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五章 心と口と行いのなかに
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着慣れない、体にぴったりとひっつくようなスーツに、ビーシュは、動くたびに縫い目が破れてしまうのではないかと不安にかられていた。
椅子から立ち上がり、思わず自分の尻を振り返っていると、サティがぱっと顔を赤らめて視線を逸らした。
「あの、痛むなら秘伝の薬がありますが?」
「……えっ? い、いや、ちがうよ。お尻、破れていたら申し訳ないなと思って」
よほど、エヴァンに激しく抱かれていたんだろうか。
殆ど気絶していたし、エヴァンよりももっと乱暴に抱く男もいた。血が流れていないだけで、ずっとましだ。
体の重さは、致し方ない。誰と寝ようと、翌日は辛いものだから。
数日で回復できるほど、若くもない。
サティとレスティに両側を固められ、エヴァンに案内されてやってきたのは、ビーシュがよく足を運ぶ歓楽街だ。
とはいえ、娼館や逢い引き宿が並ぶ区画ではなく、もっと退廃的で、浮かれた雰囲気よりはぴりぴりとした重苦しい空気に満ちていた。
一般人が訪れるような場所ではないのは、足を一歩踏み入れただけでよくわかる。
サティとレスティの役目は、ビーシュの逃亡防止ではなく、エヴァンとそのついでのビーシュの護衛だ。
スーツの裾に、ナイフらしきものがちらついているのが見えた。
さすがに、争いごとには無縁のビーシュでも、駆けだして逃げるのは得策ではないとわかる。見る限り物騒なこの場所で、一人になれば命はない。誰も、助けてくれないだろう。
「あの、どこに行くんですか?」
殺風景で入り組んでいる街並みは、方向感覚を狂わせる。すでにどこをどう歩いてきたのか、ビーシュにはわからなくなっていた。
どんなに不安でも、エヴァンの後ろをついて歩くしかない。
「そう、おびえなくてもいい。もうすぐ、到着するよ。この先に、裏競売場があってね。月に二度、道楽者たちが集まって、高額な取引が行われるんだよ。そこで、個人的に商談をする約束をしていてね」
「エーギル・バロウズ。おじいちゃんの……メルビスの宝飾品、ですか」
エヴァンは少しも笑わずに、歩調だけを早めた。
「偽物を、この私に売りつけてきたようだがね」
不穏な雰囲気だ。ビーシュはサティとレスティを交互に見やる。サティは視線を合わせず前だけを向いていて、レスティは場違いな笑みを返してくる。
「抗議をするのですか?」
「まさか。俺にも、メンツというものがある。偽物と見抜けなかった以上、とやかく言うつもりはない。……が、二度目はない」
振り返るエヴァンの鋭い視線に、ビーシュはつんのめった。
「気をつけて、先生。怪我なんかされたら、とても面倒だ」
「ありがとう、レスティくん」
すかさず伸びてきたレスティが支えてくれていなかったら、派手に転んでいたかもしれない。ほっと息をついて、再び歩き出す。
「エーギルが出してきた宝飾品が、本当にメルビスのものであるのか。ビーシュ、ぜひ俺に協力してほしい」
否とは言えない、強い視線だった。
はっきりと答えられないでいると、乱暴に腕を掴まれ、強引に引き寄せられた。
「ビーシュ、君の目が俺には必要なんだ。ついてきてくれるだろう?」
腕の中にしっかりと抱え込まれ、半ば引きずられるようにして進んでゆく。嫌と言えても振り払えない非力さが、とても悲しい。
「先生、どうせ逃げられないんだ。観念したほうが楽になるって、知らないわけでもないんだろう?」
レスティの言葉に、ビーシュは唇を噛みしめた。切れた薄い皮膚から、じんわりと血が滲む。
わざわざ言われなくとも、知っている。
諦めるだけで、随分と楽になれる。だからこそ、今までふらふらと生きてゆけたようなものだ。
レオンハルトと出会って知った甘い思いも、忘れようとすれば過去のものにできる。なんともないそぶりを繕うのだけは、ひとよりも上手くなってしまった。
素直にエヴァンの機嫌を伺えば、ご褒美として甘い時間が与えられるだろう。数日前ならば、それでも良かった。見ず知らずの男を買うよりも、ずっと寂しくはなかった。
でも、今は違う。
「協力はします、けど……エヴァン様とはいっしょにいけません。あなたのものにはなれない」
「そんなに、オスカーの三男坊……レオンハルト君が恋しいのかね? まるで、初めて恋を知った子供のように頑なだ」
肩を撫でるエヴァンの手が、性感を引き出すように怪しく蠢く。
