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第8話:ピグマリオン効果で自信を
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【緊急通知】あみの感情分析更新:50%期待、30%不安、20%呆れ。佐伯賢司への期待値上昇中。しかし、高梨悠の好感度+18。玲奈の接近度+20。
【最終提案】ピグマリオン効果。相手に期待をかけることで能力を引き出す心理。あみを褒めちぎれ。ただし、上から目線リスク99%。
ココロダイブの容赦ない通知が、俺、佐伯賢司の朝を叩き起こす。
「期待50%!?やった!脈あり確定!」
スマホを握りしめて叫ぶ俺の隣で、太郎が冷ややかな視線を向けている。
「賢司、お前…まだ懲りてないのかよ」
「懲りる?何を言ってる!あみは俺を期待してるんだ!」
「でも、上から目線リスク99%って…」
「関係ねえ!ピグマリオン効果は最強だ!」
ピグマリオン効果。
教師が生徒に期待をかけると、生徒の成績が本当に上がるという心理学の有名な実験。
つまり、あみを褒めまくって期待をかければ、あみは自信をつけ、俺に惹かれるはず!
完璧な作戦だ!
【警告:ピグマリオン効果は信頼関係が前提。佐伯賢司とあみの現在の関係性では、逆効果の可能性93%。推奨:素直に褒めろ。上から目線厳禁】
「黙れ!俺の褒め言葉に隙はない!」
スマホを握りしめ、俺は決意を固めた。
*
脳内で、妄想の劇場が華麗に開幕。
心理学ゼミの教室。あみが発表中。
「あみ、君の分析は素晴らしい!君には才能がある!」
俺が満面の笑みで褒めちぎる。
あみが「賢司くん…!」と感動の涙。白いブラウスのボタンが上から3つ外れて、レースのブラが透けている……。
周りの学生たちが「佐伯さん、優しい!」「あの人、理想の男性!」と拍手喝采。
そして、あみが俺に抱きつく。柔らかい体が密着して……。
「賢司くんのおかげで、私…自信がついた!あなたのこと、もっと知りたい…!」
頬を紅く染めたあみが、潤んだ瞳で俺を見つめる……。
(これがピグマリオン効果の勝利……!)
妄想は続く。
発表後、空き教室。二人きり。
「賢司くん……本当にありがとう……あなたのおかげで……」
あみが俺に近づく。ブラウスの隙間から甘い香りが……。
「あみ……」
俺が彼女の肩を抱くと、彼女は身を委ねる。
「賢司くん……私……あなたに褒められて……嬉しくて……」
唇が重なる。
「んっ……賢司くん……」
あみの手が俺のシャツを掴み、スカートが乱れて白い太ももが見えて……。
「賢司くん……もっと……褒めて……っ」
「フフフ、ハハハハハ!」
「賢司、また妄想かよ。ピグマリオン効果、マジでやるの?」
太郎が呆れ顔で割り込む。
「当たり前だ!今日のゼミであみを褒めまくる!」
「お前、褒め方下手だろ…」
「関係ねえ!俺の褒め言葉は科学的に完璧だ!」
不安げな太郎を無視し、俺は作戦を決行する準備を整えた。
*
その日の心理学ゼミ。
テーマは「自己効力感と動機づけ」。
あみが発表者として、前に立っている。
「自己効力感とは、自分にはできるという信念のことです。この信念が高いと…」
あみの落ち着いた声が教室に響く。
(今だ!ピグマリオン効果発動のチャンス!)
あみの発表が終わった瞬間、俺は勢いよく手を挙げる。
「あみの発表、素晴らしかったよ!」
会場がざわつく。
あみが「え…?」と驚いた表情。
「君の分析は的確だし、プレゼンも分かりやすい。君には心理学の才能があるよ」
「あ、ありがとう…佐伯くん…」
あみが戸惑いながらも、少し嬉しそうに微笑む。
(いける!このまま褒めまくるぞ!)
