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第1話:彼女は“壁”じゃない
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人生は、数式だ。
感情という不確定変数を排除し、常に「損益分岐点」を見極め、「後悔しない確率」が最も高い選択肢を選び続ける作業。
そう、まるで終わりのない最適化問題を解き続けるようなものだ。
それが、私の――篠宮里緒(しのみや・りお)の生存戦略だった。
父は「夢」という名のギャンブルで資産を溶かし、最後は蒸発した。
母は「愛」という名のドラッグで精神を病み、今は「良い母親」というロールプレイを必死に演じている。
私は、その滑稽で悲惨な末路を特等席で見て育った。
だから学習した。
感情は、システムエラーの原因だ。
愛は、バグの温床だ。
夢は、リソースの無駄遣いだ。
学習したことは一つ。
『感情は、人を壊すバグである』
愛だの恋だの夢だの、そんな実体のないパラメータに人生を委ねるのは、ブレーキの壊れた車で高速道路を逆走するのと同じだ。
システムに組み込んではいけない。
私は、そんな愚かな過ちは犯さない。
私は、完璧に設計された人生を歩む。
エラーのない、バグのない、最適化された人生を。
だから私は、今日も完璧な解を出し続ける。
制服のスカート丈は校則通りだが野暮ったくないギリギリのラインを計算。
成績は指定校推薦を狙える学年トップを維持しつつ、教師に媚びない程度の距離感(ディスタンス)を保つ。
友人関係は「広く浅く」、お互いに干渉せず、トラブルの連帯保証人にならない安全圏のみで構築する。
すべては計算通り。
私の人生設計図(ブループリント)に、エラーはない。
……あの一人の「例外」を除いては。
◇
篠宮里緒という個体について、クラスの連中がつける二つ名は多岐にわたる。
「接触不能の氷壁」「感情ロック済みアンドロイド」「人類未踏峰の美少女」。
どれもこれも、ラノベの読みすぎか、あるいは彼女に玉砕した男子生徒たちの悲痛な言い訳が結晶化したものだ。
確かに、彼女は美しい。
手入れの行き届いた黒髪に、硝子細工のように整った顔立ち。
すらりと伸びた手足は、安い既製服の制服すらオーダーメイドのように見せてしまう。
成績優秀、美化委員としての仕事ぶりも完璧。
そして何より、「告白勝率0%」という圧倒的な実績。
だが、それらの評価はすべて表面的だ。
彼女の本質を見抜けていない。
彼女は「冷たい」のではない。
ただ、効率的なだけだ。
だが、俺――牧野湊(まきの・みなと)に言わせれば、それらの評価はすべて的外れだ。
彼女は「壁」を作っているわけではないし、感情を「ロック」しているわけでもない。
ただ単純に、判断基準が、俺たちと別の場所にあるだけだ。
そして、その判断基準こそが、彼女の最大の魅力なのだ。
たとえば、今日の昼休みのことだ。
俺は図書室へ向かう途中、職員室の前で篠宮が担任に捕まっているのを目撃した。
担任は、来週の球技大会の実行委員を誰かに押し付けたくて必死だった。
「篠宮、お前ならリーダーシップもあるし、適任だと思うんだがなぁ」
「光栄な評価ですが、辞退させてください」
篠宮の返答は即答だった。
だが、冷たい拒絶ではない。
むしろ、完璧に論理的な説明が続く。
「現在の私の学習スケジュールと、美化委員としての清掃強化月間のタスクを照らし合わせると、実行委員の業務に割けるリソースは一日あたり十五分しか確保できません。
もし強行すれば、私の平日自習時間は45分削減され、過去の統計に基づくと、一ヶ月後の模試における偏差値が推定1.2ポイント低下します。先生は、その『統計的な損失』に対して責任を負えますか?」
完璧な論理武装。いや、脅迫に近い数値提示。
「忙しい」ではない。「私の人生のスペックが下がる」と数字で突きつけたのだ。
担任はぐうの音も出ず、「そ、そうか……」と引き下がるしかなかった。
これが、篠宮里緒の戦闘スタイルだ。