嫌と言うほど体に染みついた快楽の火は、ビーシュの意思をたやすく裏切った。
ぞくぞくと、肌のめくれるような快楽の切れ端に、心はたしかな嫌悪感を覚えているが、拒否できない現実がある。
「無垢な心は、色にすぐ染まる。初心な君を俺の物にするのは、とても楽しいだろうね。煩わしい商人を片付けたら、じっくりとビーシュを味合わせておくれ」
耳を甘噛みされ、びくびくと体を震わせながら掠れた嬌声をあげる。「ほら、みろ」とあざけるように吹き込まれるエヴァンの吐息に、ビーシュはスーツの裾をぎゅっと握りしめた。
エヴァンがビーシュのためにと選んだスーツは、拘束具のように体を縛り、苦しさに息が詰まるようだった。
(れおくん……れおくん)
零れそうになる涙をこらえ、ビーシュはポケットの中に隠したサファイアの義眼を握りしめた。ひんやりと冷たい石は、じりじりと火照る熱を散らしてくれる。
しっかりしてと、そう言われているような気になる。すぐ側に、レオンハルトの視線があるように感じた。
(おいしい珈琲を一緒に飲むんだって、約束したから)
もう、訳もなく凍える日々には戻りたくない。エヴァンに縋る理由などない。
ビーシュはぎゅっと瞼を閉じて、噛んでいた唇から力を抜いた。
引きずられるのではなく、自分の足で進む。
諦めたくない。そう、思うだけで、不安な心が落ち着いてゆくように思えた。不思議だ、今までとすべてが少しだけ違う。
きっと、エヴァンには、諦めて流されているように見えているのだろう。
ちらっと見上げた横顔は、傲慢な笑みが浮かんでいた。
(きっと、どうにかなる)
眼前に、ひときわ大きな建物が現れた。
競売場とエヴァンは言ったが、何も知らなければ閉館してから随分経つ美術館のような、劇場のような外見をしていた。
「エヴァン・ロナードだ」
見張りらしき男が、エヴァンの姿を見て軽く頭を下げた。側にいるビーシュには、まったく視線をくれない。
「念のため、身体検査をさせてもらいます」
「構わないよ、ルールには従おう。ああ、この子は丸腰だ。ロナードの名にかけて誓う。検査はいらないよ」
見張りは頷き、ビーシュに触れぬまま離れ、後ろに控えるサティとレスティへと手を伸ばした。
相手が女性だろうと構わずに体をまさぐり、見張りは「どうぞ、中へ」と一行を促す。
物々しい顔つきのわりには、おざなりのようにも思える検査だった。
それとも、武器を持っているように思えたのは、ビーシュの見間違えだったのだろうか。
素知らぬ顔で裏競売場へと入ってゆくエヴァンに、見張りたちも何も言わない。サティもレスティも当然のようにドアをくぐった。
「お待ちしておりました、ロナード様」
「久しぶりだ、バロウズ君」
声を掛けてきた男はつきだした鼻の先が、膝につきそうなほどに深々と頭を垂れた。
エーギルは、商人と呼ぶにはだいぶきつい表情をしている。ビーシュが取引している宝石商とは、全く正反対の印象を受ける男だ。
「随分と、羽振りがいいようだな」
贋作の話題は少しも出さないエヴァンに、エーギルは「ええ、もう」と手をもんだ。
「ひとえに、ロナード様のおかげであります。メルビスの宝飾品を求める声が、後を絶ちません」
「今日の競売には、メルビスも出品されるのかね?」
「いいえ、まさか。エヴァン様を差し置いて出品などあり得ません。別室にて、用意してありますとも」
壁を隔てて、競りの声が響いてくる。古めかしい建物の中には、随分と人がいるようだった。
通路にも競売の参加者らしきひとびとが、様々な表情でうろついている。
質素にも見えるが上質な生地の衣服を着た貴族らしき男と、化粧をした女性。
たくさんの部下を従え、怒り肩で歩いて行く男は商人だろうか。
ビーシュの見たことのない世界が、広がっている。
「あちこちに興味を持ってはいけないよ、ビーシュ」
肩を抱いていた腕が、落ち着きのない猫の顎をあやすように頬を撫でてきた。
「ここは、裏競売場。ありとあらゆるものが、金によって取引されている。宝石であり、歴史的な遺産であったり、人であったり」
ぐっと顔を持ち上げられ、ビーシュはエヴァンにすがりつく形になる。
自分のほかには視線をゆかすまいと、痛いほどエヴァンの指が頬にくいこんでくる。
「ときには、盗品すらも舞台に並ぶ」
前髪をかき分け、おちてくる唇。音を立てて肌を吸われ、ビーシュは恥ずかしさにぎゅっと目を閉じた。
「さて、バロウズくん。早速だが、品をみせてもらえないかね?」
「ええ、どうぞこちらに」
ちらちらと投げかけられる好色的なエーギルの視線に、ビーシュは体をこわばらせた。