「それに、君の声も聞き取りやすいし、スライドのデザインもいい。君、将来絶対に成功するよ」
「え、えっと…」
あみの表情が微妙に曇る。
(あれ…?)
「君はもっと自信を持つべきだよ。俺が見た限り、君は優秀だから」
「佐伯くん…」
あみの声が、少し冷たくなった。
「あの…私、そんなに褒められると…逆にプレッシャーなんだけど…」
「え!?」
「それに、『俺が見た限り』って…上から目線じゃない?」
会場が凍りつく。
「い、いや、そんなつもりじゃ…!」
「私、別に佐伯くんに評価されたくて発表してるわけじゃないんだけど」
あみの冷ややかな視線が、俺を貫く。
(やばい…完全に逆効果…!)
その時、玲奈が手を挙げる。
「先生~!私もあみちゃんの発表、素敵だったと思います!あみちゃん、いつも頑張ってるもんね!」
玲奈の自然な褒め言葉に、あみが「ありがとう、玲奈ちゃん」と笑顔で応える。
(くっ…玲奈のほうが自然じゃねえか…!)
高梨が挙手。
「あみの分析、いつも勉強になります。特に今日の自己効力感の部分、俺も実践してみようと思いました」
「高梨くん、ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいです」
あみが高梨に微笑む。
(高梨め…!完璧な褒め方しやがって…!)
スマホブルリ。
【ピグマリオン効果作戦:大失敗】
【評価:F--。上から目線であみの不快度+30。玲奈の好感度+15、高梨の好感度+12。佐伯賢司、完全に空気読めない男認定】
【ただし、あみの感情に変化。不快の中に5%の『別の感情』検出。詳細分析中】
「別の感情5%!?」
小さな希望にすがりつく俺。
だが、現実は厳しい。
*
ゼミ終了後、廊下。
あみが足早に去ろうとする。
「あみ!待ってくれ!」
俺が走って追いかける。
「…何?」
あみが振り返る。その表情は、明らかに不機嫌。
「さっきは…ごめん。上から目線に聞こえたなら…」
「聞こえたんじゃなくて、上から目線だったんだよ」
あみの冷たい言葉が、俺の心に突き刺さる。
「俺は…ただ、お前を褒めたかっただけで…」
「褒めたいなら、もっと自然に褒めてよ。『俺が見た限り』とか、『君には才能がある』とか…まるで評価者みたいで気持ち悪い」
「そ、そんな…!」
「佐伯くん、いつもそうだよね。心理学の知識で私をコントロールしようとしてる」
「コントロール!?そんなつもりじゃ…!」
「じゃあ、何?認知的不協和とか、ゲインロス効果とか…全部、私を落とすためのテクニックでしょ?」
あみの言葉が、俺の心を抉る。
「違う…!俺は…!」
言葉が出てこない。
なぜなら、あみの言う通りだから。
俺は心理学のテクニックで、あみを落とそうとしていた。
「…やっぱり、認めるんだ」
あみが悲しそうに呟く。
「俺は…本気で…お前のこと…」
「本気?本気なら、テクニックじゃなくて、本心で話してよ」
あみが俺を真っ直ぐ見つめる。
その瞳は、怒りではなく…悲しみに満ちていた。
「本心…」
俺の口から、言葉が漏れる。
「俺は…お前が好きだ」
静寂。
あみが息を呑む。
「え…」
「最初は…適合率95%とか、心理学で落とせるとか…そんなくだらないことしか考えてなかった」
「佐伯くん…」
「でも、お前と話してるうちに…お前の優しさとか、頭の良さとか、笑顔とか…全部が好きになった」
俺の本心が、堰を切ったように溢れ出す。
「心理学のテクニックなんて、全部クソだ。俺は…ただ、お前に振り向いて欲しかっただけなんだ」
