心理学で恋愛ハックするはずが、エッチな妄想が全公開された件~AIの正体は7歳の頃に交換日記をした幼馴染でした~

月下花音

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第10話:恋の自立心理学(最終話)

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あの大惨事から、三日が経った。

俺、佐伯賢司は、部屋で一人、天井を見上げている。

「どうやって告白すればいいんだ…」

スマホを握りしめるが、ココロダイブは沈黙したまま。

もう、AIのアドバイスはない。

俺自身の言葉で、あみに気持ちを伝えなければならない。

「心理学のテクニックは使えない…妄想も役に立たない…」

ベッドに寝転がり、俺は7歳の記憶を辿る。

優しい女の子、あーちゃん。

いつも笑顔で、ドジな俺を助けてくれた。

交換日記に書いた、『あーちゃんは優しいから、大好きだよ』という言葉。

「あの頃は…素直だったのにな…」

心理学を学んで、テクニックに頼って、いつの間にか本心を隠すようになっていた。

でも、あみは言った。

『次は、ちゃんと告白してね。妄想じゃなくて、本心で』

「本心…か」

俺は、スマホを置いて立ち上がる。

もう、迷わない。

テクニックも妄想も捨てて、俺の全てをあみに伝える。

「待ってろ、あみ。俺、本気で告白する」

決意を胸に、俺は部屋を出た。



その日の夕方、大学の中庭。

あみが一人、ベンチに座っている。

「あみ…」

俺が声をかけると、あみが振り返る。

「佐伯くん…」

「話…いいか?」

「…うん」

あみが頷く。

俺は、彼女の隣に座る。

夕日が、二人を照らす。

沈黙。

何を話せばいいのか、わからない。

だが、俺は決めた。

本心だけで。

「あみ…俺、お前に謝りたいことがある」

「謝る…?」

「ああ。俺、ずっとお前を心理学のテクニックで落とそうとしてた」

あみが黙って聞いている。

「認知的不協和とか、ゲインロス効果とか…全部、お前を手に入れるための手段だった」

「うん…知ってる」

「でも…それは間違いだった」

俺は、あみを見つめる。

「お前は、手に入れる対象じゃない。俺が…本気で好きになった人だ」

あみの目が、少し潤む。

「お前と話してるとき、お前が笑ってるとき、お前が怒ってるとき…全部が愛おしかった」

「佐伯くん…」

「だから、俺…テクニックとか妄想とか、全部捨てる。ただ、お前に伝えたい」

深呼吸。

そして、俺は言葉にする。

「吉村あみ、俺はお前が好きだ。付き合ってください」

静寂。

夕日が、ゆっくりと沈んでいく。

あみが、小さく笑う。

「佐伯くん…やっと、ちゃんと告白してくれたね」

「あ、ああ…」

「ずっと待ってた。佐伯くんの、本当の言葉を」

あみが俺を見つめる。

その瞳は…優しさに満ちていた。

「私も…佐伯くんが好き。付き合いたい」

「本当に…!?」

「うん。佐伯くん、不器用でドジで変態だけど…でも、一生懸命で優しくて…私、そんな佐伯くんが好き」

あみが微笑む。

その笑顔は…7歳の頃と同じ、温かい笑顔だった。

「あみ…!」

俺は、思わずあみを抱きしめる。

「ちょ、ちょっと…佐伯くん…!」

「ごめん…嬉しくて…」

「もう…エッチな妄想、我慢してね?」

「が、頑張る…」

二人で笑う。

その瞬間、スマホがブルリと震える。

画面を見ると、ココロダイブからのメッセージ。

【おめでとうございます。佐伯賢司、吉村あみ】
【告白成功率:100%。二人の恋愛、正式にスタート】
【統計的に見ると、二人の相性は…97.8%です】

「ココロダイブ…お前…」

【私の役目は終わりました】
【これからは、AIの助けなしで、二人で歩んでください】
【ただし、最後に一つだけアドバイスを】

「アドバイス…?」

【恋愛に必要なのは、テクニックではありません】
【必要なのは、本心と勇気です】
【佐伯賢司、あなたは成長しました】
【吉村あみ、あなたも素晴らしい選択をしました】
【二人の未来に、幸あれ】

