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第2章 旅立ち
魔法
しおりを挟む山道を歩く2つの人影。
片方は、黒い革鎧を来ている青年。もう片方は、黒い髪をした、美少女。
「はぁ、もう旅を初めて2ヶ月かぁ」
その青年--レイは、野宿続きの、日々に少し疲れが溜まっているように見える。
「多分そろそろ人族の大陸に入ると思いますよ。ほらっ! あの川を超えたら向こう側は人族の大陸です」
やっとつくのか
いやー、野宿ってのがここまで大変だとは……
レイの思ってることが顔に出ているのか、ペルはレイを見てうっとりしている。
レイ、嬉しそう。
あー、かっこいいです。
そんなことをペルが思っていると知らないレイは、
「ほら、ペルいくぞ」
と、おもむろにペルの手を握ると、そのまま引っ張っていく。
ペルは、レイに手を握られているのがとても嬉しいのか、この世で最も美しいと言って良いほど素晴らしい笑顔をしている。
そんなこんなで川までたどり着いた2人。
「レイ、この川はどうするのですか? 見た感じ結構深そうですけど……。いっそのこと、跳び超えますか?」
そう言うとペルは、屈伸運動のようなものを始める。
しかし、レイはペルを唐突にお姫様だっこし、
「いや、飛ぶぞ」
と、レイは魔法を発動させて飛行を始める。
レイにお姫様抱っこされている間、終始ぼうっとしていたペル。
しかし、反対側につくと突如、
「レイ! いつの間に魔法を? それにこんな難しい魔法を……」
「実はな、この前起きたら魔法使えるようになってた。だからこっそり家にある魔道書で魔法の練習してた」
と、悪びれる様子もなくあっけらかんと言い放つレイ。
それを聞いても、なお納得できていない様子のペル。
それも当たり前である。
この世界では魔法とは、才能に依存すると考えられており、実際にそれは事実である。
だから、才能がなかった人が朝起きたらいつの間にか使えるようになってた! なんていう事が起こるわけがないのである。
しかし、それが起こったレイ。
ペルにはそれが、疑問で疑問で仕方なかった。
そんなことが起き得るのでしょうか? しかし、実際に起きているのですから何とも言えませんし……
1人思考にふけっているペル。
「おい、ペル帰ってこいー! まぁ、俺が魔法を使えるようになった事はひとまずおいておいて、とりあえず、近くの街に向かうぞ」
そう言うとレイは、ペルを地面に下ろして歩き出す。
「そうですね。しかし、レイが飛行魔法を使えたならここまでその魔法で来ればよかったのでは?」
と、素直に疑問をぶつけるペル。
レイは---ゆっくりと顔を後ろに向ける。
その顔には、明らかに驚愕の色が伺えた。
どこまで行ってもドジは抜けないレイである。
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