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月曜日の部
不思議ちゃんによる地球防衛
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片桐錦子。十六才。
セーラー服を身にまとい、ぱっと見は単なる女子高生だがその正体は――地球を悪の組織から守る秘密結社の組織員、コードネームKIRIKOである!
と、錦子は頭の中で今日もモノローグを表示させる。
片桐錦子は昭和時代からそこに建ち続ける戸建ての民家から高校へ登校する。
食パンを咥えるようなベタな女子高生ではない。この家では朝も夜も弁当も一切が和食である。錦子はそれに不満を感じたことはないが、時折この家に生まれなかった私を想像する。
錦子は古めの門を出ると、さっそく隠密行動に移った。
「……アジト周辺に異常は無いわ。ええ、決行よ」
錦子改めKIRIKOは、ピアスすら着けていないまっさらで薄い耳元に手のひらを当てる。まるで内線が誰かと繋がっているかのようだ。
「目標地点まで五〇〇メートル。保護対象を承認。変わった様子は特に無いわ……あら?」
KIRIKOは学校鞄を乱暴に担ぎ直す。
高校指定の鞄は手に提げることも出来るが、肩掛けの紐もついているので、両手を空けることが出来る。その方が身軽に動ける。腰のあたりで重みが跳ねるのが玉に瑕だが、KIRIKOは空いた両手をちょうどショットガンを握りしめるような形で顔の横へ構えた。
「おかしいわ……何かが起こっている!?」
その身は電柱の陰に隠し、前方を覗き見る。その先には……何かがあるわけではない。
「聞こえる? Mr.GROW? おいでなすったわ、やっこさんよ」
現在時刻八時頃。
片桐錦子の自宅は通学する高校からは徒歩圏内である。
通う高校は特徴のない中くらいの偏差値をうろつく公立高校だ。よって地元の子供たちが多く通う。
だが、今日の通学路の様子はおかしい。
様子がおかしいのは片桐錦子も含めてもいいが、彼女はいたって平常運転だ。この儀式は毎日行われている。むしろ、いつも通りだ。
おかしいのは片桐錦子の自宅から大通りに出るまでの道である。住宅街を出るまでにはこの道を介さなければならないのだが、近くに、マンションもあり、平日の早朝は通学の生徒と通勤の会社員とででまあまあ人手があるはずだ。そのはずだが、今朝は錦子以外は誰も歩いていなかった。
そしてKIRIKOは誰もいない眼前に囁いた。
「そこにいるのはわかってるのよ……私を欺けると思ったの!?」
ズガアアンッ! ズガアアンッ!
錦子の脳内に銃声が響いた。
もちろん住宅街は朝の静けさを保ったままだ。
「フン、私も舐められたものね……この程度の人数で何とかなる私じゃあないわ」
その時、他人には視認できないステルス機能を有したスーツを身にまとった存在がこの町に飛来していた。
……突然の話で悪いが、今日はたまたまそういう日だったのだ。
その存在は、簡単に言うなれば宇宙外生命体とでも名すべきか。銀色の機能付きスーツを着た妙に頭の大きさの発達した人型の生物だった。
「あなた、敵対勢力ね? フウン……交渉の余地は無いようね」
「◎○▼×※●……!」
銀色のスーツの地球外生命体は、錦子をみとめると後ずさった。目が合い、睨まれたからだ。
「×△▼×◎!!」
何者だ!? とその生物は叫んだようである。
「ならば仕方ないわ。実力行使するまで! Mr.GROW、アレを使うわよ! サポートお願い!」
KIRIKOの耳には洋画吹き替えで有名な男性声優の音声で『ラジャー!』と聞こえた。
「……!?」
ステルス機能は有効である。故障はない。
だがしかし、地球生命のこの少女には見破られているようだ。
「※▲●※×+」
どうなっているんだ!? と地球外生命体の一人……否、一匹は宇宙船内部のサポート部に連絡を取る。返答は『想定外です』であった。
「ひさしぶりに腕が鳴るわ! みてらっしゃい、必殺ぅぅぅぅぅーーーーー……」
地球外生命体と一口に言っても、地球にわざわざ訪れるのにはそれぞれの理由がある。
地球の構成物質を測りに来る者。
地球生命を観測に来る者。
文明を視察に来る者。
そして征服者――
この銀色のスーツを着た宇宙外生命体は最後の項目に当たる者達だった。
ステルス機能は伊達ではない。
地球を統べる王、もしくは総統を暗殺するための特別に誂えた、特別な任務を任された物だけが身にまとう、いわゆる特務用着衣。誰からも感知されることなく、崩壊を地球上に用意できる。その際は暗殺と気取られないように、特別な薬物を使用する。その準備はサポート部隊が担い、彼らは同じ物質から作られたステルス飛行物体に待機している。連携をとって各々の任務に就いているのだ。
地球には年々、訪れる生命体の種類が増加傾向にある。