感情ではなく、データで戦う。
相手の良心に訴えるのではなく、論理で圧倒する。
そして、必ず勝つ。
彼女は一礼して去っていった。
その背中には、勝利の余韻も、断った罪悪感もない。
ただ「エラー処理完了」のログが流れただけ。
美しい、と俺は思った。
この完璧な効率性が、俺には美しく見えた。
「……あ、牧野くん。美化委員の報告書、出しといたから」
放課後の教室。
俺がこの間の観察結果を反芻しながら文庫本を読んでいると、篠宮が声をかけてきた。
声色は鈴が鳴るよう――ではなく、事務的かつクリア。ノイズがない。
俺は顔を上げて、軽く会釈する。
「サンキュ。早かったね」
「明日の朝イチで提出だから、今日中に終わらせておきたかっただけ。気にしないで」
彼女はそう言うと、手早く鞄に荷物を詰め込み始めた。
教科書、ノート、筆記用具。それぞれの定位置が決まっているかのように、吸い込まれていく。
「片付け」ではない。「格納」だ。
この無駄のない動きを見ていると、なぜか心が落ち着く。
彼女の周りには、いつも静謐な秩序がある。
それが、俺には心地よかった。
クラスの男子たちは、この「事務的な対応」を「冷たい」と解釈し、勝手に傷ついたり、逆に「高嶺の花」と崇めたりしている。
だが、よく見てみろ。
彼女は誰に対してもこうだ。
特別扱いもしない代わりに、無視もしない。
必要な会話はするし、頼まれれば断らない。
つまり、彼女は「人間関係」というタスクを、極めて効率的に処理しているに過ぎない。
そして、その効率性こそが、彼女の魅力なのだ。
先週、隣のクラスの佐々木が彼女に告白して散った現場を、俺は偶然目撃してしまった。
場所は誰もいない放課後の渡り廊下。
サッカー部のエースで、女子人気も高い佐々木からの告白。
普通の女子なら、断るにしても「ごめんなさい、好きな人がいて」とか「今は恋愛どころじゃなくて」と、相手のプライドを守るクッションを用意する場面だ。
だが、篠宮は違った。
『ごめんなさい。今は勉強と部活でスケジュールが最適化されているので、新しいリソースを割く予定はありません』
佐々木が「お、俺じゃダメかな……? 部活が忙しいなら、俺も合わせるし……」と食い下がると、彼女は眉一つ動かさずにこう付け加えた。
『合わせていただく必要はありません。私が申し上げているのは、交際という活動にかかる時間的・精神的コストが、現在の私の人生設計において許容範囲を超えているという事実です。相手が誰であるかという変数は、この判定に影響しません』
佐々木は絶句し、やがて力なく肩を落として去っていった。
残された篠宮は、ため息一つ吐かず、腕時計を確認して「ロスタイム三分」と呟いて歩き出した。
その時、俺は思った。
彼女は、残酷なのではない。
ただ、正直なだけだ。
嘘をつかない。
期待を持たせない。
曖昧にしない。
これほど誠実な断り方があるだろうか?
あれを見て、俺は確信した。
彼女にとって「交際」とは、ロマンチックなイベントではなく、「スケジュールの空き枠を消費し、精神的リスクを負う活動」でしかないのだ。
そこに「好き嫌い」という感情パラメータは存在しない。
あるのは「可か不可か」「安全か危険か」の二択判定のみ。
そして、その判定基準の明確さが、俺には美しく見えた。
彼女は鞄のチャックを閉めると、椅子の背もたれにかけてあったブレザーを羽織った。
「じゃあ、お先に」
「おう。気をつけて」
挨拶だけ残して、彼女は教室を出て行く。
その背中に、ドラマチックな余韻は一切ない。
ただ、今日という一日を設計図通りに施工完了した、現場監督のような平穏があるだけだ。
俺は文庫本に視線を戻す。
彼女は攻略対象じゃない。
そもそも、ゲームのジャンルが違う。
俺たちが恋愛シミュレーションで一喜一憂している横で、彼女だけは黙々と「人生」という名の都市開発シミュレーションを回している。
そこに「攻略」という概念を持ち込むこと自体が、バグの始まりなのだ。
そう、この時の俺は、完全に他人事として分析していた。
