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19話 試してみたくて ●
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いやダメだろ、おかしいだろ。
一瞬で冷静に戻り、オレは桐生から離れようとしたが、桐生はオレをがっちり抱きしめて離さなかった。
互いにほとんど半裸で肌を寄せて、しみじみと感じる。
こいつの胸筋と腹筋と背筋、どこからわいてきたんだ。
ジムにでも通っているのか?
いつものシャツだと見えにくい程度の細身は、整った筋肉で構成されていて、ひょろいオレの体と比べるのもおこがましい。
顔や性格だけでなく、脱いでも完璧なのか、この男は。
「ごちそうさま。美味しかった。
傷の痛みがかなり引いたよ。想像より効いた」
冗談ではないようだった。
桐生の顔に血色が戻り、声にも張りがある。
ヴァンパイアは唾液で他者を癒せるが、自分の傷は癒せない。
吸血とは、ヴァンパイアの自己回復手段でもあるのだろうか。
「その、ええと、気持ち悪いなら着替える……?」
桐生が言いにくそうに切り出してくれたが、今はいい、今は放っておいてくれ!
首を強く振って遠慮する。ベタベタするし気持ち悪いが、とりあえず放っておいてくれ!
血を吸われただけで……あんな……。
ここが安心だからか。オレが行為に慣れたのか。それとも、オレはああされるのが好き、とか。
「オレは変態なのかもしれない」
「僕限定なら、歓迎します」
顔を覆って恥じるオレのこめかみに、桐生は優しく口づけた。
唇に体温が戻っていて、あたたかかった。
ふと、巻いただけのTシャツで隠れた桐生の下半身が大きくなっているのが目に留まった。
桐生も反応しているのを嬉しく思ったが……こいつは、自分の性をどうやって処理しているのだろう。
「うわ、朝霧!?」
何故こんなに大胆になれたのだろう。
オレは腰に巻いただけの桐生のTシャツをはぎ取った。
他人のをまじまじ見るのは初めてだ。自分のものより大きく見える。実際大きいか?
吸血する側の気持ちはわからんが、桐生も気持ちいいんだろうか。
「本当に変態じみたことしてどうするの、…っ」
桐生のものを、先っぽだけ口に。
こんなこと、性的な雑誌やその他でしか知識はない。
される側としての経験があるにはある。桐生がやっていたことは、どうだったか。
桐生のものがひとまわり大きくなった。まだ大きくなるのか、こいつのコレは。
「朝霧、離して!
自分で処理できます、……あさ、ぎり、
僕も余裕ないから、ほんとに、はなして」
桐生の息遣いが乱れてきた。
離せと喚いていた桐生が声を飲み込み、代わりに熱く息を吐いた。
大きくて顎が痛いし、なにがいいのかわからないが、桐生の反応が楽しい。
一方的にやられていた仕返しをしている気分だ。
それに、割と悪くない。
触れると、桐生が抑えるように息をして。
愛おしい反応だと思った。
オレが触れて、桐生が気持ちいい。その図式が嬉しかった。
「……ぅあっ、
あさぎり、口をはなして、はやく!」
半分悲鳴のように叫ばれた時、オレは桐生の先端を強く吸い上げていた。
びゅくっ、と口の中に桐生のが……
……まずっ!!
ま、ず、い。くそまずい。
苦い? とも違う。どう形容していいのか、この味。
口内がイガイガする、きもちわるい。
「朝霧、吐いて吐いて! ペッして、ペッ!」
子どものように促され、オレは口の中の液体を桐生の腹に吐き出してしまった。
「げほ、げほっ」
「はい、水!
なんで口で受けるかな!? AVじゃあるまいし!」
桐生から手渡された経口補水液を一気飲みした。どんな飲み物より美味かった。
あれは人間が口に入れていい味ではなかった。
本や映像では、ああいうのは普通っぽかったのに。
ねとっとした刺激……衝撃的過ぎて忘れられそうにない。
「…………」
桐生は何を思ったか、こぼれている自分の液を、指ですくってちょいと舐めた。
「うわっ!?
なにこれ、朝霧のと味が違う」
「知るか!」
桐生が笑った。
オレも笑った。
しあわせな時間、しあわせなひととき。
やっと思いが通じ合った夜は、手の傷が開かないよう、寄り添って眠るだけだったけれど。
こいつにならかまわない、と思ったから。
きっと近いうちに、体が重なる日も来るのだろう。
今日はゆっくりおやすみ。
オレのヴァンパイア。
終わりっぽく見えるけどまだまだ続きあるよ
一瞬で冷静に戻り、オレは桐生から離れようとしたが、桐生はオレをがっちり抱きしめて離さなかった。
互いにほとんど半裸で肌を寄せて、しみじみと感じる。
こいつの胸筋と腹筋と背筋、どこからわいてきたんだ。
ジムにでも通っているのか?