体の線がよくわかるスーツが心許なくて、唯一、味方になってくれそうなサティを振り返るが「お急ぎください」と一蹴されてしまった。
椅子から立ち上がり、思わず自分の尻を振り返っていると、サティがぱっと顔を赤らめて視線を逸らした。
「あの、痛むなら秘伝の薬がありますが?」
「……えっ? い、いや、ちがうよ。お尻、破れていたら申し訳ないなと思って」
よほど、エヴァンに激しく抱かれていたんだろうか。
殆ど気絶していたし、エヴァンよりももっと乱暴に抱く男もいた。血が流れていないだけで、ずっとましだ。
体の重さは、致し方ない。誰と寝ようと、翌日は辛いものだから。
数日で回復できるほど、若くもない。
サティとレスティに両側を固められ、エヴァンに案内されてやってきたのは、ビーシュがよく足を運ぶ歓楽街だ。
とはいえ、娼館や逢い引き宿が並ぶ区画ではなく、もっと退廃的で、浮かれた雰囲気よりはぴりぴりとした重苦しい空気に満ちていた。
一般人が訪れるような場所ではないのは、足を一歩踏み入れただけでよくわかる。
サティとレスティの役目は、ビーシュの逃亡防止ではなく、エヴァンとそのついでのビーシュの護衛だ。
スーツの裾に、ナイフらしきものがちらついているのが見えた。
さすがに、争いごとには無縁のビーシュでも、駆けだして逃げるのは得策ではないとわかる。見る限り物騒なこの場所で、一人になれば命はない。誰も、助けてくれないだろう。
「あの、どこに行くんですか?」
殺風景で入り組んでいる街並みは、方向感覚を狂わせる。すでにどこをどう歩いてきたのか、ビーシュにはわからなくなっていた。
どんなに不安でも、エヴァンの後ろをついて歩くしかない。
「そう、おびえなくてもいい。もうすぐ、到着するよ。この先に、裏競売場があってね。月に二度、道楽者たちが集まって、高額な取引が行われるんだよ。そこで、個人的に商談をする約束をしていてね」
「エーギル・バロウズ。おじいちゃんの……メルビスの宝飾品、ですか」
エヴァンは少しも笑わずに、歩調だけを早めた。
「偽物を、この私に売りつけてきたようだがね」
不穏な雰囲気だ。ビーシュはサティとレスティを交互に見やる。サティは視線を合わせず前だけを向いていて、レスティは場違いな笑みを返してくる。
「抗議をするのですか?」
「まさか。俺にも、メンツというものがある。偽物と見抜けなかった以上、とやかく言うつもりはない。……が、二度目はない」
振り返るエヴァンの鋭い視線に、ビーシュはつんのめった。
「気をつけて、先生。怪我なんかされたら、とても面倒だ」
「ありがとう、レスティくん」
すかさず伸びてきたレスティが支えてくれていなかったら、派手に転んでいたかもしれない。ほっと息をついて、再び歩き出す。
「エーギルが出してきた宝飾品が、本当にメルビスのものであるのか。ビーシュ、ぜひ俺に協力してほしい」
否とは言えない、強い視線だった。
はっきりと答えられないでいると、乱暴に腕を掴まれ、強引に引き寄せられた。
「ビーシュ、君の目が俺には必要なんだ。ついてきてくれるだろう?」
腕の中にしっかりと抱え込まれ、半ば引きずられるようにして進んでゆく。嫌と言えても振り払えない非力さが、とても悲しい。
「先生、どうせ逃げられないんだ。観念したほうが楽になるって、知らないわけでもないんだろう?」
レスティの言葉に、ビーシュは唇を噛みしめた。切れた薄い皮膚から、じんわりと血が滲む。
わざわざ言われなくとも、知っている。
諦めるだけで、随分と楽になれる。だからこそ、今までふらふらと生きてゆけたようなものだ。
レオンハルトと出会って知った甘い思いも、忘れようとすれば過去のものにできる。なんともないそぶりを繕うのだけは、ひとよりも上手くなってしまった。
素直にエヴァンの機嫌を伺えば、ご褒美として甘い時間が与えられるだろう。数日前ならば、それでも良かった。見ず知らずの男を買うよりも、ずっと寂しくはなかった。
でも、今は違う。
「協力はします、けど……エヴァン様とはいっしょにいけません。あなたのものにはなれない」
「そんなに、オスカーの三男坊……レオンハルト君が恋しいのかね? まるで、初めて恋を知った子供のように頑なだ」
肩を撫でるエヴァンの手が、性感を引き出すように怪しく蠢く。
嫌と言うほど体に染みついた快楽の火は、ビーシュの意思をたやすく裏切った。
ぞくぞくと、肌のめくれるような快楽の切れ端に、心はたしかな嫌悪感を覚えているが、拒否できない現実がある。
