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2話 濡れ衣を着せられたから論破する
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ロレッタ視点
「凄い、凄い! 学校だ!」
私は目を見開いて学校を見上げた。まるでお城みたい! これぞ異世界って感じよね!
「行ってらっしゃいませお嬢様」
メイドさんは私に深くお辞儀をするとお屋敷の方に帰って行ってしまった。あれ? そういえば自分のクラスはどこかな?
他の生徒たちは迷わずに校舎に入って行く。どうしたものかと考えていると、1人の生徒が話しかけてきた。
「おはようございます、ロレッタ」
鈴が鳴った様な可愛い声の女の子が笑顔で声をかけてくれた。歩くたびに揺れるウエーブのかかった茶髪がよく似合っている。もしかして友達なのかな?
「馬車に轢かれたと聞いた時は本当に心配しましたよ。もう大丈夫なのですか?」
「えっ、あぁ~ うん、平気平気」
前世ではトラックに轢かれて、こっちでは馬車に轢かれたのか……何してるんだろうなぁ……
「あの……本当にロレッタなの? 口調がいつもよりも強い気がするのですが……」
「えっ、そっ、そうかしら? オホホホ気のせいですわよ」
普段の喧嘩口調が癖になっているせいで上手く話せない……元々のロレッタという子はどんな性格だったのかな?
「じゃあ私の名前は何でしたか?」
「えっと……シャーロット?」
「違います、カトリーヌです! ではこの国の名前は?」
「えっ……っと、パリ?」
「何処ですかその国は? ここはペルシス王国です! やっぱり事故のせいで記憶に問題が……」
カトリーヌは心配そうに目を潤ませて私の顔を覗き込む。流石にこれ以上嘘は通せないかな……
「うん、実は記憶があやふやなの。だから学校の事とかも教えてくるかな?」
「そうだったのですね……安心して下さい。ロレッタの記憶が戻るまで私がお手伝いしますね!」
カトリーヌはニコッと微笑むと二つ返事で承諾してくれた。いい子だな~ それに可愛いし最高の友達だなぁ~
私たちは一度教室に向かうと荷物を置いて学校探索をする事にした。
「では、案内しますね。」
「うん、お願いするね」
教室を出ようすると、赤髪の気の強そうな女子生徒が私の席に近づいて何かを入れた。私の頭の中で警告音が鳴り響く。怪しいな……
「早くしないと時間になっちゃいますよ~」
「ごめんごめん、今行く!」
とりあえず学校全体を見て周り、全体像は掴めた。そして教室に戻ってくると、敵意に満ちた目で出迎えられた。えっと……何かしましたか?
「戻ってきたわね泥棒! 人の物を盗むとか最低ね!」
私の席でコソコソしていた赤髪の女が突然喚きながらやって来た。この人はいったい何を言ってるの?
目線だけでカトリーヌに「誰なの?」っと尋ねると、クラスのリーダー的存在のバーバラだと教えてくれた。なるほど、いわゆるクラスカーストのトップって事ね。この世界にそんな単語があるかは知らないけど……
「とぼけても無駄よ! あんたの席からリリーの大切な魔法ステッキが出てきたのよ!」
リリーらしき女の子は顔を両手で覆って泣いている。
「ほら、言ってやりなさい!」
リリーは目を真っ赤にして私たちを見た。
「まだ中身も見ていないんだよ! どんな杖か楽しみにしていたのに……どうして盗んだの!」
いかにも私が犯人の様な言い方にイラッとする。なんだこのぶりっ子女は?
