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第二章 頂点の裏側で、俺は彼女を“壊れずに運用するシステム”になった
第24話:「助けてあげる」って言った男が玲奈に返された言葉
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配信開始十分前。
画面には「待機中」の文字と、静かなカウントダウンだけが映し出されている。
同接数はすでに二十万人を超えていた。
裏ではミオの配信が始まっているはずだが、視聴者の大半はこちらに流れてきている。
誰もが「真実」という名の劇薬を求めているのだ。
「……湊」
配信デスクの前に座る玲奈が、小さく呟く。
「なに?」
「指示(コマンド)は?」
「ない」
俺はモニターから目を逸らさずに答える。
「質問には答えるな。感情を入れるな。ただ、俺たちが用意した『時系列データ』を読み上げろ。それだけでいい」
「……了解」
玲奈が深く息を吐く。その吐息が俺の腕に触れ、微かに甘い香りが混じる。
その横顔には、もう緊張の色さえない。
完全に「実行モード」に入っている。
カウントゼロ。
配信が始まった。
『……こんばんは。レイです』
玲奈の声は、驚くほど平坦だった。
謝罪も、弁解も、挨拶もなし。
彼女は手元の資料を見つめ、淡々と語り始めた。
『今日は、ここ数週間で起きた出来事について、事実だけをお話しします』
コメント欄が爆発的な速度で流れる。
『どういうこと?』『ミオちゃんと言ってたこと違うくない?』『洗脳されてる?』『裏の男出せよ』
玲奈はコメントを一切見ない。
『まず、四月十日のオフイベント。私が発言した「誰かに動かしてもらわないと息もできない」という言葉について。……あれは比喩ではありません』
彼女は画面に一枚の画像を提示した。
俺が作成した、彼女の一日の生活記録(ライフログ)だ。
睡眠時間、食事摂取量、心拍数の変動。
そして、それが「誰かの介入(俺)」があった時だけ正常値に戻るというグラフ。
『私の心身のパラメータは、特定の個体の管理下でのみ安定します。これは依存ではなく、構造上の仕様です』
会場がざわめく。
『なにこれ』『ガチのデータ?』『なんか怖いんだけど』
玲奈は止まらない。
『次に、ミオさんの発言について。四月十五日の配信で「レイちゃんは無理をしている」と言及されましたが、同時刻の私のバイタルデータはこちらです』
画面が切り替わる。
そこには、ミオの配信を見た瞬間に玲奈のストレス値が跳ね上がり、心拍数が危険域に達した記録が表示されていた。
『彼女の言動は、私の精神を安定させるどころか、明確な攻撃性(アタック)として検知されました』
コメント欄の空気が凍りつく中、突如、新たなウィンドウが割り込んできた。
『通話リクエスト:カイ』
あのイケメン配信者が、このタイミングで凸(突撃)してきたのだ。
俺は眉をひそめた。
台本にないノイズだ。
だが、すぐに理解した。
これは「正義の味方ごっこ」だ。
異常なデータを晒し続けるレイを見て、「彼女は狂わされている、俺が助けなきゃ」というヒロイズムが暴走した結果だ。
ヘッドセットのケーブルが肘掛けに引っかかり、俺は無言で舌打ちをしてそれを振りほどいた。物理的な配線すら、この状況を邪魔してくる。
俺は玲奈に向かって、親指を立てた。
許可(アクセプト)。
玲奈が通話ボタンを押す。
『おいレイちゃん! 大丈夫か!?』
カイの切迫した声が響き渡る。
『なに言わされてるんだよ! そんなデータ、全部デタラメだろ? 脅されてるんだろ!? 俺がいるから、本当のこと言っていいんだぞ!』
コメント欄が一気に沸く。
『カイくん来た!』『助けてあげて!』『やっぱり脅されてたんだ!』
カイは英雄気取りだ。
自分がこの場の空気を変え、かわいそうな少女を救い出す「主人公」だと信じている。
だが。
「……カイさん」
玲奈が静かに口を開く。
「貴方は、私の何を知っているんですか?」
『え? いや、だから、ミオちゃんからも聞いてるし……レイちゃんが辛そうにしてるの見てられないし……』
「データ、見ましたか?」
『だから、そんなデータなんて作るやつが悪いんだよ! そんなの愛じゃない、支配だ!』
カイの声は熱い。
正しい。人として、あまりにも正しい。
だが、その正しさが、この場においては致命的な「バグ」だった。
「支配……そうですね」