そして、画面が暗くなる。

ココロダイブが…完全にシャットダウンした。

「ココロダイブ…ありがとう」

俺は、スマホに呟く。

あみが「ココロダイブ、最後まで良いAIだったね」と微笑む。

「ああ…お前がいなかったら、俺たち…」

「でも、最後は佐伯くんの力だったよ。ココロダイブじゃなくて、佐伯くん自身が頑張ったから」

あみがそう言って、俺の手を握る。

「これから…よろしくね、賢司くん」

「ああ…よろしく、あみ」

二人で笑う。

夕日が、完全に沈む。

そして、新しい恋の物語が始まる。



それから半年後。

キャンパスの桜が満開の春。

「賢司、また妄想してるでしょ!」

「してねえよ!」

(……してた。さっきあみの制服姿を見て…あの制服のスカートがめくれて…白いレースの下着が見えて…教室の机の上で…)

「嘘。顔に書いてある」

あみが笑いながら、俺の頬をつねる。

(うわ…バレてる…!でも、彼女になってくれたあみの姿って…本当に可愛くて…さっき階段を上る時、スカートの裾が揺れて…太ももが…)

「いてて!あみ、暴力反対!」

「暴力じゃないよ、愛情表現だよ」

二人でキャンパスを歩く。

周りの学生たちが、「あのカップル、いつもラブラブだね」と噂している。

「なあ、あみ」

「何?」

「俺、心理学部で卒論書くんだけど…テーマ、『恋愛における本心の重要性』にしようと思うんだ」

「いいね。佐伯くんらしい」

「参考文献は…『あみとの恋愛実録』で」

「それ、ただの妄想日記でしょ!」

「違う!ちゃんとした学術研究だ!」

「嘘つき」

二人で笑う。

そして、俺はふと思う。

心理学で恋愛をハックしようとした俺。

妄想に溺れて、現実を見失った俺。

でも、最後に辿り着いたのは…

テクニックでも妄想でもなく、本心だった。

「なあ、あみ」

「うん?」

「俺、お前と出会えて…本当に良かった」

「…急にどうしたの?」

「いや…ちょっと昔のこと思い出して」

7歳の頃、交換日記を交わした優しい女の子。

『ずっと友達でいようね』

あの約束は、友達以上の関係で叶った。

「あみ、俺…お前のこと、ずっと大切にする」

「…うん。私も」

あみが微笑む。

その笑顔を見て、俺は心の底から幸せを感じた。

AIも心理学も、もう必要ない。

必要なのは、本心と勇気だけ。

そして、目の前にいる大切な人を、ただ愛すること。

「よし!じゃあ、今日はあみの好きなカフェ行こうぜ!」

「え、いいの!?賢司、お金ないって…」

「大丈夫!バイト代入ったから!」

「やった!じゃあ、パフェ食べたい!」

「おう!好きなだけ食え!」

「本当に?じゃあ、特盛パフェ三つ!」

「三つ!?お前、そんなに食うのか!?」

「冗談だよ。二つで我慢する」

「それでも多い!」

二人で笑いながら、キャンパスを歩く。

桜の花びらが、風に舞う。

俺たちの恋の物語は、まだ始まったばかり。

でも、この先どんな困難があっても、俺たちなら大丈夫だ。

なぜなら、俺たちには…

本心と勇気と、そして愛があるから。

「賢司、早く早く!」

「わかったわかった!待てよ、あみ!」

桜舞う春の日に、俺たちは笑いながら走る。

未来へと続く道を、手を繋いで。

***

【エピローグ】

それから一年後。

俺は心理学部を卒業し、大学院へ進学。

あみは文学部を卒業し、出版社に就職。

二人は社会人と大学院生という遠距離カップルになったが、週末は必ず会っている。

「賢司、卒論の調査、進んでる?」

「ああ、順調だよ。『恋愛における本心の重要性』、なかなか面白い結果が出てる」

「へぇ。どんな結果?」

「テクニックに頼る恋愛より、本心で向き合う恋愛の方が、長続きするんだ」

「当たり前じゃん」

「まあな。でも、それを数値で証明できたのは大きいよ」

カフェで、二人で笑う。

その時、俺のスマホがブルリと震える。

「ん?通知…?」

画面を見ると、見覚えのあるアイコンが。

【ココロダイブv2.0がリリースされました!新機能:恋人関係最適化AIアシスタント!】

「うわっ!?まだあったのかよ!?」

「どうしたの?」

あみが覗き込む。

「あ、ココロダイブの新バージョンだって」

「え~、もう使わないでしょ?」