「ロレッタは私と一緒に学校探索をしていたのよ。盗み用がないでしょ?」
子供の様に泣き喚くリリーとは対照的に、カトリーヌは落ち着いた態度で証言をしてくれた。でも隣で見ていたバーバラが妨害してくる。
「カトリーヌは黙ってなさい! 貴方には関係ないでしょ!」
バーバラは私を睨むと馬鹿にした口調で話を続けた。
「本当に酷いことをするわね。まぁ、でも仕方ないわよね。貴方みたいな貧乏令嬢なら希少な100年樹の杖があったら盗むわよね~」
バーバラは品のない笑みを浮かべて高笑いする。流石にこれにはカトリーヌも目を釣り上げて怒りを露わにした。
「ロレッタはそんな事をする子じゃないです!」
「じゃあ誰が盗んだのよ? 真犯人を教えなさいよ!」
「それは……」
カトリーヌは唇を噛み締めると悔しそうに俯く。肩は震え、拳が白く変色するほど握りしめている。私はカトリーヌの肩をポンっと叩くと一歩前に出た。
「あのさ……1つ確認なんだけどさ……どうしてあんたは盗まれた魔法のステッキが100年樹のものだって知ってたの? 本人だってまだ見てないって言ってたよね?」
何気ない私の疑問に、強気な態度だったバーバラから笑みが消える。なぜ100年樹の物だと知っているのか? この質問が教室の空気をガラッと変えた。
「そっ、それはその……」
明らかにバーバラは動揺を見せる。出来れば悪目立ちはしたくなかったけど、向こうから仕掛けて来たからしょうがないよね?
「どうせあんたが盗んで私の机の中に入れたんでしょ?」
開始早々、私はそう切り出した。するとバーバラは目を釣り上げて抗議をする。
「私が犯人だって言うの⁉︎ じゃあ誰か見た? 見ていたら手を上げてよ」
クラスメイトは皆んな目を逸らして黙り続ける。その態度に私は深くため息をついた。彼らは自分の意見もまともに言えないのかな? 絶対に誰か1人くらいは見てるでしょ?
黒いものもバーバラが白といえば白となる。そんな雰囲気が漂っていた。だったら、逆に利用させてもらいましょう。
「ほら見て、誰も見ていないって言ってるわ。だから私は違うのよ!」
「じゃあどうして100年樹の杖の事を知ってたの? それはどうやって説明するつもり?」
「それは……別に私以外の子も知っていたでしょそれくらい!」
バーバラはムキになって言い返す。私は心の中でほくそ笑むと、とぼけた振りをした。
「あれ? さっき『私が犯人だって言うの⁉︎ じゃあ誰か見た? 見ていたら手を上げてよ』って皆んなに聞いたよね?」
私はバーバラの口調を真似して話を続けた。
「そしたら誰も手をあげなかったでしょ。つまり皆んな杖の事なんて知らなかったのよ」
バーバラは声を詰まらせると顔を真っ赤にして狼狽える。あまりにも滑稽なその様子には思わず吹き出してしまいそうだった。
全員の視線が真犯人のバーバラに向けられる。どうやらここまでのようだ。
「もう一度聞くよ。どうして貴方だけが本人も見ていない杖が100年樹の物だと知っていたの? どうせ私の机にしまう時に見たからでしょ?」
バーバラは今にも襲いかかってきそうな殺気を込めて私を睨みつける。怖い怖い。女のネチネチした嫌がらせは気持ち悪いな……
「あぁ!!!! うざい! しね! ロレッタ! 覚えておきなさい!」
バーバラはモブキャラの様な捨て台詞を吐くと乱暴に教室の扉を蹴飛ばして出て行った。
出来ればもう少し穏便に済ませたかったけど初日からやってしまった……恐る恐る皆んなの方を見渡すと、何故か一斉に拍手が送られた。
「よくやったロレッタ! 見ていてスッキリしたぞ!」
「どうしたのロレッタちゃん! かっこよかったよ!」
しばらくの間拍手が続いてめちゃくちゃ褒められた。あれ? もっと恐れられると思ったから意外!
「ロレッタちゃん、疑ってごめんなさい」
杖の持ち主のリリーがペコリと頭を下げて私に謝る。どうやら誤解が解けたようだ。でもこれからはもう少し落ち着いて過ごそう。今の私は女番長ではなくて、ロレッタお嬢様なのだから……
* * *
バーバラ視点
「うちのクラスのロレッタって子がむかつくのよ! 私は偉大な貴族の令嬢なのに!」
教室を抜け出したバーバラは、校庭裏にいる不良の溜まり場に向かって不満をぶちまけた。不良の男たちは重たい腰を持ち上げて伸びをすると、面倒くさそうにあくびをする。
「へいへい分かりましたよお嬢様」
「まぁ、軽く懲らしめてやりますか」
男たち肩を回して軽く体をほぐすと、鉄パイプと杖を手に取った。
「凄い、凄い! 学校だ!」
私は目を見開いて学校を見上げた。まるでお城みたい! これぞ異世界って感じよね!
