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<和解>
和解
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母親と病院の談話室で久しぶりに話をした。
東京の大学に行くときも父は金銭的な援助はしてくれたが、それ以外は何かをすることはなかった。
厄介払いのような感じだったから。
「悠歩には悪いことをしたって、ずっと思っていた」
「親不孝でごめん」
「悠歩が・・男の人が好きだって知ってどうしていいのかわからなかった。父さんにもわたしの育て方が悪かったんだって言われて・・・」
「ごめん」
「謝るのはわたしたちの方よね、悠歩は悪くない。父さんと二人で色々とそういう本を読んだりしたのよ、それで悠歩はとても苦しんでいるんじゃないかって」
「悠歩は今幸せ?」
「辛いことは確かに多かったけど、今は俺にとって大切な人が俺のことを大切にしてくれて」
「凄く幸せだよ」
母親は「そう」と、とても穏やかに笑った。
入院中の父親のことをすっかり忘れて談話室で母親と疎遠だった時間を埋めていたときスマホがブルブルと震えた。
大切な人からだ
「郷さん」
「今、小樽の駅に着いたけどここからはどうすればいい?」
「!!!本当に来てくれたんですか!」
「何で来たんですが?列車?車?」
「レンタカーを借りたよ」
「じゃあ、○○総合病院とナビに入れれば大丈夫です」
「わかった」
変な別れ方をしていたから、会えるのが嬉しい
「大切な人からの電話?」
「うん、今小樽駅にいるって」
母親は一瞬驚いていたが、すぐに優しい表情になって
「悠歩の大切な人に会ってみたいわ、ただしお父さんはステントを入れてからにしてくれる?」
東京の大学に行くときも父は金銭的な援助はしてくれたが、それ以外は何かをすることはなかった。
厄介払いのような感じだったから。
「悠歩には悪いことをしたって、ずっと思っていた」
「親不孝でごめん」
「悠歩が・・男の人が好きだって知ってどうしていいのかわからなかった。父さんにもわたしの育て方が悪かったんだって言われて・・・」
「ごめん」
「謝るのはわたしたちの方よね、悠歩は悪くない。父さんと二人で色々とそういう本を読んだりしたのよ、それで悠歩はとても苦しんでいるんじゃないかって」
「悠歩は今幸せ?」
「辛いことは確かに多かったけど、今は俺にとって大切な人が俺のことを大切にしてくれて」
「凄く幸せだよ」
母親は「そう」と、とても穏やかに笑った。
入院中の父親のことをすっかり忘れて談話室で母親と疎遠だった時間を埋めていたときスマホがブルブルと震えた。
大切な人からだ
「郷さん」
「今、小樽の駅に着いたけどここからはどうすればいい?」
「!!!本当に来てくれたんですか!」
「何で来たんですが?列車?車?」
「レンタカーを借りたよ」
「じゃあ、○○総合病院とナビに入れれば大丈夫です」
「わかった」
変な別れ方をしていたから、会えるのが嬉しい
「大切な人からの電話?」
「うん、今小樽駅にいるって」
母親は一瞬驚いていたが、すぐに優しい表情になって
「悠歩の大切な人に会ってみたいわ、ただしお父さんはステントを入れてからにしてくれる?」
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