先述した者のほかにも、そもそも知能を持たぬ者も漂着する。(それはまあ、ほかの目的あって投擲された飛来物であったりするのだが)
今日KIRIKOが対峙したのは、知能を持ち、地球より優れた文明を誇り、別の個体でありながらコミュニケーションをとって高度な目的がチームプレーで達成できる――人間より有能な生命体であった。
それは勿論調査済みだ。
調査済みでありながら、銀色スーツの使命を持ち任務を遂行するエージェントは狼狽えた。
「ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーートルネードブラックバッグ!!!!!!!! ……ん?」
その結果、片桐錦子の振り回す学校鞄が直撃した。
何度も言うが、ステルス機能は伊達ではない。錦子には視認できていないはずなのにだ。
「あれ? 何か鈍い感触があったような……? お隣さんの塀に当たったわけでもないし……むむ?」
トルネードブラックバッグーーKIRIKOの必殺技の一である。
肩にかけた黒い学校鞄を、錦子が回転することによって遠心力で敵にぶつける、というものである。意外と重たい学校鞄は、まめな錦子が置き勉もせずに毎日辞書を持ち歩いているためだ。それによって錦子の肩や腰も痛める可能性がある諸刃の剣でもある。
「うーん? まあいっか♪ あ、ヤバ。朝礼八時半だから、急がないと!」
その時、KIRIKOを危険な生物だと認知した待機中の飛行物体が動いた。
「※●◎、▲▽×◎○!」
KIRIKOのトルネードブラックバッグによって吹き飛ばされ負傷した、ステルス銀色スーツのエージェントに退避が命令された。
地球外飛行物体は瞬時に大気圏外からKIRIKOの頭上高さ七〇〇メートルまでに移動、そして照準を定める。
これは危険度特一の対応……!
訓練でも滅多に行動に移されない、あの何物をも焼き尽くす超精度高温ビームが照射される合図が出たのだ。エージェントはその大きな頭を庇い、ガードレールわきの低植樹に逃げ込むように身を寄せた。
「学校に着く前に鏡見ておこう。必殺技出したあとはせっかく整えた髪型乱れちゃうんだよねえ……」
錦子はカバンの中からポーチをおもむろに取り出すと、その中から定期購読しているファッション雑誌について来た付録のハート型コンパクトミラーを手にした。折りたたんだハートシェイプのミラーを開くと、鏡面にお気に入りのアイドルの名前が印刷されている仕様だ。
「……×▲!?」
そのコンパクトミラーが映したのは錦子の健康的な肌だけではなかった。
ニキビ一つない女子高生の顔面、よりも前提に、地球上に降り注ぐ日光。その集約された光が片桐錦子の手のひらの小さなミラーから反射し、ちょうど頭上にホバリングしていた機体に命中した。その中にいる艦隊メンバーにも影響は及び、超精度高温ビームのチャージが一時的に停止したのだった。
「▲○……!? ◎××+※▽!!」
異常事態を察知した退避済みエージェントは、何も無い空中から銃型の装置を取り出した。
その機能は、銃口から発された電波を浴びると記憶を喪失するというものだ。
これは任務が異常事態に立たされた時、即ち撤退しかない状態の場合に対峙した敵対勢力に当てる、苦し紛れの最終手段だった。とはいえ、これがあるのとないのとでは訳が違う。次の作戦に結び付くかどうかがこの処置によって決まるのだ。
「あ、靴紐がほどけてる。結ばないと、走ったら転んじゃうからね……これでよし、と!」
だがエージェントの算段ははずれた。
片桐記理子が屈んだその空間を電波が通り過ぎ、電線に止まっているカラスに当たったのだ。それからカラスは意識を失い、民家の生垣に身動きも無く落下した。
「うわ!? ……え、なになに!? 何か落ちてきた……あ、カラスだ。こわ」
「●◎××××……! △▼×◎◎※!!」
銀色のスーツを着たエージェント達は駆け足でその場を後にした。
何度も、何度も言うが、ステルス機能は伊達じゃない。
最後まで片桐錦子は地球外生命体の姿を視認することは無かった。今も目の前で這う這うの体に逃げおおせる銀色スーツの頭でっかちエージェントを見逃している。錦子はカラスの行方が気になるようだ。
ステルスを有効にした円盤型の飛行物体は乗組員が揃うと、他人には見えないがその姿を一直線に空の彼方へ飛ばした。
そして、母星にメッセージを送信した。
この惑星は危険だ――と。
目を覚ましたカラスが音を立てて何事もなかったかのように飛び去る。
八時二十分。
すべては平常運転である。
「カラス生きてたかー。……あ。フッ私の力は必要無い、か……世界は今日も平和だな」
片桐錦子はそう言って頭上で輝く太陽を見つめた。
セーラー服を身にまとい、ぱっと見は単なる女子高生だがその正体は――地球を悪の組織から守る秘密結社の組織員、コードネームKIRIKOである!
