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ヒューマニズムを乗せたバス
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🚍 ヒューマニズー愛情を乗せたバスー
「おつかまりください」からやがて「お座り下さい」とバスの運転手は声をかけた。
よく見るとそこには杖を携えた初老のご婦人が立っていた。
「すいません、一度座るとまた立てなくなるのでだいじょうぶです」と言葉を返した。
バスはおもむろに出発した。
ところが普段のスピードより遅く、カーブなどはゆっくりと丁寧に曲がった。
やはり運転手はこのご婦人に気を遣ってスピードを緩めたのだろうか。
やがて3つ目先の停留所でそのご婦人は降りた。
窓越しには深々と頭を下げバスを見送っていた。
するとバスは元のスピードで戻り、
終着駅まで私を運んだ。
人間として弱者にやさしさは自然の行為かも知れないが、
優しい運転手さんには私ですら感謝の念を抱かざるを得なかった。
降りる時に、運転手の顔を覗くと、そのいかつい顔とは裏腹に仏様のように見えた。
「おつかまりください」からやがて「お座り下さい」とバスの運転手は声をかけた。
よく見るとそこには杖を携えた初老のご婦人が立っていた。
「すいません、一度座るとまた立てなくなるのでだいじょうぶです」と言葉を返した。
バスはおもむろに出発した。
ところが普段のスピードより遅く、カーブなどはゆっくりと丁寧に曲がった。
やはり運転手はこのご婦人に気を遣ってスピードを緩めたのだろうか。
やがて3つ目先の停留所でそのご婦人は降りた。
窓越しには深々と頭を下げバスを見送っていた。
するとバスは元のスピードで戻り、
終着駅まで私を運んだ。
人間として弱者にやさしさは自然の行為かも知れないが、
優しい運転手さんには私ですら感謝の念を抱かざるを得なかった。
降りる時に、運転手の顔を覗くと、そのいかつい顔とは裏腹に仏様のように見えた。
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