あみが、黙って俺を見つめている。
その表情は…読めない。
「…佐伯くん」
「ごめん…重い話して…」
「ううん…ありがとう」
「え…?」
「本心、聞けて…嬉しかった」
あみが、小さく微笑む。
その笑顔は…いつもの冷ややかなものじゃなくて、温かいものだった。
「でも…私、まだ佐伯くんのこと…よくわからない」
「わからない…?」
「うん。佐伯くん、いつも心理学の話ばっかりで…本当の佐伯くんが見えないから」
あみが少し寂しそうに呟く。
「本当の俺…」
「もっと、素直になってよ。テクニックじゃなくて、佐伯くんの言葉で話してくれたら…私も、もっと佐伯くんのこと知りたいって思えるかも」
あみがそう言って、去っていく。
俺は、その場に立ち尽くす。
その瞬間、脳内で妄想が暴走を始める。
あみが数歩歩いたところで、振り返る。
「賢司くん……待って」
「あみ……?」
彼女が俺に駆け寄り、俺の手を掴む。柔らかい手……温かい……。
「私……佐伯くんの本心、聞けて嬉しかった……」
「あみ……」
「もっと……佐伯くんのこと、知りたい……今すぐ……」
あみの瞳が潤んでいる。白いブラウスのボタンが上から3つ外れて、レースのブラが見えている……。
人気のない廊下。夕日が差し込む中、彼女が俺に寄り添う。
「賢司くん……」
彼女のブラウスの襟元が少し開いて、鎖骨が見える……さらにその下……ふくらみ……。
俺は彼女を抱き寄せる。柔らかい体……甘い香り……。
「あみ……好きだ……」
「私も……賢司くん……っ……ずっと待ってた……っ」
唇が重なる。柔らかい……熱い……。
「んっ……賢司くん……」
あみの手が俺の背中に回り、体が密着する。ふくらみが胸に当たる……。
「賢司くん……ここ、廊下だよ……でも……止められない……っ」
「誰も来ない……大丈夫……あみ……」
俺の手が彼女の腰に回り、ブラのホックに触れ……。
彼女のスカートが少し乱れ……白い太ももが露わに……俺の手が太ももに触れ……。
「んんっ……賢司くん……っ!そんなところ……っ!」
あみが小さく震える。吐息が荒い……。
「教室……行こう……?二人きりで……っ」
彼女が俺の耳元で囁く。熱い吐息……。
二人で空き教室に入り……ドアが閉まる音……。
「賢司くん……私……もう我慢できない……っ」
あみが俺に抱きつき、机の上に座る。スカートがめくれ上がって……。
白い太ももが見え……白いレースの下着が見えて……俺の手が……。
「あみ……っ」
俺の手がスカートの中に侵入し……下着の上から……。
「ひゃっ……!賢司くん……っ!そこ……ダメ……っ!」
あみが俺の首に腕を回し、足を開いて……。
「賢司くん……好き……っ……もっと……触って……っ」
机の上に横たわるあみ。ブラウスが完全に開いて……スカートが完全にめくれて……。
夕日の中、俺はあみの上に覆いかぶさり……彼女の足が俺の腰に絡みつき……。
「賢司くん……私……もう……っ!」
二人は空き教室で、禁断の……。
「賢司、まだ廊下で突っ立ってんのかよ」
太郎の声で現実に引き戻される。
「ぐえっ!?」
スマホブルリ。
【ピグマリオン効果作戦:結果評価変更】
【評価:C。上から目線で失敗したが、本心告白によりあみの好感度+20。現在の好感度:55/100。恋愛対象として認識され始めています】
【あみの感情分析:60%戸惑い、30%期待、10%好意。佐伯賢司への感情、急速に変化中】
