68 / 85
小ネタ 無力化とは?
しおりを挟む
※ 下坂との対戦前です
何度聞いても、何も音がしないボイスレコーダー。
ヴァンパイア殺しのトラップだと言われても、オレには確認する術がない。
オレは、ボイスレコーダーを最小音量にし、ちょっとだけ鳴らしてみた。耳を近づける。やはり無音だ。
「うわあああ!?」
少し離れた場所にいたのに、桐生が情けない声を上げた。
「令一、今、鳴らした? 鳴らしたよね!?
ひとこと言ってからにして!
ああああ、寒気が……。今日、絶対悪夢見る……」
「すまん。この距離でも聞こえるとは。
すごいものなんだな」
聞こえないからわからないが、ここに録音されているのは恐怖音声らしい。
桐生は、内容、使用方法、危険性を明かした上で、念入りに承諾をとり、『ふたり』にこれを聞いてもらったらしい。
ひとりは上条。
海外にいる上条に、小音を電話越しに聞かせると、1秒で悲鳴を上げてスマホを放り出したという。
もうひとりは誰か知らない。桐生の知り合いにヴァンパイアがいるのか?
その人は大人らしいが、5秒ほどでひっくり返って大変なことになったと聞く。
実験台にさせられたやつらは御愁傷様だが、ヴァンパイア体質に効くという確証は得られたようだ。
「聞こえないと不安でな。
ちゃんと録音できてるか、どうも気になって」
「それ、ほんっっとにヤバイから!!
こんなことがないと絶対使わないよ。
二度と聞きたくなかった……」
青い顔をする桐生。ジョークで使える代物ではないことだけはわかる。
使い終わったら速攻で消去しないとな。
うっかり音を出して、オレの隣でぶっ倒れられては困る。
「ペンライトで合図したら、音量MAXで鳴らしてね」
「お前、これをあいつと一緒に聞くことになるんだろう。
本当に大丈夫なのか?」
「イヤーウィスパー装着で試したよ。
5分はもった」
「5分って。5分後、お前どうなった?」
「気絶したよ。
耐えられるものじゃないからね。
ボイスレコーダーに終わりがあってよかった。
フルリピートしてたら、僕は目覚めてないと思う」
「なんて危険なことを!?
オレには聞こえないんだから、それこそオレのいるところでやれ!!」
「情けない姿、見せたくなくて」
「馬鹿者がっ!!」
オレは、桐生の後頭部を思いっきりはたいてやった。
下坂は、目の前でボイスレコーダーを操作する隙はくれないだろうということで、オレが桐生の10メートルほど後ろを歩き、下坂と直接接触しない場所で音響係をすることになった。
「絶対に、彼の視界範囲内には来ないでね。
音源がバレたら、彼がまだ動けるなら狙ってくると思う。
見えない位置に隠れて、じっと息をひそめていてね」
「もうその言葉は7回目だ。わかった、よくわかった」
後方支援ができることは嬉しかった。
何より、桐生がすべて一人でやろうとせず、オレや他の人間を頼ってくれたのが嬉しかった。
「もし、この音で拘束できないようならすぐ離脱する。
逃げて次の作戦を考えよう。
この音で行動不能にできたなら、溝口先生から借りた拘束ベルトで体を縛ってから気を失わせて、僕が空を飛んで運ぶよ」
「その後はどうするんだ?」
「溝口先生はやってくれなさそうだな……。
もしもの時は令一に頼むかも。
去勢する」
「きょ?」
桐生は、目が笑っていなかった。
「本当は警察に突き出したいところだけどね。
戸籍にない人間だから、釈放されちゃうかもしれないし。
ちゃんと捕まえてもらえたとしても、拘置所で吸血衝動起こったら、日本全国にヴァンパイアの存在が知れ渡って、ひっそり生きてる皆さんに迷惑がかかるでしょ?
だから、去勢が最適かなって。
女性を守れるし、動物はおとなしくなるらしいよ。
あと、場合によっては指の切除も考えてる。
コウモリ姿になったとき、かぎ爪あるでしょ?
あれは手の親指なんだ。
親指を関節から、こうやってこういう感じで切除すると、翼が破れた状態になって飛べなくなる」
メモ用紙に図解して説明してくれる桐生は。
ものすごくにこやかで、やっぱり目が笑っていなかった。
「いっそ殺せと言われそうだな」
「そうかな?」
ヴァンパイアは、怒らせると怖い生物なのか。
それとも桐生だからなのか。
とりあえず、去勢をオレに依頼しようとしたら、無理だとはっきり言おう。
マウスと人間を一緒にするな。できるわけがない。
だいたい、アレを切除するなんて……、オレが悪夢を見るだろうが!!
