み漁り色々な事を試した。
本を読んで行く内にある事に気づく。
詠唱が書かれているのだ。俺は補助魔法ですら詠唱なんてした事がないので、必要ないのだと思い無視した。

修行の成果だが、結論から言うと空間魔法では短い距離を瞬間移動できる様になった!長い距離も試したが、速攻で魔力が切れた。◯ーラ的な事は出来ないらしい。魔力量が増えれば出来るのかもしれないが、正直燃費が悪すぎてやりたくない。

他にもサイコキネシスの応用で、引っ張ったり押したり、上から押しつぶす様にしたりと、力の向きをコントロールできる様になった。

補助魔法は、その名の通り補助をしてくれる魔法だ。自分の身体能力を向上させたり、自分以外の能力を向上させる事も出来るようだ。

そして補助魔法・身体強化は重ねがけができた。しかしとてつもない速さで移動などできる代わりに体に物凄い負荷がかかってしまう様だ。試しに使ってみてから3日は筋肉痛で動くのすらしんどかった。

ちなみに親も俺が魔法の訓練をしているのは知っている。以前空間切断の練習をしていて、扉を少し切ってしまった事があった。何を言われるかと思ったが、褒められて終了だった。

本当に甘い親である。

そして5歳になった事で、ちょっとなら外出を許可してもらえたのだ!条件として、森には入っては行けないと言われていた。魔物が出るからだ。しかし、俺は試さずにはいられなかった。

だから言いつけを破り森に入ったのだ。

するとすぐに少し大きいウサギの様なものがこちらに向かってくる。頭にはそこそこ長さがあるであろう鋭角な角が生えていた。

「あれが魔物か!」と俺は興奮しながら身体強化を付与して素早く横にかわす。その際ガラ空きなウサギの首めがけて手刀をした。

空間を切るイメージで放たれた手刀は見事にウサギの首を綺麗に跳ね飛ばした。

「よし!」と成功を喜ぶ。
が切った断面のグロさに少し吐きそうになった。

その時、体が少し熱くなる様な感覚になる。
以前本で読んだレベルアップの際に起こる現象だ。

「こんなんでレベルが上がるのか」とも思ったが、俺には成長率上昇のスキルがある事を思い出した。

「あれのおかげかな」と思いつつも初めて魔物を倒した高揚感に浸っていると、血の匂いに惹きつけられたのか狼の様な魔物が現れた。

俺はその見た目のいかつさから少しビビったが、すぐに気を引き締めて戦闘体制に入る。

今度は切るのではなく削る方で戦う事にした。
削り取るにはそれなりに近くないと当たらないので、必然とインファイトになる。

が、俺には秘策があった。空間を削ると削った先にあるものとお互いに引き寄せられるのである。ちなみに大きな岩や木、もしくは何もないなどは自分だけが引きつけられる結果になる。
引きつける距離は一回につき大体8メートルほどだと思う。

俺は狼っぽいやつに向かって左手を振りかざす。その瞬間俺と狼は引きつけ合い、目の前に俺が現れた狼は一瞬何が起こったのか理解できずに固まる。

その瞬間俺は構えていた右腕で狼の頭に触れて振りかざす。すると狼の頭は消え、首から下が残った。

「なかなかにエグいなこれ」

何せ一撃である。普通は5歳児の魔法ではせいぜいちょっと痛い程度の魔法を出すのが限界である。

それを考えるとこの破壊力を何度も使える空間魔法は攻撃において相当燃費が良い。

しかし欠点もあり、空間魔法で遠くの敵を攻撃しようとすると一気に消費するMPが増えるのである。なので攻撃は相手の攻撃を受けうる間合いでしか使えないのだ。

そこで活躍するのが補助魔法である。身体強化をする事で機敏に動き、相手より早く相手に攻撃する。先手必勝である。

さらに先ほどの様に引きつけるという初見殺しの技もあり、意外とそのデメリットはどうにでもなる。

俺はウサギと狼の死体を空間魔法の「ストレージ」と読んでいる空間に入れる。

そして自分の魔法を試せて満足したため、帰路に着いた。

家に着くと玄関にはソフィが待っていた。
「ソルちゃん?何か血の匂いがしない?」
ギクリ…
「いやぁ、実はそのぉ…森に入ってしまって…」

その後はこっ酷く叱られた。言いつけを守らなかったのだから当然であるが、まさかここまでソフィが怒るとは思わなかった。かなり怖い。

だが俺は将来冒険者になりたいと思っている。
早めに経験を積みたかったのだ。
だから俺はルクスに言った。

「僕は将来お母様の様に冒険者になりたいです!なので強くなりたいです!僕は魔物と戦いたいです!ダメですか?お父様…」と。

すると「5歳児に魔物と戦って良いと許可する親がいると思うか?お前がどれだけ努力しているのかは知っているが、まだダメだ」

「『まだ』とはいつまででしょうか!」

「そうだな。8歳になれば王都で『学校』に行く事になる。そうなったら自分で魔物と戦う事を許そう。だがそれまではダメだ」

学校…俺の嫌いな言葉である。喧嘩に明け暮れていた俺はまともに学校など行っておらず、勉強も嫌いだ。できれば行きたくない。が、この世界では真っ当に生きると決めている。

「わかりました…」と返事をし、自分の部屋へと戻る。

「学校か…」とため息をこぼしながらも王都というまだ見ぬ地へと行ける事にはワクワクしていた。

しかしまだ3年もある。5歳となったが、この体はかなり運動神経が良くガタイも良い。他の5歳児を見た事はないが、村で以前見た少年少女たちよりも大きいだろう。

前世でもフィジカルの強さの重要性は嫌というほど知っている。俺がそうだったからだ。

「さて、この3年間をどう過ごすか」
魔法の訓練は当然として、俺は適度に肉体を強くする事にした。

言いつけを破ってしまったが、少しの外出は許してもらえたので、ランニングをして基礎体力を鍛えて、それが終わると、軽い無酸素運動で筋肉をつけていく。やりすぎると成長に悪影響なため本当に適度な量だけだ。