【重要通知:あみの過去データと現在の感情がリンク。7歳時のキーワード『不器用な男の子』『本心を話してくれた』。詳細は次回分析で】
「好意10%!?期待30%!?」
俺の心臓が高鳴る。
失敗だと思っていたピグマリオン効果作戦が、まさかの展開に。
「本心…か」
あみの言葉が、俺の心に残る。
もっと素直に。
テクニックじゃなくて、本心で。
「…わかった」
俺は、決意を新たにした。
次は、心理学のテクニックを捨てて、本心であみに向き合う。
それが、本当の恋愛なのかもしれない。
*
その夜、部屋で太郎が缶コーヒーを差し出す。
「お疲れ、賢司。まさか告白するとはな」
「告白じゃねえよ…本心が漏れただけだ…」
「でも、あみちゃん、嬉しそうだったぞ。あれは脈ありだ」
「本当に…?」
「ああ。お前、やっと本物の恋愛始めたな」
太郎の言葉に、俺は少しだけ照れる。
「でも…まだわかんねえよ。あみ、俺のこと好きかどうか…」
「焦るな。次のゼミ発表で、お前の本気を見せろよ」
「ゼミ発表…?」
「ああ。お前、来週の発表当番だろ?そこで、心理学じゃなくて、お前の本心を語れよ」
太郎の提案に、俺はハッとする。
そうだ。
次のゼミ発表で、俺の本心をあみに伝える。
心理学のテクニックじゃなくて、俺の言葉で。
「…ありがとう、太郎」
「おう。頑張れよ」
太郎が肩を叩いて、部屋を出ていく。
俺は、スマホを握りしめる。
【次回作戦:ゼミ発表で本心を語れ。ただし、データ漏洩リスクあり。慎重に準備せよ】
「データ漏洩…?」
不吉な予感がよぎる。
だが、俺には覚悟がある。
次のゼミ発表で、あみに俺の本心を伝える。
それが、俺の最後の賭けだ。
「待ってろ、あみ。次こそは…!」
決意を胸に、俺は夜を迎えた。
【最終提案】ピグマリオン効果。相手に期待をかけることで能力を引き出す心理。あみを褒めちぎれ。ただし、上から目線リスク99%。
ココロダイブの容赦ない通知が、俺、佐伯賢司の朝を叩き起こす。
「期待50%!?やった!脈あり確定!」
スマホを握りしめて叫ぶ俺の隣で、太郎が冷ややかな視線を向けている。
「賢司、お前…まだ懲りてないのかよ」
「懲りる?何を言ってる!あみは俺を期待してるんだ!」
「でも、上から目線リスク99%って…」
「関係ねえ!ピグマリオン効果は最強だ!」
ピグマリオン効果。
教師が生徒に期待をかけると、生徒の成績が本当に上がるという心理学の有名な実験。
つまり、あみを褒めまくって期待をかければ、あみは自信をつけ、俺に惹かれるはず!
完璧な作戦だ!
【警告:ピグマリオン効果は信頼関係が前提。佐伯賢司とあみの現在の関係性では、逆効果の可能性93%。推奨:素直に褒めろ。上から目線厳禁】
「黙れ!俺の褒め言葉に隙はない!」
スマホを握りしめ、俺は決意を固めた。
*
脳内で、妄想の劇場が華麗に開幕。
心理学ゼミの教室。あみが発表中。
「あみ、君の分析は素晴らしい!君には才能がある!」
俺が満面の笑みで褒めちぎる。
あみが「賢司くん…!」と感動の涙。白いブラウスのボタンが上から3つ外れて、レースのブラが透けている……。
周りの学生たちが「佐伯さん、優しい!」「あの人、理想の男性!」と拍手喝采。
そして、あみが俺に抱きつく。柔らかい体が密着して……。
「賢司くんのおかげで、私…自信がついた!あなたのこと、もっと知りたい…!」
頬を紅く染めたあみが、潤んだ瞳で俺を見つめる……。
(これがピグマリオン効果の勝利……!)