玲奈は小さく笑った。
そして、カメラを真っ直ぐに見据えた。
「でも、貴方のその正義感は、私の心拍数を安定させてくれますか? 私の食事の栄養バランスを管理してくれますか? 私が社会的に死んだ時、私の人生を背負う覚悟はありますか?」
『……は?』
「ないですよね。貴方はただ、気持ちよくなりたいだけ。可哀想な私を助けて、いい人になりたいだけ」
玲奈の言葉は、氷の刃のように鋭く、容赦がなかった。
「湊は違います。彼は私を支配しているけれど、同時に私に命をくれている。……貴方の薄っぺらい正義より、彼の冷たい支配の方が、私には生存に必要なのです」
『お、お前……何言って……』
「切りますね。無駄なリソースなので」
プツン。
玲奈はためらいなく通話を切断した。
一瞬の静寂。
そして、コメント欄がゆっくりと動き出し――やがて、濁流へと変わった。
『怖すぎる……』
『言ってること無茶苦茶だけど、なんで論破できないんだ』
『でも……なんか正論じゃないか?』
『責任取れないなら黙ってろ、は真理』
『カイくん、何も言えないじゃん』
『レイちゃんの覚悟やばい』
拒絶と納得。恐怖と共感。
相反する感情が入り乱れ、やがて一つの結論へと収束していく。
カイの介入は、逆効果だった。
彼の「中途半端な善意」が、玲奈と俺の「覚悟の異常性」を際立たせてしまった。
比較対象が現れたことで、視聴者は理解してしまったのだ。
レイを救えるのは、常識的な正義感を持つ人間ではない。
同じくらい狂った、あの「裏の男」だけなのだと。
玲奈は溜息をつき、最後の画像を提示した。
それは、今後の活動方針。
『今後、ミオさんを含む一切のコラボをお断りします。私は私の管理者の元で、最適なパフォーマンスを提供し続けます。……ついてこられる人だけ、見てください』
配信終了。
同時に、俺の手元でアラートが鳴った。
ミオのチャンネル登録者数が、急激に減少を始めている警告音。
そして、カイのSNSが炎上し始めた通知音。
善意と悪意。
二つのノイズが同時に処理(パージ)された。
後に残るのは、より強固になった俺たちの「閉じた世界」だけ。
――そして、その世界は、もう誰にも侵入を許さない。
俺はモニターを見つめ、珈琲を啜った。
味はしなかった。
ただ、システムが正常稼働に戻った充足感だけが、胸を満たしていた。
(第24話 おわり)
画面には「待機中」の文字と、静かなカウントダウンだけが映し出されている。
同接数はすでに二十万人を超えていた。
裏ではミオの配信が始まっているはずだが、視聴者の大半はこちらに流れてきている。
誰もが「真実」という名の劇薬を求めているのだ。
「……湊」
配信デスクの前に座る玲奈が、小さく呟く。
「なに?」
「指示(コマンド)は?」
「ない」
俺はモニターから目を逸らさずに答える。
「質問には答えるな。感情を入れるな。ただ、俺たちが用意した『時系列データ』を読み上げろ。それだけでいい」
「……了解」
玲奈が深く息を吐く。その吐息が俺の腕に触れ、微かに甘い香りが混じる。
その横顔には、もう緊張の色さえない。
完全に「実行モード」に入っている。
カウントゼロ。
配信が始まった。
『……こんばんは。レイです』
玲奈の声は、驚くほど平坦だった。
謝罪も、弁解も、挨拶もなし。
彼女は手元の資料を見つめ、淡々と語り始めた。
『今日は、ここ数週間で起きた出来事について、事実だけをお話しします』
コメント欄が爆発的な速度で流れる。
『どういうこと?』『ミオちゃんと言ってたこと違うくない?』『洗脳されてる?』『裏の男出せよ』
玲奈はコメントを一切見ない。
『まず、四月十日のオフイベント。私が発言した「誰かに動かしてもらわないと息もできない」という言葉について。……あれは比喩ではありません』
彼女は画面に一枚の画像を提示した。
俺が作成した、彼女の一日の生活記録(ライフログ)だ。
睡眠時間、食事摂取量、心拍数の変動。
そして、それが「誰かの介入(俺)」があった時だけ正常値に戻るというグラフ。
『私の心身のパラメータは、特定の個体の管理下でのみ安定します。これは依存ではなく、構造上の仕様です』
会場がざわめく。
『なにこれ』『ガチのデータ?』『なんか怖いんだけど』
玲奈は止まらない。
『次に、ミオさんの発言について。四月十五日の配信で「レイちゃんは無理をしている」と言及されましたが、同時刻の私のバイタルデータはこちらです』