身体強化の重ねがけに耐えうる肉体を作るためにも取り組むべきであると判断したためである。

それが終わると魔法をMPが切れる寸前まで練習する。最初は気絶してしまう事もあったが、数週間すると、「あ、そろそろなくなる」というとが、なんとなくわかってくる様になったのである。

それに日に日に使える魔法の回数が増えている。きっとMPの量が増えているのだろう。
成長率上昇はレベルアップ以外にも効果があるのかもしれない。

そんなこんなで一年が経ち、俺は6歳になった。

ルクスも俺がトレーニングをしているのを知っているためか、6歳になる誕生日に、

「ソル、そろそろお前に武器になるものを買ってやろうと思うんだが何が良い?」と言われた。

俺は驚いた。まだ魔物と戦う事は許可されていないのに、武器をくれるというのだから。
俺が不思議そうな顔をしているとルクスが、

「そろそろお前の特訓相手になってやろうかと思ってな」と言う。

「いつも1人で鍛えているだろう?強くなりたいのなら魔物だけでなく対人戦も経験した方がいいと思ってな。もちろん嫌と言うなら無理強いはしな「やります!」…そうか」

食い気味に答える

「では武器は何がいい?」

そう聞かれて俺は悩んでしまう。俺は正直ロングソードとか弓とか興味あんまりないんだよなぁ。剣より切れる魔法があって遠距離もやろうと思えば引きつけてなんとかなるし。

あるのかはわからないが、魔法が無効化された時の対処法は欲しいな。となると…

「ガントレットが欲しいです。できるだけ動きやすいやつで」

ガントレットだ。仮に魔法を封じられても殴れるし、剣や弓の様に手元にないと攻撃出来ない訳ではない。さらに俺はインファイトが多い。無駄に刃が付いているものは邪魔になる可能性が高いのである。

「ガントレットか…それで、なぜそれなんだ?」

「僕の戦い方と相性が良いと感じたからです!」

「そうか。わかった、動きやすいものを用意しよう。」

「ありがとうございます!」

念願の武器ゲットである。と言ってもガントレットなので今までと戦闘スタイルは大して変わらないが、対人戦では空間魔法は危険すぎる。

そして5日ほど経った頃、念願の武器が届いたのである!

形は思っていたよりもシンプルで、黒を基調としたグローブに近い感じだ。関節の所には少し角張った金属が出ていて、攻撃力は高そうだ。

かつ無駄にゴツいわけではなく、とても軽い。
試しに引っ張ってみるが意外と伸びる。伸縮性もいい様だ。

俺は届いたガントレット、もといグローブに満足していた。そして「それじゃ約束通り、対人の訓練をしようか」と、ルクスから声をかけられる。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

異世界でカイゼン

soue kitakaze
ファンタジー
作者:北風 荘右衛(きたかぜ そうえ)  この物語は、よくある「異世界転生」ものです。  ただ ・転生時にチート能力はもらえません ・魔物退治用アイテムももらえません ・そもそも魔物退治はしません ・農業もしません ・でも魔法が当たり前にある世界で、魔物も魔王もいます  そこで主人公はなにをするのか。  改善手法を使った問題解決です。  主人公は現世にて「問題解決のエキスパート」であり、QC手法、IE手法、品質工学、ワークデザイン法、発想法など、問題解決技術に習熟しており、また優れた発想力を持つ人間です。ただそれを正統に評価されていないという鬱屈が溜まっていました。  そんな彼が飛ばされた異世界で、己の才覚ひとつで異世界を渡って行く。そういうお話をギャグを中心に描きます。簡単に言えば。 「人の死なない邪道ファンタジーな、異世界でカイゼンをするギャグ物語」 ということになります。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!

Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。 裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、 剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。 与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。 兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。 「ならば、この世界そのものを買い叩く」 漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。 冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力―― すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。 弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。 交渉は戦争、戦争は経営。 数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。 やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、 世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。 これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。 奪うのではない。支配するのでもない。 価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける―― 救済か、支配か。正義か、合理か。 その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。 異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。 「この世界には、村があり、町があり、国家がある。 ――全部まとめて、俺が買い叩く」

滅ぶ予定の魔王国ルミナ、実は全員が将軍級でした ~常識人の魔王アルト、血に飢えた国民に担がれて帝国を返り討ちにする~

雪野湯
ファンタジー
三百年続いた和平が終わり、魔族の小国ルミナは滅亡の時を迎えようとしていた。 人口五千、兵士百。相手は大陸最大の魔族帝国ヴォルガ。 魔王アルトは「降伏こそ最善」と覚悟していた――はずだった。 だが、民の反応は予想外だった。 「帝国ぶっ潰す!」「KO・RO・SE!!」 国民は全員、血に飢えた狂戦士。 老人も若者も、獣人もエルフもドワーフも、全員が将軍級の化け物揃いだったのだ!!  彼らの熱意を受け取り戦いを決断するアルトだが、いざ砦を攻めてみれば――帝国最強の五龍将すら一閃で両断。 帝国側は大混乱に陥り、ルミナの名は恐怖とともに広まっていく。 弱小国と侮られたルミナの反撃が、ここから始まる。 そしてアルトは知らない。 自分が率いる国が、世界最強の“狂戦士国家”だということを。

没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜

namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。 かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。 無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。 前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。 アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。 「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」 家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。 立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。 これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~

専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。 ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。

処理中です...