妄想は続く。
発表後、空き教室。二人きり。
「賢司くん……本当にありがとう……あなたのおかげで……」
あみが俺に近づく。ブラウスの隙間から甘い香りが……。
「あみ……」
俺が彼女の肩を抱くと、彼女は身を委ねる。
「賢司くん……私……あなたに褒められて……嬉しくて……」
唇が重なる。
「んっ……賢司くん……」
あみの手が俺のシャツを掴み、スカートが乱れて白い太ももが見えて……。
「賢司くん……もっと……褒めて……っ」
「フフフ、ハハハハハ!」
「賢司、また妄想かよ。ピグマリオン効果、マジでやるの?」
太郎が呆れ顔で割り込む。
「当たり前だ!今日のゼミであみを褒めまくる!」
「お前、褒め方下手だろ…」
「関係ねえ!俺の褒め言葉は科学的に完璧だ!」
不安げな太郎を無視し、俺は作戦を決行する準備を整えた。
*
その日の心理学ゼミ。
テーマは「自己効力感と動機づけ」。
あみが発表者として、前に立っている。
「自己効力感とは、自分にはできるという信念のことです。この信念が高いと…」
あみの落ち着いた声が教室に響く。
(今だ!ピグマリオン効果発動のチャンス!)
あみの発表が終わった瞬間、俺は勢いよく手を挙げる。
「あみの発表、素晴らしかったよ!」
会場がざわつく。
あみが「え…?」と驚いた表情。
「君の分析は的確だし、プレゼンも分かりやすい。君には心理学の才能があるよ」
「あ、ありがとう…佐伯くん…」
あみが戸惑いながらも、少し嬉しそうに微笑む。
(いける!このまま褒めまくるぞ!)
「それに、君の声も聞き取りやすいし、スライドのデザインもいい。君、将来絶対に成功するよ」
「え、えっと…」
あみの表情が微妙に曇る。
(あれ…?)
「君はもっと自信を持つべきだよ。俺が見た限り、君は優秀だから」
「佐伯くん…」
あみの声が、少し冷たくなった。
「あの…私、そんなに褒められると…逆にプレッシャーなんだけど…」
「え!?」
「それに、『俺が見た限り』って…上から目線じゃない?」
会場が凍りつく。
「い、いや、そんなつもりじゃ…!」
「私、別に佐伯くんに評価されたくて発表してるわけじゃないんだけど」
あみの冷ややかな視線が、俺を貫く。
(やばい…完全に逆効果…!)
その時、玲奈が手を挙げる。
「先生~!私もあみちゃんの発表、素敵だったと思います!あみちゃん、いつも頑張ってるもんね!」
玲奈の自然な褒め言葉に、あみが「ありがとう、玲奈ちゃん」と笑顔で応える。
(くっ…玲奈のほうが自然じゃねえか…!)
高梨が挙手。
「あみの分析、いつも勉強になります。特に今日の自己効力感の部分、俺も実践してみようと思いました」
「高梨くん、ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいです」
あみが高梨に微笑む。
(高梨め…!完璧な褒め方しやがって…!)