画面が切り替わる。
そこには、ミオの配信を見た瞬間に玲奈のストレス値が跳ね上がり、心拍数が危険域に達した記録が表示されていた。
『彼女の言動は、私の精神を安定させるどころか、明確な攻撃性(アタック)として検知されました』
コメント欄の空気が凍りつく中、突如、新たなウィンドウが割り込んできた。
『通話リクエスト:カイ』
あのイケメン配信者が、このタイミングで凸(突撃)してきたのだ。
俺は眉をひそめた。
台本にないノイズだ。
だが、すぐに理解した。
これは「正義の味方ごっこ」だ。
異常なデータを晒し続けるレイを見て、「彼女は狂わされている、俺が助けなきゃ」というヒロイズムが暴走した結果だ。
ヘッドセットのケーブルが肘掛けに引っかかり、俺は無言で舌打ちをしてそれを振りほどいた。物理的な配線すら、この状況を邪魔してくる。
俺は玲奈に向かって、親指を立てた。
許可(アクセプト)。
玲奈が通話ボタンを押す。
『おいレイちゃん! 大丈夫か!?』
カイの切迫した声が響き渡る。
『なに言わされてるんだよ! そんなデータ、全部デタラメだろ? 脅されてるんだろ!? 俺がいるから、本当のこと言っていいんだぞ!』
コメント欄が一気に沸く。
『カイくん来た!』『助けてあげて!』『やっぱり脅されてたんだ!』
カイは英雄気取りだ。
自分がこの場の空気を変え、かわいそうな少女を救い出す「主人公」だと信じている。
だが。
「……カイさん」
玲奈が静かに口を開く。
「貴方は、私の何を知っているんですか?」
『え? いや、だから、ミオちゃんからも聞いてるし……レイちゃんが辛そうにしてるの見てられないし……』
「データ、見ましたか?」
『だから、そんなデータなんて作るやつが悪いんだよ! そんなの愛じゃない、支配だ!』
カイの声は熱い。
正しい。人として、あまりにも正しい。
だが、その正しさが、この場においては致命的な「バグ」だった。
「支配……そうですね」
玲奈は小さく笑った。
そして、カメラを真っ直ぐに見据えた。
「でも、貴方のその正義感は、私の心拍数を安定させてくれますか? 私の食事の栄養バランスを管理してくれますか? 私が社会的に死んだ時、私の人生を背負う覚悟はありますか?」
『……は?』
「ないですよね。貴方はただ、気持ちよくなりたいだけ。可哀想な私を助けて、いい人になりたいだけ」
玲奈の言葉は、氷の刃のように鋭く、容赦がなかった。
「湊は違います。彼は私を支配しているけれど、同時に私に命をくれている。……貴方の薄っぺらい正義より、彼の冷たい支配の方が、私には生存に必要なのです」
『お、お前……何言って……』
「切りますね。無駄なリソースなので」
プツン。
玲奈はためらいなく通話を切断した。
一瞬の静寂。
そして、コメント欄がゆっくりと動き出し――やがて、濁流へと変わった。
『怖すぎる……』
『言ってること無茶苦茶だけど、なんで論破できないんだ』
『でも……なんか正論じゃないか?』
『責任取れないなら黙ってろ、は真理』
『カイくん、何も言えないじゃん』
『レイちゃんの覚悟やばい』
拒絶と納得。恐怖と共感。
相反する感情が入り乱れ、やがて一つの結論へと収束していく。
カイの介入は、逆効果だった。
彼の「中途半端な善意」が、玲奈と俺の「覚悟の異常性」を際立たせてしまった。
比較対象が現れたことで、視聴者は理解してしまったのだ。
レイを救えるのは、常識的な正義感を持つ人間ではない。
同じくらい狂った、あの「裏の男」だけなのだと。
玲奈は溜息をつき、最後の画像を提示した。
それは、今後の活動方針。
『今後、ミオさんを含む一切のコラボをお断りします。私は私の管理者の元で、最適なパフォーマンスを提供し続けます。……ついてこられる人だけ、見てください』
配信終了。
同時に、俺の手元でアラートが鳴った。
ミオのチャンネル登録者数が、急激に減少を始めている警告音。
そして、カイのSNSが炎上し始めた通知音。
善意と悪意。
二つのノイズが同時に処理(パージ)された。
後に残るのは、より強固になった俺たちの「閉じた世界」だけ。
――そして、その世界は、もう誰にも侵入を許さない。
俺はモニターを見つめ、珈琲を啜った。
味はしなかった。
ただ、システムが正常稼働に戻った充足感だけが、胸を満たしていた。
(第24話 おわり)
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