「行ってらっしゃいませお嬢様」
メイドさんは私に深くお辞儀をするとお屋敷の方に帰って行ってしまった。あれ? そういえば自分のクラスはどこかな?
他の生徒たちは迷わずに校舎に入って行く。どうしたものかと考えていると、1人の生徒が話しかけてきた。
「おはようございます、ロレッタ」
鈴が鳴った様な可愛い声の女の子が笑顔で声をかけてくれた。歩くたびに揺れるウエーブのかかった茶髪がよく似合っている。もしかして友達なのかな?
「馬車に轢かれたと聞いた時は本当に心配しましたよ。もう大丈夫なのですか?」
「えっ、あぁ~ うん、平気平気」
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「あの……本当にロレッタなの? 口調がいつもよりも強い気がするのですが……」
「えっ、そっ、そうかしら? オホホホ気のせいですわよ」
普段の喧嘩口調が癖になっているせいで上手く話せない……元々のロレッタという子はどんな性格だったのかな?
「じゃあ私の名前は何でしたか?」
「えっと……シャーロット?」
「違います、カトリーヌです! ではこの国の名前は?」
「えっ……っと、パリ?」
「何処ですかその国は? ここはペルシス王国です! やっぱり事故のせいで記憶に問題が……」
カトリーヌは心配そうに目を潤ませて私の顔を覗き込む。流石にこれ以上嘘は通せないかな……
「うん、実は記憶があやふやなの。だから学校の事とかも教えてくるかな?」
「そうだったのですね……安心して下さい。ロレッタの記憶が戻るまで私がお手伝いしますね!」
カトリーヌはニコッと微笑むと二つ返事で承諾してくれた。いい子だな~ それに可愛いし最高の友達だなぁ~
私たちは一度教室に向かうと荷物を置いて学校探索をする事にした。
「では、案内しますね。」
「うん、お願いするね」
教室を出ようすると、赤髪の気の強そうな女子生徒が私の席に近づいて何かを入れた。私の頭の中で警告音が鳴り響く。怪しいな……
「早くしないと時間になっちゃいますよ~」
「ごめんごめん、今行く!」
とりあえず学校全体を見て周り、全体像は掴めた。そして教室に戻ってくると、敵意に満ちた目で出迎えられた。えっと……何かしましたか?
「戻ってきたわね泥棒! 人の物を盗むとか最低ね!」
私の席でコソコソしていた赤髪の女が突然喚きながらやって来た。この人はいったい何を言ってるの?
目線だけでカトリーヌに「誰なの?」っと尋ねると、クラスのリーダー的存在のバーバラだと教えてくれた。なるほど、いわゆるクラスカーストのトップって事ね。この世界にそんな単語があるかは知らないけど……
「とぼけても無駄よ! あんたの席からリリーの大切な魔法ステッキが出てきたのよ!」
リリーらしき女の子は顔を両手で覆って泣いている。
「ほら、言ってやりなさい!」
リリーは目を真っ赤にして私たちを見た。
「まだ中身も見ていないんだよ! どんな杖か楽しみにしていたのに……どうして盗んだの!」
いかにも私が犯人の様な言い方にイラッとする。なんだこのぶりっ子女は?