自分がその「都市開発」の、あろうことか「建設予定地」として測量され始めていることになんて、気づきもせずに。
(つづく)
感情という不確定変数を排除し、常に「損益分岐点」を見極め、「後悔しない確率」が最も高い選択肢を選び続ける作業。
そう、まるで終わりのない最適化問題を解き続けるようなものだ。
それが、私の――篠宮里緒(しのみや・りお)の生存戦略だった。
父は「夢」という名のギャンブルで資産を溶かし、最後は蒸発した。
母は「愛」という名のドラッグで精神を病み、今は「良い母親」というロールプレイを必死に演じている。
私は、その滑稽で悲惨な末路を特等席で見て育った。
だから学習した。
感情は、システムエラーの原因だ。
愛は、バグの温床だ。
夢は、リソースの無駄遣いだ。
学習したことは一つ。
『感情は、人を壊すバグである』
愛だの恋だの夢だの、そんな実体のないパラメータに人生を委ねるのは、ブレーキの壊れた車で高速道路を逆走するのと同じだ。
システムに組み込んではいけない。
私は、そんな愚かな過ちは犯さない。
私は、完璧に設計された人生を歩む。
エラーのない、バグのない、最適化された人生を。
だから私は、今日も完璧な解を出し続ける。
制服のスカート丈は校則通りだが野暮ったくないギリギリのラインを計算。
成績は指定校推薦を狙える学年トップを維持しつつ、教師に媚びない程度の距離感(ディスタンス)を保つ。
友人関係は「広く浅く」、お互いに干渉せず、トラブルの連帯保証人にならない安全圏のみで構築する。
すべては計算通り。
私の人生設計図(ブループリント)に、エラーはない。
……あの一人の「例外」を除いては。
◇
篠宮里緒という個体について、クラスの連中がつける二つ名は多岐にわたる。
「接触不能の氷壁」「感情ロック済みアンドロイド」「人類未踏峰の美少女」。
どれもこれも、ラノベの読みすぎか、あるいは彼女に玉砕した男子生徒たちの悲痛な言い訳が結晶化したものだ。
確かに、彼女は美しい。
手入れの行き届いた黒髪に、硝子細工のように整った顔立ち。
すらりと伸びた手足は、安い既製服の制服すらオーダーメイドのように見せてしまう。
成績優秀、美化委員としての仕事ぶりも完璧。
そして何より、「告白勝率0%」という圧倒的な実績。
だが、それらの評価はすべて表面的だ。
彼女の本質を見抜けていない。
彼女は「冷たい」のではない。
ただ、効率的なだけだ。
だが、俺――牧野湊(まきの・みなと)に言わせれば、それらの評価はすべて的外れだ。
彼女は「壁」を作っているわけではないし、感情を「ロック」しているわけでもない。
ただ単純に、判断基準が、俺たちと別の場所にあるだけだ。
そして、その判断基準こそが、彼女の最大の魅力なのだ。
たとえば、今日の昼休みのことだ。
俺は図書室へ向かう途中、職員室の前で篠宮が担任に捕まっているのを目撃した。
担任は、来週の球技大会の実行委員を誰かに押し付けたくて必死だった。
「篠宮、お前ならリーダーシップもあるし、適任だと思うんだがなぁ」
「光栄な評価ですが、辞退させてください」
篠宮の返答は即答だった。
だが、冷たい拒絶ではない。
むしろ、完璧に論理的な説明が続く。
「現在の私の学習スケジュールと、美化委員としての清掃強化月間のタスクを照らし合わせると、実行委員の業務に割けるリソースは一日あたり十五分しか確保できません。
もし強行すれば、私の平日自習時間は45分削減され、過去の統計に基づくと、一ヶ月後の模試における偏差値が推定1.2ポイント低下します。先生は、その『統計的な損失』に対して責任を負えますか?」
完璧な論理武装。いや、脅迫に近い数値提示。
「忙しい」ではない。「私の人生のスペックが下がる」と数字で突きつけたのだ。
担任はぐうの音も出ず、「そ、そうか……」と引き下がるしかなかった。
これが、篠宮里緒の戦闘スタイルだ。
感情ではなく、データで戦う。
相手の良心に訴えるのではなく、論理で圧倒する。
そして、必ず勝つ。
彼女は一礼して去っていった。
その背中には、勝利の余韻も、断った罪悪感もない。
