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第1章
忠告
しおりを挟むこの歳で大人に手を引かれながら歩くというのは少し複雑だ。
確かに目印を付けていないというか前科があるため仕方がないのだが。ヤケになってどこか行きたいと思うほど愚かではないので、できれば手を離していただきたい。
思うだけで言葉には出来ず、少しうつむきながら部屋へ歩くんですがね。
弱気で軽率な自分が嫌になる。
病室の前で祐希看護師が止まったため、俺も一旦止まった。
「色々あって混乱していると思うけれど、1つだけ追加で言わせて。学校、発情期、薬とかΩ性に関することをなるべく他の患者には聞かないでほしいんだ。
高橋さんはさ、今日いきなりΩ性になって色々知りたいって気持ちが強いってのはわかる。これからここには同じΩ性の人もいるから、仲間意識が出てくると思う。
ただ、同じΩ性であってもそれぞれ今ここにいる過程も周囲の関係も違うから、純粋な質問でも相手が傷ついたり、逆に敵意を向けられることも起こりやすい。高橋さんは聡明そうだし、他人が傷つくことに対しても良い感情を抱かなそうだから。
気になることは、先ず自身で調べて、それでもわからないなら、看護師にでも医者にでも聞いてほしいかな。
言いたいこと伝わったかな。」
いつもより少し低く、小さな声だった。何か事件があったのか、それとも今後のことを憂いているのか、いつもより眉尻が下がっている。
「わかりました。気をつけます。」
Ω性の話はタブーである。それはわかった。
「じゃあ、次からは病室から出るときは目印ををつけて下さいね。」
そう言って手首を離された。
「はい。」
軽く会釈し自分の病室のベッドへと戻った。
短い散歩であったが酷く疲れた。
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