スマホブルリ。
【ピグマリオン効果作戦:大失敗】
【評価:F--。上から目線であみの不快度+30。玲奈の好感度+15、高梨の好感度+12。佐伯賢司、完全に空気読めない男認定】
【ただし、あみの感情に変化。不快の中に5%の『別の感情』検出。詳細分析中】
「別の感情5%!?」
小さな希望にすがりつく俺。
だが、現実は厳しい。
*
ゼミ終了後、廊下。
あみが足早に去ろうとする。
「あみ!待ってくれ!」
俺が走って追いかける。
「…何?」
あみが振り返る。その表情は、明らかに不機嫌。
「さっきは…ごめん。上から目線に聞こえたなら…」
「聞こえたんじゃなくて、上から目線だったんだよ」
あみの冷たい言葉が、俺の心に突き刺さる。
「俺は…ただ、お前を褒めたかっただけで…」
「褒めたいなら、もっと自然に褒めてよ。『俺が見た限り』とか、『君には才能がある』とか…まるで評価者みたいで気持ち悪い」
「そ、そんな…!」
「佐伯くん、いつもそうだよね。心理学の知識で私をコントロールしようとしてる」
「コントロール!?そんなつもりじゃ…!」
「じゃあ、何?認知的不協和とか、ゲインロス効果とか…全部、私を落とすためのテクニックでしょ?」
あみの言葉が、俺の心を抉る。
「違う…!俺は…!」
言葉が出てこない。
なぜなら、あみの言う通りだから。
俺は心理学のテクニックで、あみを落とそうとしていた。
「…やっぱり、認めるんだ」
あみが悲しそうに呟く。
「俺は…本気で…お前のこと…」
「本気?本気なら、テクニックじゃなくて、本心で話してよ」
あみが俺を真っ直ぐ見つめる。
その瞳は、怒りではなく…悲しみに満ちていた。
「本心…」
俺の口から、言葉が漏れる。
「俺は…お前が好きだ」
静寂。
あみが息を呑む。
「え…」
「最初は…適合率95%とか、心理学で落とせるとか…そんなくだらないことしか考えてなかった」
「佐伯くん…」
「でも、お前と話してるうちに…お前の優しさとか、頭の良さとか、笑顔とか…全部が好きになった」
俺の本心が、堰を切ったように溢れ出す。
「心理学のテクニックなんて、全部クソだ。俺は…ただ、お前に振り向いて欲しかっただけなんだ」
あみが、黙って俺を見つめている。
その表情は…読めない。
「…佐伯くん」
「ごめん…重い話して…」
「ううん…ありがとう」
「え…?」
「本心、聞けて…嬉しかった」
あみが、小さく微笑む。
その笑顔は…いつもの冷ややかなものじゃなくて、温かいものだった。
「でも…私、まだ佐伯くんのこと…よくわからない」
「わからない…?」
「うん。佐伯くん、いつも心理学の話ばっかりで…本当の佐伯くんが見えないから」
あみが少し寂しそうに呟く。
「本当の俺…」
「もっと、素直になってよ。テクニックじゃなくて、佐伯くんの言葉で話してくれたら…私も、もっと佐伯くんのこと知りたいって思えるかも」
あみがそう言って、去っていく。
俺は、その場に立ち尽くす。
その瞬間、脳内で妄想が暴走を始める。
あみが数歩歩いたところで、振り返る。
「賢司くん……待って」
「あみ……?」
彼女が俺に駆け寄り、俺の手を掴む。柔らかい手……温かい……。
「私……佐伯くんの本心、聞けて嬉しかった……」
「あみ……」
「もっと……佐伯くんのこと、知りたい……今すぐ……」
あみの瞳が潤んでいる。白いブラウスのボタンが上から3つ外れて、レースのブラが見えている……。
人気のない廊下。夕日が差し込む中、彼女が俺に寄り添う。
「賢司くん……」
彼女のブラウスの襟元が少し開いて、鎖骨が見える……さらにその下……ふくらみ……。
俺は彼女を抱き寄せる。柔らかい体……甘い香り……。
「あみ……好きだ……」
「私も……賢司くん……っ……ずっと待ってた……っ」
唇が重なる。柔らかい……熱い……。
「んっ……賢司くん……」
あみの手が俺の背中に回り、体が密着する。ふくらみが胸に当たる……。
「賢司くん……ここ、廊下だよ……でも……止められない……っ」
「誰も来ない……大丈夫……あみ……」
俺の手が彼女の腰に回り、ブラのホックに触れ……。
彼女のスカートが少し乱れ……白い太ももが露わに……俺の手が太ももに触れ……。
「んんっ……賢司くん……っ!そんなところ……っ!」
あみが小さく震える。吐息が荒い……。
「教室……行こう……?二人きりで……っ」
彼女が俺の耳元で囁く。熱い吐息……。
二人で空き教室に入り……ドアが閉まる音……。
「賢司くん……私……もう我慢できない……っ」
あみが俺に抱きつき、机の上に座る。スカートがめくれ上がって……。
