神様の失敗作ガチャを引かされた俺(元SE)、ハズレ女神たちと寂れた異世界を「再創生(リ・ジェネシス)」する

月下花音

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第12話:祭りの開催

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 国(まだ村レベルだが)が安定してきた。
 食料も資源も余力がある。
 そうなると必要なのは、ガス抜きだ。

「祭りをやるぞ」
 俺の提案に、女神たちは歓喜した。
「お祭り! ドドレス着ていいですか!?」
「花火上げていい!? 特大のやつ!」
「私、詩を朗読します……!」

 収穫祭の開催。
 会場は広場。
 屋台には、ポップコーン、エールビール、焼き鳥(ダンジョン産モンスター肉)が並ぶ。
 リリが作った提灯が夜空を彩る。

 宴の始まりだ。
 俺たちは飲み、食い、歌った。
 フィリアが踊る。
 豊作を祝う舞い……のはずが、足がもつれて盛大に転ぶ。
 ドテッ!
「……痛くないです! 演出です!」
 顔真っ赤。可愛い。

 ヘスティアの花火。
 「見てなさい! あたしの芸術を!」
 シュルル……ドーン!
 夜空に咲いたのは、巨大な「創の顔」の花火だった。
「……なんで俺なんだよ」
「べ、別に……一番描きやすかっただけだし!」
 公開羞恥プレイだ。でも、みんな笑ってくれたから良しとしよう。

 ソフィアの朗読。
 「えっと……昔々、あるところに……」
 3分後。
 「……あれ? 誰が誰を倒したんでしたっけ?」
 記憶喪失。オチ迷子。
 会場から「頑張れー!」の声援が飛ぶ。

 俺は屋台の隅で、エールを飲みながらその光景を見ていた。
 賑やかで、バカバカしくて、最高に愛おしい時間。

「……創様」
 リリが酌をしてくれる。
「楽しそうですね」
「ああ。……今までの人生で、一番楽しいかもな」

 俺は酔いに任せて本音を漏らした。
 この「失敗作」たちと作る世界が、俺にとっての「成功」だったのかもしれない。

 夜が更けていく。
 女神たちは遊び疲れて、広場の真ん中で雑魚寝してしまった。
 無防備な寝顔。

 俺はジャケットを脱いで、三人に掛けてやった。
 サイズが足りない。
 リリが自分のショールを持ってきて、足元に掛ける。

「……守りましょうね、この場所を」
 リリが小声で言う。
「ああ。絶対にだ」

 俺は夜空を見上げた。
 星が綺麗だ。
 しかし、その星空の向こうに、微かな「歪み」が見えた気がした。
 平和な時間は、そう長くは続かない。
 管理者の勘が、警報を鳴らしていた。

(つづく)
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