ただ「エラー処理完了」のログが流れただけ。
美しい、と俺は思った。
この完璧な効率性が、俺には美しく見えた。
「……あ、牧野くん。美化委員の報告書、出しといたから」
放課後の教室。
俺がこの間の観察結果を反芻しながら文庫本を読んでいると、篠宮が声をかけてきた。
声色は鈴が鳴るよう――ではなく、事務的かつクリア。ノイズがない。
俺は顔を上げて、軽く会釈する。
「サンキュ。早かったね」
「明日の朝イチで提出だから、今日中に終わらせておきたかっただけ。気にしないで」
彼女はそう言うと、手早く鞄に荷物を詰め込み始めた。
教科書、ノート、筆記用具。それぞれの定位置が決まっているかのように、吸い込まれていく。
「片付け」ではない。「格納」だ。
この無駄のない動きを見ていると、なぜか心が落ち着く。
彼女の周りには、いつも静謐な秩序がある。
それが、俺には心地よかった。
クラスの男子たちは、この「事務的な対応」を「冷たい」と解釈し、勝手に傷ついたり、逆に「高嶺の花」と崇めたりしている。
だが、よく見てみろ。
彼女は誰に対してもこうだ。
特別扱いもしない代わりに、無視もしない。
必要な会話はするし、頼まれれば断らない。
つまり、彼女は「人間関係」というタスクを、極めて効率的に処理しているに過ぎない。
そして、その効率性こそが、彼女の魅力なのだ。
先週、隣のクラスの佐々木が彼女に告白して散った現場を、俺は偶然目撃してしまった。
場所は誰もいない放課後の渡り廊下。
サッカー部のエースで、女子人気も高い佐々木からの告白。
普通の女子なら、断るにしても「ごめんなさい、好きな人がいて」とか「今は恋愛どころじゃなくて」と、相手のプライドを守るクッションを用意する場面だ。
だが、篠宮は違った。
『ごめんなさい。今は勉強と部活でスケジュールが最適化されているので、新しいリソースを割く予定はありません』
佐々木が「お、俺じゃダメかな……? 部活が忙しいなら、俺も合わせるし……」と食い下がると、彼女は眉一つ動かさずにこう付け加えた。
『合わせていただく必要はありません。私が申し上げているのは、交際という活動にかかる時間的・精神的コストが、現在の私の人生設計において許容範囲を超えているという事実です。相手が誰であるかという変数は、この判定に影響しません』
佐々木は絶句し、やがて力なく肩を落として去っていった。
残された篠宮は、ため息一つ吐かず、腕時計を確認して「ロスタイム三分」と呟いて歩き出した。
その時、俺は思った。
彼女は、残酷なのではない。
ただ、正直なだけだ。
嘘をつかない。
期待を持たせない。
曖昧にしない。
これほど誠実な断り方があるだろうか?
あれを見て、俺は確信した。
彼女にとって「交際」とは、ロマンチックなイベントではなく、「スケジュールの空き枠を消費し、精神的リスクを負う活動」でしかないのだ。
そこに「好き嫌い」という感情パラメータは存在しない。
あるのは「可か不可か」「安全か危険か」の二択判定のみ。
そして、その判定基準の明確さが、俺には美しく見えた。
彼女は鞄のチャックを閉めると、椅子の背もたれにかけてあったブレザーを羽織った。
「じゃあ、お先に」
「おう。気をつけて」
挨拶だけ残して、彼女は教室を出て行く。
その背中に、ドラマチックな余韻は一切ない。
ただ、今日という一日を設計図通りに施工完了した、現場監督のような平穏があるだけだ。
俺は文庫本に視線を戻す。
彼女は攻略対象じゃない。
そもそも、ゲームのジャンルが違う。
俺たちが恋愛シミュレーションで一喜一憂している横で、彼女だけは黙々と「人生」という名の都市開発シミュレーションを回している。
そこに「攻略」という概念を持ち込むこと自体が、バグの始まりなのだ。
そう、この時の俺は、完全に他人事として分析していた。
自分がその「都市開発」の、あろうことか「建設予定地」として測量され始めていることになんて、気づきもせずに。
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