と、錦子は頭の中で今日もモノローグを表示させる。
片桐錦子は昭和時代からそこに建ち続ける戸建ての民家から高校へ登校する。
食パンを咥えるようなベタな女子高生ではない。この家では朝も夜も弁当も一切が和食である。錦子はそれに不満を感じたことはないが、時折この家に生まれなかった私を想像する。
錦子は古めの門を出ると、さっそく隠密行動に移った。
「……アジト周辺に異常は無いわ。ええ、決行よ」
錦子改めKIRIKOは、ピアスすら着けていないまっさらで薄い耳元に手のひらを当てる。まるで内線が誰かと繋がっているかのようだ。
「目標地点まで五〇〇メートル。保護対象を承認。変わった様子は特に無いわ……あら?」
KIRIKOは学校鞄を乱暴に担ぎ直す。
高校指定の鞄は手に提げることも出来るが、肩掛けの紐もついているので、両手を空けることが出来る。その方が身軽に動ける。腰のあたりで重みが跳ねるのが玉に瑕だが、KIRIKOは空いた両手をちょうどショットガンを握りしめるような形で顔の横へ構えた。
「おかしいわ……何かが起こっている!?」
その身は電柱の陰に隠し、前方を覗き見る。その先には……何かがあるわけではない。
「聞こえる? Mr.GROW? おいでなすったわ、やっこさんよ」
現在時刻八時頃。
片桐錦子の自宅は通学する高校からは徒歩圏内である。
通う高校は特徴のない中くらいの偏差値をうろつく公立高校だ。よって地元の子供たちが多く通う。
だが、今日の通学路の様子はおかしい。
様子がおかしいのは片桐錦子も含めてもいいが、彼女はいたって平常運転だ。この儀式は毎日行われている。むしろ、いつも通りだ。
おかしいのは片桐錦子の自宅から大通りに出るまでの道である。住宅街を出るまでにはこの道を介さなければならないのだが、近くに、マンションもあり、平日の早朝は通学の生徒と通勤の会社員とででまあまあ人手があるはずだ。そのはずだが、今朝は錦子以外は誰も歩いていなかった。
そしてKIRIKOは誰もいない眼前に囁いた。
「そこにいるのはわかってるのよ……私を欺けると思ったの!?」
ズガアアンッ! ズガアアンッ!
錦子の脳内に銃声が響いた。
もちろん住宅街は朝の静けさを保ったままだ。
「フン、私も舐められたものね……この程度の人数で何とかなる私じゃあないわ」
その時、他人には視認できないステルス機能を有したスーツを身にまとった存在がこの町に飛来していた。
……突然の話で悪いが、今日はたまたまそういう日だったのだ。
その存在は、簡単に言うなれば宇宙外生命体とでも名すべきか。銀色の機能付きスーツを着た妙に頭の大きさの発達した人型の生物だった。
「あなた、敵対勢力ね? フウン……交渉の余地は無いようね」
「◎○▼×※●……!」
銀色のスーツの地球外生命体は、錦子をみとめると後ずさった。目が合い、睨まれたからだ。
「×△▼×◎!!」
何者だ!? とその生物は叫んだようである。
「ならば仕方ないわ。実力行使するまで! Mr.GROW、アレを使うわよ! サポートお願い!」
KIRIKOの耳には洋画吹き替えで有名な男性声優の音声で『ラジャー!』と聞こえた。
「……!?」
ステルス機能は有効である。故障はない。
だがしかし、地球生命のこの少女には見破られているようだ。
「※▲●※×+」
どうなっているんだ!? と地球外生命体の一人……否、一匹は宇宙船内部のサポート部に連絡を取る。返答は『想定外です』であった。
「ひさしぶりに腕が鳴るわ! みてらっしゃい、必殺ぅぅぅぅぅーーーーー……」
地球外生命体と一口に言っても、地球にわざわざ訪れるのにはそれぞれの理由がある。
地球の構成物質を測りに来る者。
地球生命を観測に来る者。
文明を視察に来る者。
そして征服者――
この銀色のスーツを着た宇宙外生命体は最後の項目に当たる者達だった。
ステルス機能は伊達ではない。
地球を統べる王、もしくは総統を暗殺するための特別に誂えた、特別な任務を任された物だけが身にまとう、いわゆる特務用着衣。誰からも感知されることなく、崩壊を地球上に用意できる。その際は暗殺と気取られないように、特別な薬物を使用する。その準備はサポート部隊が担い、彼らは同じ物質から作られたステルス飛行物体に待機している。連携をとって各々の任務に就いているのだ。
地球には年々、訪れる生命体の種類が増加傾向にある。
先述した者のほかにも、そもそも知能を持たぬ者も漂着する。(それはまあ、ほかの目的あって投擲された飛来物であったりするのだが)