「無垢な心は、色にすぐ染まる。初心な君を俺の物にするのは、とても楽しいだろうね。煩わしい商人を片付けたら、じっくりとビーシュを味合わせておくれ」
耳を甘噛みされ、びくびくと体を震わせながら掠れた嬌声をあげる。「ほら、みろ」とあざけるように吹き込まれるエヴァンの吐息に、ビーシュはスーツの裾をぎゅっと握りしめた。
エヴァンがビーシュのためにと選んだスーツは、拘束具のように体を縛り、苦しさに息が詰まるようだった。
(れおくん……れおくん)
零れそうになる涙をこらえ、ビーシュはポケットの中に隠したサファイアの義眼を握りしめた。ひんやりと冷たい石は、じりじりと火照る熱を散らしてくれる。
しっかりしてと、そう言われているような気になる。すぐ側に、レオンハルトの視線があるように感じた。
(おいしい珈琲を一緒に飲むんだって、約束したから)
もう、訳もなく凍える日々には戻りたくない。エヴァンに縋る理由などない。
ビーシュはぎゅっと瞼を閉じて、噛んでいた唇から力を抜いた。
引きずられるのではなく、自分の足で進む。
諦めたくない。そう、思うだけで、不安な心が落ち着いてゆくように思えた。不思議だ、今までとすべてが少しだけ違う。
きっと、エヴァンには、諦めて流されているように見えているのだろう。
ちらっと見上げた横顔は、傲慢な笑みが浮かんでいた。
(きっと、どうにかなる)
眼前に、ひときわ大きな建物が現れた。
競売場とエヴァンは言ったが、何も知らなければ閉館してから随分経つ美術館のような、劇場のような外見をしていた。
「エヴァン・ロナードだ」
見張りらしき男が、エヴァンの姿を見て軽く頭を下げた。側にいるビーシュには、まったく視線をくれない。
「念のため、身体検査をさせてもらいます」
「構わないよ、ルールには従おう。ああ、この子は丸腰だ。ロナードの名にかけて誓う。検査はいらないよ」
見張りは頷き、ビーシュに触れぬまま離れ、後ろに控えるサティとレスティへと手を伸ばした。
相手が女性だろうと構わずに体をまさぐり、見張りは「どうぞ、中へ」と一行を促す。
物々しい顔つきのわりには、おざなりのようにも思える検査だった。
それとも、武器を持っているように思えたのは、ビーシュの見間違えだったのだろうか。
素知らぬ顔で裏競売場へと入ってゆくエヴァンに、見張りたちも何も言わない。サティもレスティも当然のようにドアをくぐった。
「お待ちしておりました、ロナード様」
「久しぶりだ、バロウズ君」
声を掛けてきた男はつきだした鼻の先が、膝につきそうなほどに深々と頭を垂れた。
エーギルは、商人と呼ぶにはだいぶきつい表情をしている。ビーシュが取引している宝石商とは、全く正反対の印象を受ける男だ。
「随分と、羽振りがいいようだな」
贋作の話題は少しも出さないエヴァンに、エーギルは「ええ、もう」と手をもんだ。
「ひとえに、ロナード様のおかげであります。メルビスの宝飾品を求める声が、後を絶ちません」
「今日の競売には、メルビスも出品されるのかね?」
「いいえ、まさか。エヴァン様を差し置いて出品などあり得ません。別室にて、用意してありますとも」
壁を隔てて、競りの声が響いてくる。古めかしい建物の中には、随分と人がいるようだった。
通路にも競売の参加者らしきひとびとが、様々な表情でうろついている。
質素にも見えるが上質な生地の衣服を着た貴族らしき男と、化粧をした女性。
たくさんの部下を従え、怒り肩で歩いて行く男は商人だろうか。
ビーシュの見たことのない世界が、広がっている。
「あちこちに興味を持ってはいけないよ、ビーシュ」
肩を抱いていた腕が、落ち着きのない猫の顎をあやすように頬を撫でてきた。
「ここは、裏競売場。ありとあらゆるものが、金によって取引されている。宝石であり、歴史的な遺産であったり、人であったり」
ぐっと顔を持ち上げられ、ビーシュはエヴァンにすがりつく形になる。
自分のほかには視線をゆかすまいと、痛いほどエヴァンの指が頬にくいこんでくる。
「ときには、盗品すらも舞台に並ぶ」
前髪をかき分け、おちてくる唇。音を立てて肌を吸われ、ビーシュは恥ずかしさにぎゅっと目を閉じた。
「さて、バロウズくん。早速だが、品をみせてもらえないかね?」
「ええ、どうぞこちらに」
ちらちらと投げかけられる好色的なエーギルの視線に、ビーシュは体をこわばらせた。
体の線がよくわかるスーツが心許なくて、唯一、味方になってくれそうなサティを振り返るが「お急ぎください」と一蹴されてしまった。
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