いつものシャツだと見えにくい程度の細身は、整った筋肉で構成されていて、ひょろいオレの体と比べるのもおこがましい。
顔や性格だけでなく、脱いでも完璧なのか、この男は。
「ごちそうさま。美味しかった。
傷の痛みがかなり引いたよ。想像より効いた」
冗談ではないようだった。
桐生の顔に血色が戻り、声にも張りがある。
ヴァンパイアは唾液で他者を癒せるが、自分の傷は癒せない。
吸血とは、ヴァンパイアの自己回復手段でもあるのだろうか。
「その、ええと、気持ち悪いなら着替える……?」
桐生が言いにくそうに切り出してくれたが、今はいい、今は放っておいてくれ!
首を強く振って遠慮する。ベタベタするし気持ち悪いが、とりあえず放っておいてくれ!
血を吸われただけで……あんな……。
ここが安心だからか。オレが行為に慣れたのか。それとも、オレはああされるのが好き、とか。
「オレは変態なのかもしれない」
「僕限定なら、歓迎します」
顔を覆って恥じるオレのこめかみに、桐生は優しく口づけた。
唇に体温が戻っていて、あたたかかった。
ふと、巻いただけのTシャツで隠れた桐生の下半身が大きくなっているのが目に留まった。
桐生も反応しているのを嬉しく思ったが……こいつは、自分の性をどうやって処理しているのだろう。
「うわ、朝霧!?」
何故こんなに大胆になれたのだろう。
オレは腰に巻いただけの桐生のTシャツをはぎ取った。
他人のをまじまじ見るのは初めてだ。自分のものより大きく見える。実際大きいか?
吸血する側の気持ちはわからんが、桐生も気持ちいいんだろうか。
「本当に変態じみたことしてどうするの、…っ」
桐生のものを、先っぽだけ口に。
こんなこと、性的な雑誌やその他でしか知識はない。
される側としての経験があるにはある。桐生がやっていたことは、どうだったか。
桐生のものがひとまわり大きくなった。まだ大きくなるのか、こいつのコレは。
「朝霧、離して!
自分で処理できます、……あさ、ぎり、
僕も余裕ないから、ほんとに、はなして」
桐生の息遣いが乱れてきた。
離せと喚いていた桐生が声を飲み込み、代わりに熱く息を吐いた。
大きくて顎が痛いし、なにがいいのかわからないが、桐生の反応が楽しい。
一方的にやられていた仕返しをしている気分だ。
それに、割と悪くない。
触れると、桐生が抑えるように息をして。
愛おしい反応だと思った。
オレが触れて、桐生が気持ちいい。その図式が嬉しかった。
「……ぅあっ、
あさぎり、口をはなして、はやく!」
半分悲鳴のように叫ばれた時、オレは桐生の先端を強く吸い上げていた。
びゅくっ、と口の中に桐生のが……
……まずっ!!
ま、ず、い。くそまずい。
苦い? とも違う。どう形容していいのか、この味。
口内がイガイガする、きもちわるい。
「朝霧、吐いて吐いて! ペッして、ペッ!」
子どものように促され、オレは口の中の液体を桐生の腹に吐き出してしまった。
「げほ、げほっ」
「はい、水!
なんで口で受けるかな!? AVじゃあるまいし!」
桐生から手渡された経口補水液を一気飲みした。どんな飲み物より美味かった。
あれは人間が口に入れていい味ではなかった。
本や映像では、ああいうのは普通っぽかったのに。
ねとっとした刺激……衝撃的過ぎて忘れられそうにない。
「…………」
桐生は何を思ったか、こぼれている自分の液を、指ですくってちょいと舐めた。
「うわっ!?
なにこれ、朝霧のと味が違う」
「知るか!」
桐生が笑った。
オレも笑った。
しあわせな時間、しあわせなひととき。
やっと思いが通じ合った夜は、手の傷が開かないよう、寄り添って眠るだけだったけれど。
こいつにならかまわない、と思ったから。
きっと近いうちに、体が重なる日も来るのだろう。
今日はゆっくりおやすみ。
オレのヴァンパイア。
終わりっぽく見えるけどまだまだ続きあるよ
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