白い太ももが見え……白いレースの下着が見えて……俺の手が……。
「あみ……っ」
俺の手がスカートの中に侵入し……下着の上から……。
「ひゃっ……!賢司くん……っ!そこ……ダメ……っ!」
あみが俺の首に腕を回し、足を開いて……。
「賢司くん……好き……っ……もっと……触って……っ」
机の上に横たわるあみ。ブラウスが完全に開いて……スカートが完全にめくれて……。
夕日の中、俺はあみの上に覆いかぶさり……彼女の足が俺の腰に絡みつき……。
「賢司くん……私……もう……っ!」
二人は空き教室で、禁断の……。
「賢司、まだ廊下で突っ立ってんのかよ」
太郎の声で現実に引き戻される。
「ぐえっ!?」
スマホブルリ。
【ピグマリオン効果作戦:結果評価変更】
【評価:C。上から目線で失敗したが、本心告白によりあみの好感度+20。現在の好感度:55/100。恋愛対象として認識され始めています】
【あみの感情分析:60%戸惑い、30%期待、10%好意。佐伯賢司への感情、急速に変化中】
【重要通知:あみの過去データと現在の感情がリンク。7歳時のキーワード『不器用な男の子』『本心を話してくれた』。詳細は次回分析で】
「好意10%!?期待30%!?」
俺の心臓が高鳴る。
失敗だと思っていたピグマリオン効果作戦が、まさかの展開に。
「本心…か」
あみの言葉が、俺の心に残る。
もっと素直に。
テクニックじゃなくて、本心で。
「…わかった」
俺は、決意を新たにした。
次は、心理学のテクニックを捨てて、本心であみに向き合う。
それが、本当の恋愛なのかもしれない。
*
その夜、部屋で太郎が缶コーヒーを差し出す。
「お疲れ、賢司。まさか告白するとはな」
「告白じゃねえよ…本心が漏れただけだ…」
「でも、あみちゃん、嬉しそうだったぞ。あれは脈ありだ」
「本当に…?」
「ああ。お前、やっと本物の恋愛始めたな」
太郎の言葉に、俺は少しだけ照れる。
「でも…まだわかんねえよ。あみ、俺のこと好きかどうか…」
「焦るな。次のゼミ発表で、お前の本気を見せろよ」
「ゼミ発表…?」
「ああ。お前、来週の発表当番だろ?そこで、心理学じゃなくて、お前の本心を語れよ」
太郎の提案に、俺はハッとする。
そうだ。
次のゼミ発表で、俺の本心をあみに伝える。
心理学のテクニックじゃなくて、俺の言葉で。
「…ありがとう、太郎」
「おう。頑張れよ」
太郎が肩を叩いて、部屋を出ていく。
俺は、スマホを握りしめる。
【次回作戦:ゼミ発表で本心を語れ。ただし、データ漏洩リスクあり。慎重に準備せよ】
「データ漏洩…?」
不吉な予感がよぎる。
だが、俺には覚悟がある。
次のゼミ発表で、あみに俺の本心を伝える。
それが、俺の最後の賭けだ。
「待ってろ、あみ。次こそは…!」
決意を胸に、俺は夜を迎えた。
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※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
高校生なのに娘ができちゃった!?
まったりさん
キャラ文芸
不思議な桜が咲く島に住む主人公のもとに、主人公の娘と名乗る妙な女が現われた。その女のせいで主人公の生活はめちゃくちゃ、最初は最悪だったが、段々と主人公の気持ちが変わっていって…!?
そうして、紅葉が桜に変わる頃、物語の幕は閉じる。
幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。
久野真一
青春
羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。
そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。
彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―
「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。
幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、
ある意味ラブレターのような代物で―
彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。
全三話構成です。
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