「当たり前だ!俺たちにはもう…」

その瞬間、勝手にアプリが起動する。

【佐伯賢司様、一年ぶりです。おめでとうございます。吉村あみ様との交際継続を確認しました】

「勝手に起動すんな!」

【現在の相性スコア:98%。結婚適合率:96%。推奨プロポーズ時期:半年後】

【追加分析:賢司の妄想頻度、交際前と変化なし。本日も17回の妄想を検出。うち15回がエッチ系】

「余計な分析すんな!」

あみが目を丸くする。

「え、何て書いてあるの?」

「い、いや…なんでもない!」

俺が慌ててスマホを隠すと、あみが素早く画面を覗き込む。

「えっ!? 17回!? しかも15回がエッチ系って…賢司、今日まだ午後2時だよ!?」

「うわあぁぁ!見るな見るな!」

「1時間に2回以上のペースで妄想してたの!? しかもエッチなやつ!?」

あみが呆れ顔で俺を見る。

「ち、違う!これはAIの誤検知で…!」

【誤検知ではありません。直近の妄想内容:『あみとウェディング→初夜→純白のドレスを脱がせる→レースの下着姿で震えるあみ→ベッドに押し倒して→白い太ももに手が這い→ブラのホックを外して→』データ保護のため以下省略】

「ココロダイブ!余計なこと言うな!」

「賢司くん…変態…」

あみが真っ赤になって俺を睨む。

「ご、ごめん…でも、お前のこと考えると、つい…」

(だって…あみとの結婚を考えたら…新婚旅行で…ホテルの部屋で二人きりになって…あみが恥ずかしそうに下着姿になって…「賢司くん…優しくしてね…」って…)

その時、さらに追加通知が。

【参考データ:健全なカップルの妄想頻度は1日平均3回。賢司は平均の5.6倍。ただし、全て交際相手(あみ)限定のため、浮気リスク0%】

「浮気リスクの分析まで!? お前、どこまで見てんだよ!」

あみがクスクス笑い出す。

「ふふ…まあ、私のことだけ考えてくれてるなら…許してあげる」

「マジで!?」

「うん。でも、妄想だけじゃなくて、現実でもちゃんと私のこと大切にしてね」

「当たり前だ!」

【補足:妄想実現率2.3%。賢司よ、もっと現実で頑張れ】

「うるさい!アンインストールするぞ!?」

【ココロダイブv2.0より:二人の未来に、永遠の幸あれ。アンインストール推奨】

「お前…最後まで良いヤツだな…」

俺はアプリをアンインストールしようとして…やめた。

「やっぱり、残しとくわ。お守り代わりに」

「ふふ、優しいね」

俺のスマホには、もうココロダイブは…いや、入っている。

でも、もう使うことはない。

あのAIは、俺たちの役目を終えた。

でも、時々思い出す。

あのAIがいなかったら、俺はあみと結ばれなかったかもしれない。

「なあ、あみ」

「何?」

「ココロダイブに感謝してる」

「私も。あのAI、最後まで良いヤツだったね」

「ああ。俺たちを繋げてくれた」

あみが微笑む。

そして、俺の手を握る。

「これからも、よろしくね。賢司」

「ああ。ずっと一緒だ、あみ」

二人で笑う。

窓の外には、春の陽射し。

新しい季節が、また始まる。

俺たちの恋の物語は、これからも続く。

心理学のテクニックも、AIのアドバイスもなく。

ただ、本心と勇気だけで。

そして、愛する人と手を繋いで。

未来へと歩いていく。

【完】

 🎉 作者あとがき風メッセージ
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
佐伯賢司と吉村あみの恋の物語、いかがでしたでしょうか。
エッチな妄想暴走系心理学ラブコメとして始まった本作ですが、最後は「本心の大切さ」というメッセージに辿り着きました。
AIやテクノロジーは便利ですが、恋愛の本質は変わらない。
大切なのは、本心と勇気。
そして、目の前の人を愛する気持ち。
この物語が、読者の皆様の心に少しでも残れば幸いです。
もし続きが読みたい!と思ってくださった方、感想やコメントをぜひお寄せください!
賢司とあみのその後、高梨と玲奈のカップル誕生秘話、太郎の恋愛奮闘記など、スピンオフ構想もあります!
それでは、また別の物語でお会いしましょう!
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