ヴァンパイアは怒らせてはいけない。
オレは、その言葉を胸に刻むことにした。
小ネタおわり。
何度聞いても、何も音がしないボイスレコーダー。
ヴァンパイア殺しのトラップだと言われても、オレには確認する術がない。
オレは、ボイスレコーダーを最小音量にし、ちょっとだけ鳴らしてみた。耳を近づける。やはり無音だ。
「うわあああ!?」
少し離れた場所にいたのに、桐生が情けない声を上げた。
「令一、今、鳴らした? 鳴らしたよね!?
ひとこと言ってからにして!
ああああ、寒気が……。今日、絶対悪夢見る……」
「すまん。この距離でも聞こえるとは。
すごいものなんだな」
聞こえないからわからないが、ここに録音されているのは恐怖音声らしい。
桐生は、内容、使用方法、危険性を明かした上で、念入りに承諾をとり、『ふたり』にこれを聞いてもらったらしい。
ひとりは上条。
海外にいる上条に、小音を電話越しに聞かせると、1秒で悲鳴を上げてスマホを放り出したという。
もうひとりは誰か知らない。桐生の知り合いにヴァンパイアがいるのか?
その人は大人らしいが、5秒ほどでひっくり返って大変なことになったと聞く。
実験台にさせられたやつらは御愁傷様だが、ヴァンパイア体質に効くという確証は得られたようだ。
「聞こえないと不安でな。
ちゃんと録音できてるか、どうも気になって」
「それ、ほんっっとにヤバイから!!
こんなことがないと絶対使わないよ。
二度と聞きたくなかった……」
青い顔をする桐生。ジョークで使える代物ではないことだけはわかる。
使い終わったら速攻で消去しないとな。
うっかり音を出して、オレの隣でぶっ倒れられては困る。
「ペンライトで合図したら、音量MAXで鳴らしてね」
「お前、これをあいつと一緒に聞くことになるんだろう。
本当に大丈夫なのか?」
「イヤーウィスパー装着で試したよ。
5分はもった」
「5分って。5分後、お前どうなった?」
「気絶したよ。
耐えられるものじゃないからね。
ボイスレコーダーに終わりがあってよかった。
フルリピートしてたら、僕は目覚めてないと思う」
「なんて危険なことを!?
オレには聞こえないんだから、それこそオレのいるところでやれ!!」
「情けない姿、見せたくなくて」
「馬鹿者がっ!!」
オレは、桐生の後頭部を思いっきりはたいてやった。
下坂は、目の前でボイスレコーダーを操作する隙はくれないだろうということで、オレが桐生の10メートルほど後ろを歩き、下坂と直接接触しない場所で音響係をすることになった。
「絶対に、彼の視界範囲内には来ないでね。
音源がバレたら、彼がまだ動けるなら狙ってくると思う。
見えない位置に隠れて、じっと息をひそめていてね」
「もうその言葉は7回目だ。わかった、よくわかった」
後方支援ができることは嬉しかった。
何より、桐生がすべて一人でやろうとせず、オレや他の人間を頼ってくれたのが嬉しかった。
「もし、この音で拘束できないようならすぐ離脱する。
逃げて次の作戦を考えよう。
この音で行動不能にできたなら、溝口先生から借りた拘束ベルトで体を縛ってから気を失わせて、僕が空を飛んで運ぶよ」
「その後はどうするんだ?」
「溝口先生はやってくれなさそうだな……。
もしもの時は令一に頼むかも。
去勢する」
「きょ?」
桐生は、目が笑っていなかった。
「本当は警察に突き出したいところだけどね。
戸籍にない人間だから、釈放されちゃうかもしれないし。
ちゃんと捕まえてもらえたとしても、拘置所で吸血衝動起こったら、日本全国にヴァンパイアの存在が知れ渡って、ひっそり生きてる皆さんに迷惑がかかるでしょ?
だから、去勢が最適かなって。
女性を守れるし、動物はおとなしくなるらしいよ。
あと、場合によっては指の切除も考えてる。
コウモリ姿になったとき、かぎ爪あるでしょ?
あれは手の親指なんだ。
親指を関節から、こうやってこういう感じで切除すると、翼が破れた状態になって飛べなくなる」
メモ用紙に図解して説明してくれる桐生は。
ものすごくにこやかで、やっぱり目が笑っていなかった。
「いっそ殺せと言われそうだな」
「そうかな?」
ヴァンパイアは、怒らせると怖い生物なのか。
それとも桐生だからなのか。
とりあえず、去勢をオレに依頼しようとしたら、無理だとはっきり言おう。
マウスと人間を一緒にするな。できるわけがない。
だいたい、アレを切除するなんて……、オレが悪夢を見るだろうが!!
ヴァンパイアは怒らせてはいけない。
オレは、その言葉を胸に刻むことにした。
小ネタおわり。
11
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた
こたま 療養中
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる