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第9話:ゼミ発表と心の真実
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【最終警告】ゼミ発表当日。データ漏洩リスク87%。推奨:ココロダイブのデータをバックアップから削除せよ。特に『あみ関連の妄想データ』は即座に消去を。
【緊急】あみの好感度55/100。このタイミングでのデータ漏洩は、関係性崩壊リスク99%。
ココロダイブの最終警告が、俺、佐伯賢司のスマホを震わせる。
「データ漏洩って…どういうことだよ!?」
朝、部屋でパソコンと格闘している俺の隣で、太郎が不吉な顔をしている。
「賢司、お前…ココロダイブのデータ、ゼミ発表のPCに同期してるだろ?」
「え…?あ…してるけど…」
「バカ!それヤバいって!もしデータ漏れたら…」
「大丈夫だって!俺、ちゃんとセキュリティかけてるし!」
そう言いながらも、不安がよぎる。
ココロダイブには、俺の恋愛データが全て記録されている。
特に…あみとの妄想ベスト10が…。
「いや、絶対に大丈夫だ!漏れるわけがない!」
自分に言い聞かせるように叫ぶ俺。
太郎が「お前のフラグ回収能力、ハンパねえな」とため息をつく。
*
脳内で、妄想の劇場が最高潮に達する。
心理学ゼミの教室。俺が壇上で発表中。
「恋愛における心理学の応用について、私の研究成果を発表します!」
完璧なプレゼン。あみが感動の涙。
「賢司くん…すごい…!」
教授が拍手喝采。「佐伯君、君は天才だ!」
そして、あみが俺に駆け寄る。
「賢司くん…あなたの研究、私…感動した…!好きです…!」
「フフフ、ハハハハハ!」
「賢司、もう行くぞ。ゼミ始まるぞ」
太郎が肩を叩く。
「ああ…行こう」
不安を抱えながら、俺はゼミ室へ向かった。
*
心理学ゼミ室。
今日のテーマは「恋愛心理学の実践的応用」。
俺の発表の番だ。
「それでは、佐伯君、お願いします」
教授の声に、俺は壇上へ。
あみが最前列に座っている。
(落ち着け…今日は本心で語る…テクニックじゃなくて…)
「えー、私の発表テーマは『恋愛における心理学の限界と可能性』です」
スライドを映す。
会場がざわつく。
「心理学は恋愛を分析できますが…実際の恋愛は、理論通りにはいきません」
あみが興味深そうに聞いている。
「私自身、心理学のテクニックで恋愛をハックしようとしましたが…全て失敗しました」
正直に語る俺。
会場が笑う。
「認知的不協和、ゲインロス効果、ピグマリオン効果…全部、的外れでした」
あみが小さく微笑む。
(いける…このまま本心を…)
「だから、私は学びました。恋愛に必要なのは、テクニックじゃなくて…本心だと」
スライドを次へ。
その瞬間。
画面が乱れる。
「え…?」
プロジェクターが勝手に別のファイルを開く。
「なん…だと…!?」
画面に映し出されるのは…
『あみとのエッチな妄想ベスト10』
会場が凍りつく。
「ちょ、ちょっと待って!これは…!」
慌ててパソコンを操作するが、止まらない。
スライドが自動で進む。
第10位:あみが俺に抱きつく妄想(ブラウスのボタンが3つ外れた状態で)
第9位:あみが積極的に迫る妄想(「賢司くん…もっと触って…」と囁く)
第8位:研究室で二人きり妄想(机の上であみが…スカートがめくれ上がり…)
会場がざわめく。
あみの顔が真っ赤になる。
「や、やめろぉぉぉ!」
必死にパソコンを叩くが、スライドは止まらない。
第7位:保健室でキス妄想(あみの白い太ももに触れながら…ベッドの上で…)
第6位:図書館の個室妄想(「誰も来ないから…」とあみが下着を…)
高梨が「佐伯…お前…マジか…」と呆れ顔。
玲奈が「キャー!佐伯くん、超変態~!ドン引き~!」と爆笑。
第5位:空き教室で壁ドン妄想(あみ「ダメ…でも止まらない…っ」と…)
第4位:夕暮れの廊下でキス妄想(あみの体を抱きしめて…レースのブラが見えて…)
あみが立ち上がる。
その顔は…怒りではなく、悲しみに満ちていた。
「佐伯くん…最低…」
あみが教室を出ていく。
「あみ!待って!」
俺が追いかけようとするが、足がもつれて転ぶ。
スライドは容赦なく進む。
第3位:あみが『あなただけ』と囁く妄想
第2位:あみとの初キス妄想
第1位:あみと『ずっと一緒』の未来妄想
そして、最後のスライド。
画面に映し出されたのは…
『ココロダイブv1.0 - 過去データ照合結果』
【重要通知】佐伯賢司と吉村あみの過去データ一致
7歳時、同じ小学校に在籍。交換日記の記録あり
キーワード:『ずっと友達でいようね』『ドジな男の子』『優しい女の子』
会場が静まり返る。
俺は、その文字を見て…言葉を失った。
「交換日記…7歳…あみと…?」
スマホブルリ。
【データ漏洩発生。原因:ココロダイブのセキュリティエラー。全データ公開】
【緊急通知:過去データ照合結果も公開。佐伯賢司と吉村あみの過去の繋がりが判明】
【あみの好感度:測定不能。感情混乱中】
「どういうことだ…ココロダイブ…!」
スマホ画面に、新しいメッセージ。
【説明します。私、ココロダイブv1.0の正体は…あなたたちが7歳の時に書いた交換日記をデータ化したものです】
「交換日記…!?」
【佐伯賢司、吉村あみ。二人は7歳の時、同じ小学校で出会い、交換日記を交わしていました】
【しかし、佐伯賢司の転校により、二人は離れ離れに】
【交換日記の最後のページに書かれた言葉…『ずっと友達でいようね』】
【この交換日記は、後に偶然デジタル化され、私のデータベースに組み込まれました】
【そして、あなたたちが大学で再会したとき…私は、二人を再び繋ぐために『適合率95%』と表示したのです】
俺は…震える手でスマホを握る。
「じゃあ…俺とあみは…昔…!」
【はい。あなたたちは運命の相手です。ただし、あなたの妄想データも公開されてしまいました。申し訳ありません】
「謝るなぁぁぁ!」
俺の叫びが、ゼミ室に響き渡る。
*
教室を飛び出し、あみを探す。
廊下、中庭、図書館…どこにもいない。
(あみ…どこだ…!)
そして、俺は思い出す。
7歳の記憶。
転校する前の小学校。
優しい女の子と交わした交換日記。
『けんじくん、げんきでね。ずっとともだちでいようね』
あの女の子は…あみだったのか。
「クソッ…思い出せない…!」
走りながら、俺は自分の記憶の曖昧さを呪う。
そして。
大学の裏庭、ベンチに座るあみを見つけた。
「あみ…!」
あみが振り返る。
その目は…涙で濡れていた。
「佐伯くん…来ないで…」
「あみ…ごめん…あのデータは…!」
「見たよ…エッチな妄想ベスト10…最悪…」
あみが顔を背ける。
「あなたみたいなド変態…大嫌い!」
あみの言葉が、俺の胸に突き刺さる。
「あ…あみ…」
「私のこと…そんな目で見てたんだ…。ブラウスのボタンが外れてるとか…スカートがめくれてるとか…下着がどうとか…最低!エロケンジ!!」
「でも…交換日記のデータも見た…」
「え…?」
「私たち…7歳の時…交換日記してたんだね…」
あみが小さく呟く。
「お前…覚えてるのか…?」
「少しだけ…ドジで不器用な男の子…いつも私に助けられてた男の子…」
あみが俺を見つめる。
「それが…佐伯くんだったんだね」
「あみ…」
「佐伯くんは…私のこと、覚えてる?」
俺は…必死に記憶を辿る。
7歳の俺。
転校が多くて、友達ができなかった。そしてガキ大将のカガミとその取り巻きにいつもいじめられていた。
いつも、ひどいいじめにあっていた。でも、一人だけ…優しい女の子がいた。
そうだあのときもその子に助けられた。
体育館の備品室でパンツを脱がされ頭にパンツを被らされていた。そのとき、むき出しになった僕の体を…!
その女の子が小さな手で隠してくれたのだった。
いつも笑顔で、俺を助けてくれた女の子。
「…思い出した」
「え…?」
「お前、いつも俺を助けてくれた。ドジな俺を、笑わずに助けてくれた」
あみが息を呑む。
「交換日記…俺、お前に『ありがとう』って書いた。『あーちゃんは優しいから、大好きだよ』って」
「覚えてたんだ…」
あみが涙を流す。
「私も…覚えてた。『けんじくん、げんきでね』って書いたこと…」
二人の間に、沈黙。
そして、あみが笑う。
「佐伯くん…やっぱりドジだね。エッチな妄想、全員に見られるなんて」
「うう…許してくれ…」
「でも…妄想の中に『ずっと一緒』ってあったよね」
「あ、ああ…」
「それ…私も同じこと思ってた」
「え…!?」
あみが俺を真っ直ぐ見つめる。
「佐伯くんのこと…最初は変な人だと思ってた。でも…だんだん気になって…」
「あみ…」
「本心を話してくれたとき…嬉しかった。佐伯くんが、私のこと本気で好きだって…わかったから」
あみの言葉に、俺の心臓が高鳴る。
「だから…私も、佐伯くんのこと…好き」
「え…本当に…!?」
「うん。エッチな妄想は引くけど…でも、佐伯くんの不器用なところ…嫌いじゃない」
あみが微笑む。
その笑顔は…7歳の頃と同じ、優しい笑顔だった。
「あみ…俺…!」
「次は、ちゃんと告白してね。妄想じゃなくて、本心で」
あみがそう言って、立ち上がる。
「待ってるから」
そう言い残して、あみは去っていく。
俺は、その場に立ち尽くす。
スマホブルリ。
【あみの好感度:70/100。告白待ち状態】
【佐伯賢司、次回が最後のチャンス。本心で告白せよ】
【私、ココロダイブの役目は、ここまでです。あとは、あなた自身の力で】
「ココロダイブ…お前…」
【幸運を祈ります。今度こそ、本物の言葉で】
画面が暗くなる。
ココロダイブが…沈黙した。
「…ありがとう」
俺は、スマホに呟く。
次は、俺自身の言葉で。
心理学のテクニックじゃなくて、本心で。
あみに、俺の全てを伝える。
「待ってろ、あみ。次こそは…!」
決意を胸に、俺は走り出した。
そして転んだ。
【緊急】あみの好感度55/100。このタイミングでのデータ漏洩は、関係性崩壊リスク99%。
ココロダイブの最終警告が、俺、佐伯賢司のスマホを震わせる。
「データ漏洩って…どういうことだよ!?」
朝、部屋でパソコンと格闘している俺の隣で、太郎が不吉な顔をしている。
「賢司、お前…ココロダイブのデータ、ゼミ発表のPCに同期してるだろ?」
「え…?あ…してるけど…」
「バカ!それヤバいって!もしデータ漏れたら…」
「大丈夫だって!俺、ちゃんとセキュリティかけてるし!」
そう言いながらも、不安がよぎる。
ココロダイブには、俺の恋愛データが全て記録されている。
特に…あみとの妄想ベスト10が…。
「いや、絶対に大丈夫だ!漏れるわけがない!」
自分に言い聞かせるように叫ぶ俺。
太郎が「お前のフラグ回収能力、ハンパねえな」とため息をつく。
*
脳内で、妄想の劇場が最高潮に達する。
心理学ゼミの教室。俺が壇上で発表中。
「恋愛における心理学の応用について、私の研究成果を発表します!」
完璧なプレゼン。あみが感動の涙。
「賢司くん…すごい…!」
教授が拍手喝采。「佐伯君、君は天才だ!」
そして、あみが俺に駆け寄る。
「賢司くん…あなたの研究、私…感動した…!好きです…!」
「フフフ、ハハハハハ!」
「賢司、もう行くぞ。ゼミ始まるぞ」
太郎が肩を叩く。
「ああ…行こう」
不安を抱えながら、俺はゼミ室へ向かった。
*
心理学ゼミ室。
今日のテーマは「恋愛心理学の実践的応用」。
俺の発表の番だ。
「それでは、佐伯君、お願いします」
教授の声に、俺は壇上へ。
あみが最前列に座っている。
(落ち着け…今日は本心で語る…テクニックじゃなくて…)
「えー、私の発表テーマは『恋愛における心理学の限界と可能性』です」
スライドを映す。
会場がざわつく。
「心理学は恋愛を分析できますが…実際の恋愛は、理論通りにはいきません」
あみが興味深そうに聞いている。
「私自身、心理学のテクニックで恋愛をハックしようとしましたが…全て失敗しました」
正直に語る俺。
会場が笑う。
「認知的不協和、ゲインロス効果、ピグマリオン効果…全部、的外れでした」
あみが小さく微笑む。
(いける…このまま本心を…)
「だから、私は学びました。恋愛に必要なのは、テクニックじゃなくて…本心だと」
スライドを次へ。
その瞬間。
画面が乱れる。
「え…?」
プロジェクターが勝手に別のファイルを開く。
「なん…だと…!?」
画面に映し出されるのは…
『あみとのエッチな妄想ベスト10』
会場が凍りつく。
「ちょ、ちょっと待って!これは…!」
慌ててパソコンを操作するが、止まらない。
スライドが自動で進む。
第10位:あみが俺に抱きつく妄想(ブラウスのボタンが3つ外れた状態で)
第9位:あみが積極的に迫る妄想(「賢司くん…もっと触って…」と囁く)
第8位:研究室で二人きり妄想(机の上であみが…スカートがめくれ上がり…)
会場がざわめく。
あみの顔が真っ赤になる。
「や、やめろぉぉぉ!」
必死にパソコンを叩くが、スライドは止まらない。
第7位:保健室でキス妄想(あみの白い太ももに触れながら…ベッドの上で…)
第6位:図書館の個室妄想(「誰も来ないから…」とあみが下着を…)
高梨が「佐伯…お前…マジか…」と呆れ顔。
玲奈が「キャー!佐伯くん、超変態~!ドン引き~!」と爆笑。
第5位:空き教室で壁ドン妄想(あみ「ダメ…でも止まらない…っ」と…)
第4位:夕暮れの廊下でキス妄想(あみの体を抱きしめて…レースのブラが見えて…)
あみが立ち上がる。
その顔は…怒りではなく、悲しみに満ちていた。
「佐伯くん…最低…」
あみが教室を出ていく。
「あみ!待って!」
俺が追いかけようとするが、足がもつれて転ぶ。
スライドは容赦なく進む。
第3位:あみが『あなただけ』と囁く妄想
第2位:あみとの初キス妄想
第1位:あみと『ずっと一緒』の未来妄想
そして、最後のスライド。
画面に映し出されたのは…
『ココロダイブv1.0 - 過去データ照合結果』
【重要通知】佐伯賢司と吉村あみの過去データ一致
7歳時、同じ小学校に在籍。交換日記の記録あり
キーワード:『ずっと友達でいようね』『ドジな男の子』『優しい女の子』
会場が静まり返る。
俺は、その文字を見て…言葉を失った。
「交換日記…7歳…あみと…?」
スマホブルリ。
【データ漏洩発生。原因:ココロダイブのセキュリティエラー。全データ公開】
【緊急通知:過去データ照合結果も公開。佐伯賢司と吉村あみの過去の繋がりが判明】
【あみの好感度:測定不能。感情混乱中】
「どういうことだ…ココロダイブ…!」
スマホ画面に、新しいメッセージ。
【説明します。私、ココロダイブv1.0の正体は…あなたたちが7歳の時に書いた交換日記をデータ化したものです】
「交換日記…!?」
【佐伯賢司、吉村あみ。二人は7歳の時、同じ小学校で出会い、交換日記を交わしていました】
【しかし、佐伯賢司の転校により、二人は離れ離れに】
【交換日記の最後のページに書かれた言葉…『ずっと友達でいようね』】
【この交換日記は、後に偶然デジタル化され、私のデータベースに組み込まれました】
【そして、あなたたちが大学で再会したとき…私は、二人を再び繋ぐために『適合率95%』と表示したのです】
俺は…震える手でスマホを握る。
「じゃあ…俺とあみは…昔…!」
【はい。あなたたちは運命の相手です。ただし、あなたの妄想データも公開されてしまいました。申し訳ありません】
「謝るなぁぁぁ!」
俺の叫びが、ゼミ室に響き渡る。
*
教室を飛び出し、あみを探す。
廊下、中庭、図書館…どこにもいない。
(あみ…どこだ…!)
そして、俺は思い出す。
7歳の記憶。
転校する前の小学校。
優しい女の子と交わした交換日記。
『けんじくん、げんきでね。ずっとともだちでいようね』
あの女の子は…あみだったのか。
「クソッ…思い出せない…!」
走りながら、俺は自分の記憶の曖昧さを呪う。
そして。
大学の裏庭、ベンチに座るあみを見つけた。
「あみ…!」
あみが振り返る。
その目は…涙で濡れていた。
「佐伯くん…来ないで…」
「あみ…ごめん…あのデータは…!」
「見たよ…エッチな妄想ベスト10…最悪…」
あみが顔を背ける。
「あなたみたいなド変態…大嫌い!」
あみの言葉が、俺の胸に突き刺さる。
「あ…あみ…」
「私のこと…そんな目で見てたんだ…。ブラウスのボタンが外れてるとか…スカートがめくれてるとか…下着がどうとか…最低!エロケンジ!!」
「でも…交換日記のデータも見た…」
「え…?」
「私たち…7歳の時…交換日記してたんだね…」
あみが小さく呟く。
「お前…覚えてるのか…?」
「少しだけ…ドジで不器用な男の子…いつも私に助けられてた男の子…」
あみが俺を見つめる。
「それが…佐伯くんだったんだね」
「あみ…」
「佐伯くんは…私のこと、覚えてる?」
俺は…必死に記憶を辿る。
7歳の俺。
転校が多くて、友達ができなかった。そしてガキ大将のカガミとその取り巻きにいつもいじめられていた。
いつも、ひどいいじめにあっていた。でも、一人だけ…優しい女の子がいた。
そうだあのときもその子に助けられた。
体育館の備品室でパンツを脱がされ頭にパンツを被らされていた。そのとき、むき出しになった僕の体を…!
その女の子が小さな手で隠してくれたのだった。
いつも笑顔で、俺を助けてくれた女の子。
「…思い出した」
「え…?」
「お前、いつも俺を助けてくれた。ドジな俺を、笑わずに助けてくれた」
あみが息を呑む。
「交換日記…俺、お前に『ありがとう』って書いた。『あーちゃんは優しいから、大好きだよ』って」
「覚えてたんだ…」
あみが涙を流す。
「私も…覚えてた。『けんじくん、げんきでね』って書いたこと…」
二人の間に、沈黙。
そして、あみが笑う。
「佐伯くん…やっぱりドジだね。エッチな妄想、全員に見られるなんて」
「うう…許してくれ…」
「でも…妄想の中に『ずっと一緒』ってあったよね」
「あ、ああ…」
「それ…私も同じこと思ってた」
「え…!?」
あみが俺を真っ直ぐ見つめる。
「佐伯くんのこと…最初は変な人だと思ってた。でも…だんだん気になって…」
「あみ…」
「本心を話してくれたとき…嬉しかった。佐伯くんが、私のこと本気で好きだって…わかったから」
あみの言葉に、俺の心臓が高鳴る。
「だから…私も、佐伯くんのこと…好き」
「え…本当に…!?」
「うん。エッチな妄想は引くけど…でも、佐伯くんの不器用なところ…嫌いじゃない」
あみが微笑む。
その笑顔は…7歳の頃と同じ、優しい笑顔だった。
「あみ…俺…!」
「次は、ちゃんと告白してね。妄想じゃなくて、本心で」
あみがそう言って、立ち上がる。
「待ってるから」
そう言い残して、あみは去っていく。
俺は、その場に立ち尽くす。
スマホブルリ。
【あみの好感度:70/100。告白待ち状態】
【佐伯賢司、次回が最後のチャンス。本心で告白せよ】
【私、ココロダイブの役目は、ここまでです。あとは、あなた自身の力で】
「ココロダイブ…お前…」
【幸運を祈ります。今度こそ、本物の言葉で】
画面が暗くなる。
ココロダイブが…沈黙した。
「…ありがとう」
俺は、スマホに呟く。
次は、俺自身の言葉で。
心理学のテクニックじゃなくて、本心で。
あみに、俺の全てを伝える。
「待ってろ、あみ。次こそは…!」
決意を胸に、俺は走り出した。
そして転んだ。
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