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<デート>
デート
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道路はスイスイとはいかないまでも、程よく流れている。
昼間に二人でドライブを兼ねて出かけるというのが、初めてのデートみたいにドキドキする。
てか、初めてなんだけど。
郷は、Barやホテルを経営しているため、土日と言えども休みと言うわけではなく、 悠歩が土日休みということで、それに合わせて郷の部屋で過ごしている。
日曜の夕方に悠歩が帰るまで郷の部屋で過ごし、郷の仕事の合間に二人で濃密な時間を共有している感じだ。
いわゆる週末通い妻のような生活を続けている。
一日オフでどこへ行きたい?と、聞かれてもデートスキル0の俺にとって、いきなりのデートコースが出てくるでもなく
時々一人で訪れる場所で、きっと恋人同士で来たら素敵だな~って思っていた場所。
でも、郷さんにとっては退屈かもしれないと思いつつ言ってみたら、
「行こう」と、二つ返事だった。
そんなことを考えながら、隣でハンドルを握る郷さんを横目で盗み見たりする。
グラントでの眼鏡に髪を後ろに流すスタイルもかっこいいけど、
オフの時の、眼鏡のない髪を下したカジュアルな姿もすごく素敵だ。
「悠歩は、よくそこへ行くのですか?元彼ととか?」
「よくではないけど、時々・・・すいているから一人でいても浮かないし」
「そもそも、デートとか初めてなんです・・いままで、こんな風に大切にしてもらったことがないから」
「わたしが初めての人なんだ」
郷はそう言うとニッコリと微笑んで
「これから、たくさん出かけましょう、そうすれば悠歩にとってわたしは特別になれそうですから」
「いまでも、十分特別です」
車は国道からすこし入った道にはいると、一気にマイナスイオンたっぷりな雰囲気になった。
『目的地周辺に到着いたしました。案内を終了します』
と、機械的な声が聞こえてナビゲートが終了したところに
入口の看板が目に入った。
広い駐車場には半分くらいしか車が駐車されておらず、それほど混雑はしていないことがわかる。
森林公園のような場所ですこし坂を登っていく。
「ああ、気持ちのいい場所だね」
「そうなんです、なんだかここでぼんやりするのが好きなんですよ」
「悠歩がほかの男と来ていないということだけでもポイントが高いが、本当に気持ちがいい」
しばらく森林浴をたのしみながら進んでいくと
突然、現代的な建物が現れる。
現代的といっても、それほど大きな建物ではないが、すこし不思議な存在感だ。
建物の前には広い芝生もひろがっていて、家族連れがビニールシートを敷いてお弁当を食べていた。
「こんなところに、プラネタリウムがあるんだ」
「そうなんです、基本は学校向けのようなんですが、土日なら一般向けの投影もあるんです。」
「へぇ~、プラネタリウムは随分と来ていないな。下手をすると中学以来かもしれない」
「メガスターというすごいプラネタリウムらしいんですよ、俺もそれほど詳しくはないんだけど」
「ああ、聞いたことがあるね」
チケットを購入して、展示室ですこし展示物を見ていると、入場時間が来た。
入場するとそれほどの人の入りはなくゆったりとリラックス出来る空間だ。
投影が始まると日が暮れて一気に夜がやってくる。
星空が広がる。
そういえば、普段生活している中で
夜に空を見上げることがあるだろうか?
星など、ほとんど見えないから、夜空を見上げるということではなく、ピンポイントに“月”を見るだけ、月は精気を吸い取られるような気になるが、満点の星の下は逆に多くのエネルギーが降り注いで、自分の身体に入っていくような気がする。
リクライニングの座席にゆったりとした音楽と空気感
いつもなら、リラックスしすぎて熟睡モードになるが、今日は隣に郷さんが居ると思うと緊張して、眠れそうも無い・・いや・・・寝る前提もおかしいんだけど・・・
恋人同士ってこういう時は、手をつないだりとかするんだよな
こっそり隣を見ると、天井に映し出された星を見ていた。
郷さんって無防備な顔もかっこいい・・・
偶然、小指が当たった体でこっそりつけてみようか・・・
ゆっくり・・・
ゆっくり・・・
徐々に小指を近づけていく
あっ、女子高生とかじゃあるまいし・・
いやいや、むしろ女子高生のほうが恋愛になれてるのかな・・
いくら何でも小指作戦とか
やっぱイタい・・・よな・・・
やめよう・・・
$#@*&×!!!!
