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エピローグ
外伝 一方のチカとディル
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「アフェクから聞きました。兄様から告白されたそうで」
「ちょっと今後、アイツに文句というか、1発殴っていただけますでしょうか」
平和な業務の休憩時間。
ギルマスさんを送り届ける任務でやってきたディルと、たわいもない会話の途中の出来事であった。
……そろそろアフェクは、リベールに怒られてしまえ。
「私も一安心しているのですよ? いろいろと」
「そう、なんですか?」
「なにより、最近の兄様は実におもちゃにしがいのあ……げふげふ、人間らしくなったと申しますか」
「ねぇ、ディル、待って。今さらっと『おもちゃ』って単語が……」
「それでですね」
あ、僕のツッコミがスルーされた。
キリッ、とするな、キリッ、と。
(あれぇ? もしかしなくてもディルさん、実は愉快な人?)
残念ながら、僕が彼の認識を改めるのはもうしばらく先の話である。
が、今はそんな話ではない。
「チカ嬢には苦労をかけますでしょうか、兄様のことよろしくお願いいたします」
「そんな、そこまで……というか、僕は将来的に元の世界に帰るわけで」
戻ってくる云々は、まだ決まっていないというか。
リベールに口説かれる、という形でいろいろ言われるんだろうけど。
「あぁそれですが……場合によっては、兄様がチカ嬢を追いかけると思いますよ」
「え」
「惚れた相手を追いかけないなんぞ、度胸がないとは言わせませんよ、私たちが」
うーわー、めっちゃ笑顔。
すさまじい程の笑顔だよ。
これはやる気だ。
僕が帰ってこないと判断した瞬間、リベールをこっちに送り込む気だ。
「当人の意思は?」
「可愛い弟たちの『お願い』を聞くのが年長者の務めでしょう」
「ちょっと今後、アイツに文句というか、1発殴っていただけますでしょうか」
平和な業務の休憩時間。
ギルマスさんを送り届ける任務でやってきたディルと、たわいもない会話の途中の出来事であった。
……そろそろアフェクは、リベールに怒られてしまえ。
「私も一安心しているのですよ? いろいろと」
「そう、なんですか?」
「なにより、最近の兄様は実におもちゃにしがいのあ……げふげふ、人間らしくなったと申しますか」
「ねぇ、ディル、待って。今さらっと『おもちゃ』って単語が……」
「それでですね」
あ、僕のツッコミがスルーされた。
キリッ、とするな、キリッ、と。
(あれぇ? もしかしなくてもディルさん、実は愉快な人?)
残念ながら、僕が彼の認識を改めるのはもうしばらく先の話である。
が、今はそんな話ではない。
「チカ嬢には苦労をかけますでしょうか、兄様のことよろしくお願いいたします」
「そんな、そこまで……というか、僕は将来的に元の世界に帰るわけで」
戻ってくる云々は、まだ決まっていないというか。
リベールに口説かれる、という形でいろいろ言われるんだろうけど。
「あぁそれですが……場合によっては、兄様がチカ嬢を追いかけると思いますよ」
「え」
「惚れた相手を追いかけないなんぞ、度胸がないとは言わせませんよ、私たちが」
うーわー、めっちゃ笑顔。
すさまじい程の笑顔だよ。
これはやる気だ。
僕が帰ってこないと判断した瞬間、リベールをこっちに送り込む気だ。
「当人の意思は?」
「可愛い弟たちの『お願い』を聞くのが年長者の務めでしょう」
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