「ロレッタは私と一緒に学校探索をしていたのよ。盗み用がないでしょ?」
子供の様に泣き喚くリリーとは対照的に、カトリーヌは落ち着いた態度で証言をしてくれた。でも隣で見ていたバーバラが妨害してくる。
「カトリーヌは黙ってなさい! 貴方には関係ないでしょ!」
バーバラは私を睨むと馬鹿にした口調で話を続けた。
「本当に酷いことをするわね。まぁ、でも仕方ないわよね。貴方みたいな貧乏令嬢なら希少な100年樹の杖があったら盗むわよね~」
バーバラは品のない笑みを浮かべて高笑いする。流石にこれにはカトリーヌも目を釣り上げて怒りを露わにした。
「ロレッタはそんな事をする子じゃないです!」
「じゃあ誰が盗んだのよ? 真犯人を教えなさいよ!」
「それは……」
カトリーヌは唇を噛み締めると悔しそうに俯く。肩は震え、拳が白く変色するほど握りしめている。私はカトリーヌの肩をポンっと叩くと一歩前に出た。
「あのさ……1つ確認なんだけどさ……どうしてあんたは盗まれた魔法のステッキが100年樹のものだって知ってたの? 本人だってまだ見てないって言ってたよね?」
何気ない私の疑問に、強気な態度だったバーバラから笑みが消える。なぜ100年樹の物だと知っているのか? この質問が教室の空気をガラッと変えた。
「そっ、それはその……」
明らかにバーバラは動揺を見せる。出来れば悪目立ちはしたくなかったけど、向こうから仕掛けて来たからしょうがないよね?
「どうせあんたが盗んで私の机の中に入れたんでしょ?」
開始早々、私はそう切り出した。するとバーバラは目を釣り上げて抗議をする。
「私が犯人だって言うの⁉︎ じゃあ誰か見た? 見ていたら手を上げてよ」
クラスメイトは皆んな目を逸らして黙り続ける。その態度に私は深くため息をついた。彼らは自分の意見もまともに言えないのかな? 絶対に誰か1人くらいは見てるでしょ?
黒いものもバーバラが白といえば白となる。そんな雰囲気が漂っていた。だったら、逆に利用させてもらいましょう。
「ほら見て、誰も見ていないって言ってるわ。だから私は違うのよ!」
「じゃあどうして100年樹の杖の事を知ってたの? それはどうやって説明するつもり?」
「それは……別に私以外の子も知っていたでしょそれくらい!」
バーバラはムキになって言い返す。私は心の中でほくそ笑むと、とぼけた振りをした。
「あれ? さっき『私が犯人だって言うの⁉︎ じゃあ誰か見た? 見ていたら手を上げてよ』って皆んなに聞いたよね?」
私はバーバラの口調を真似して話を続けた。
「そしたら誰も手をあげなかったでしょ。つまり皆んな杖の事なんて知らなかったのよ」
バーバラは声を詰まらせると顔を真っ赤にして狼狽える。あまりにも滑稽なその様子には思わず吹き出してしまいそうだった。
全員の視線が真犯人のバーバラに向けられる。どうやらここまでのようだ。
「もう一度聞くよ。どうして貴方だけが本人も見ていない杖が100年樹の物だと知っていたの? どうせ私の机にしまう時に見たからでしょ?」
バーバラは今にも襲いかかってきそうな殺気を込めて私を睨みつける。怖い怖い。女のネチネチした嫌がらせは気持ち悪いな……
「あぁ!!!! うざい! しね! ロレッタ! 覚えておきなさい!」
バーバラはモブキャラの様な捨て台詞を吐くと乱暴に教室の扉を蹴飛ばして出て行った。
出来ればもう少し穏便に済ませたかったけど初日からやってしまった……恐る恐る皆んなの方を見渡すと、何故か一斉に拍手が送られた。
「よくやったロレッタ! 見ていてスッキリしたぞ!」
「どうしたのロレッタちゃん! かっこよかったよ!」
しばらくの間拍手が続いてめちゃくちゃ褒められた。あれ? もっと恐れられると思ったから意外!
「ロレッタちゃん、疑ってごめんなさい」
杖の持ち主のリリーがペコリと頭を下げて私に謝る。どうやら誤解が解けたようだ。でもこれからはもう少し落ち着いて過ごそう。今の私は女番長ではなくて、ロレッタお嬢様なのだから……
* * *
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「うちのクラスのロレッタって子がむかつくのよ! 私は偉大な貴族の令嬢なのに!」
教室を抜け出したバーバラは、校庭裏にいる不良の溜まり場に向かって不満をぶちまけた。不良の男たちは重たい腰を持ち上げて伸びをすると、面倒くさそうにあくびをする。
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