昼間に二人でドライブを兼ねて出かけるというのが、初めてのデートみたいにドキドキする。
てか、初めてなんだけど。
郷は、Barやホテルを経営しているため、土日と言えども休みと言うわけではなく、 悠歩が土日休みということで、それに合わせて郷の部屋で過ごしている。
日曜の夕方に悠歩が帰るまで郷の部屋で過ごし、郷の仕事の合間に二人で濃密な時間を共有している感じだ。
いわゆる週末通い妻のような生活を続けている。
一日オフでどこへ行きたい?と、聞かれてもデートスキル0の俺にとって、いきなりのデートコースが出てくるでもなく
時々一人で訪れる場所で、きっと恋人同士で来たら素敵だな~って思っていた場所。
でも、郷さんにとっては退屈かもしれないと思いつつ言ってみたら、
「行こう」と、二つ返事だった。
そんなことを考えながら、隣でハンドルを握る郷さんを横目で盗み見たりする。
グラントでの眼鏡に髪を後ろに流すスタイルもかっこいいけど、
オフの時の、眼鏡のない髪を下したカジュアルな姿もすごく素敵だ。
「悠歩は、よくそこへ行くのですか?元彼ととか?」
「よくではないけど、時々・・・すいているから一人でいても浮かないし」
「そもそも、デートとか初めてなんです・・いままで、こんな風に大切にしてもらったことがないから」
「わたしが初めての人なんだ」
郷はそう言うとニッコリと微笑んで
「これから、たくさん出かけましょう、そうすれば悠歩にとってわたしは特別になれそうですから」
「いまでも、十分特別です」
車は国道からすこし入った道にはいると、一気にマイナスイオンたっぷりな雰囲気になった。
『目的地周辺に到着いたしました。案内を終了します』
と、機械的な声が聞こえてナビゲートが終了したところに
入口の看板が目に入った。
広い駐車場には半分くらいしか車が駐車されておらず、それほど混雑はしていないことがわかる。
森林公園のような場所ですこし坂を登っていく。
「ああ、気持ちのいい場所だね」
「そうなんです、なんだかここでぼんやりするのが好きなんですよ」
「悠歩がほかの男と来ていないということだけでもポイントが高いが、本当に気持ちがいい」
しばらく森林浴をたのしみながら進んでいくと
突然、現代的な建物が現れる。
現代的といっても、それほど大きな建物ではないが、すこし不思議な存在感だ。
建物の前には広い芝生もひろがっていて、家族連れがビニールシートを敷いてお弁当を食べていた。
「こんなところに、プラネタリウムがあるんだ」
「そうなんです、基本は学校向けのようなんですが、土日なら一般向けの投影もあるんです。」
「へぇ~、プラネタリウムは随分と来ていないな。下手をすると中学以来かもしれない」
「メガスターというすごいプラネタリウムらしいんですよ、俺もそれほど詳しくはないんだけど」
「ああ、聞いたことがあるね」
チケットを購入して、展示室ですこし展示物を見ていると、入場時間が来た。
入場するとそれほどの人の入りはなくゆったりとリラックス出来る空間だ。
投影が始まると日が暮れて一気に夜がやってくる。
星空が広がる。
そういえば、普段生活している中で
夜に空を見上げることがあるだろうか?
星など、ほとんど見えないから、夜空を見上げるということではなく、ピンポイントに“月”を見るだけ、月は精気を吸い取られるような気になるが、満点の星の下は逆に多くのエネルギーが降り注いで、自分の身体に入っていくような気がする。
リクライニングの座席にゆったりとした音楽と空気感
いつもなら、リラックスしすぎて熟睡モードになるが、今日は隣に郷さんが居ると思うと緊張して、眠れそうも無い・・いや・・・寝る前提もおかしいんだけど・・・
恋人同士ってこういう時は、手をつないだりとかするんだよな
こっそり隣を見ると、天井に映し出された星を見ていた。
郷さんって無防備な顔もかっこいい・・・
偶然、小指が当たった体でこっそりつけてみようか・・・
ゆっくり・・・
ゆっくり・・・
徐々に小指を近づけていく
あっ、女子高生とかじゃあるまいし・・
いやいや、むしろ女子高生のほうが恋愛になれてるのかな・・
いくら何でも小指作戦とか
やっぱイタい・・・よな・・・
やめよう・・・
$#@*&×!!!!
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