今日KIRIKOが対峙したのは、知能を持ち、地球より優れた文明を誇り、別の個体でありながらコミュニケーションをとって高度な目的がチームプレーで達成できる――人間より有能な生命体であった。
それは勿論調査済みだ。
調査済みでありながら、銀色スーツの使命を持ち任務を遂行するエージェントは狼狽えた。
「ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーートルネードブラックバッグ!!!!!!!! ……ん?」
その結果、片桐錦子の振り回す学校鞄が直撃した。
何度も言うが、ステルス機能は伊達ではない。錦子には視認できていないはずなのにだ。
「あれ? 何か鈍い感触があったような……? お隣さんの塀に当たったわけでもないし……むむ?」
トルネードブラックバッグーーKIRIKOの必殺技の一である。
肩にかけた黒い学校鞄を、錦子が回転することによって遠心力で敵にぶつける、というものである。意外と重たい学校鞄は、まめな錦子が置き勉もせずに毎日辞書を持ち歩いているためだ。それによって錦子の肩や腰も痛める可能性がある諸刃の剣でもある。
「うーん? まあいっか♪ あ、ヤバ。朝礼八時半だから、急がないと!」
その時、KIRIKOを危険な生物だと認知した待機中の飛行物体が動いた。
「※●◎、▲▽×◎○!」
KIRIKOのトルネードブラックバッグによって吹き飛ばされ負傷した、ステルス銀色スーツのエージェントに退避が命令された。
地球外飛行物体は瞬時に大気圏外からKIRIKOの頭上高さ七〇〇メートルまでに移動、そして照準を定める。
これは危険度特一の対応……!
訓練でも滅多に行動に移されない、あの何物をも焼き尽くす超精度高温ビームが照射される合図が出たのだ。エージェントはその大きな頭を庇い、ガードレールわきの低植樹に逃げ込むように身を寄せた。
「学校に着く前に鏡見ておこう。必殺技出したあとはせっかく整えた髪型乱れちゃうんだよねえ……」
錦子はカバンの中からポーチをおもむろに取り出すと、その中から定期購読しているファッション雑誌について来た付録のハート型コンパクトミラーを手にした。折りたたんだハートシェイプのミラーを開くと、鏡面にお気に入りのアイドルの名前が印刷されている仕様だ。
「……×▲!?」
そのコンパクトミラーが映したのは錦子の健康的な肌だけではなかった。
ニキビ一つない女子高生の顔面、よりも前提に、地球上に降り注ぐ日光。その集約された光が片桐錦子の手のひらの小さなミラーから反射し、ちょうど頭上にホバリングしていた機体に命中した。その中にいる艦隊メンバーにも影響は及び、超精度高温ビームのチャージが一時的に停止したのだった。
「▲○……!? ◎××+※▽!!」
異常事態を察知した退避済みエージェントは、何も無い空中から銃型の装置を取り出した。
その機能は、銃口から発された電波を浴びると記憶を喪失するというものだ。
これは任務が異常事態に立たされた時、即ち撤退しかない状態の場合に対峙した敵対勢力に当てる、苦し紛れの最終手段だった。とはいえ、これがあるのとないのとでは訳が違う。次の作戦に結び付くかどうかがこの処置によって決まるのだ。
「あ、靴紐がほどけてる。結ばないと、走ったら転んじゃうからね……これでよし、と!」
だがエージェントの算段ははずれた。
片桐記理子が屈んだその空間を電波が通り過ぎ、電線に止まっているカラスに当たったのだ。それからカラスは意識を失い、民家の生垣に身動きも無く落下した。
「うわ!? ……え、なになに!? 何か落ちてきた……あ、カラスだ。こわ」
「●◎××××……! △▼×◎◎※!!」
銀色のスーツを着たエージェント達は駆け足でその場を後にした。
何度も、何度も言うが、ステルス機能は伊達じゃない。
最後まで片桐錦子は地球外生命体の姿を視認することは無かった。今も目の前で這う這うの体に逃げおおせる銀色スーツの頭でっかちエージェントを見逃している。錦子はカラスの行方が気になるようだ。
ステルスを有効にした円盤型の飛行物体は乗組員が揃うと、他人には見えないがその姿を一直線に空の彼方へ飛ばした。
そして、母星にメッセージを送信した。
この惑星は危険だ――と。
目を覚ましたカラスが音を立てて何事もなかったかのように飛び去る。
八時二十分。
すべては平常運転である。
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