落ちこぼれ精霊使いの英雄譚

朧月

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第2章 旅立ち

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 「私は神じゃ」

 「え? えーーーーー?」

 死んだはずのレイは気がつくと、そこには自称神を名乗る老人がいた。

 突然のことにレイは体を動かそうとした。

 「とりあえず何がなんだかわからず暴れられたら困るので、体の自由を奪わせてもらった」

 まじか……、そんなことよりこのじっさん本当に神なのか? 怪し過ぎだろ

 「本当に神じゃよ? お主には色々と話さなきゃいけないことがあるからのぉ。とりあえず落ち着いてくれたまえ」

 あれ? 俺今声に出してないよな? さらっと心を読まれた?

「そーじゃ、心を読んだのじゃ」

 うん、この人は神だわ

 「そんなことより話を始めるとしよう。もう体が動くようにしてあるからのぉ、お主も喋らんかい!」

 「おー、動く動く。俺はレイ、よろしく神様」

 レイは体が動くのを確認してから、神に対するにしてはいささか傲岸不遜な態度で自己紹介する。

 しかし老人は、全く気にした様子もなく話を続ける。

 「その態度、まさしくあの者のようだな、、、、、、、、。儂は、この星が存在する銀河系を治めている全王神というものじゃ。驚きや疑問があるとはおもうが、ひとまず儂の話を聞くのだ」

 「わかった」

 レイはゆっくりと頷く。

 「何から話したら良いかのぉ、単刀直入に言えばお主の前世は、あの勇者オスカーじゃ。」

 「え?」

 レイの思考は停止して、茫然自失にその場に立ち尽くしていた。

 「おーい、まだ思考放棄されては困る。ここからが本題なのじゃ。
 オスカーにのぉ、ゼウスとハデスを封印してもろった時にあやつに聞いたのじゃ。願いは何かと。
 そしたらあやつは「俺は記憶を持ったまま来世に行きたい。そして、1度だけ死に戻りする権利をくれ」とな」

 レイは未だにぼうっとその場に立ち尽くしている様子。

 しかし、全王神は話を続ける。

 「しかしのぉ、幼い体に膨大な記憶を埋め込むと体が内側から崩壊してしまうのじゃ。
 だから、儂は16歳になったら記憶を戻してやろうと思っておった。
 しかし、お主に記憶を戻してやる前にお主は死んでしまったので死に戻りさせるためにこの場所に呼んだのじゃ」

 かろうじて話を理解してらしいレイは、

 「なら、俺はオスカーの記憶とレイの記憶を持ってまた0歳から始められるのか?」

 その顔には、笑が浮かんでいた。

 「そうじゃ、じゃからな頑張るのじゃぞ。」

 「ありがとう、神様」

 こんどこそは、師匠を守る。

 「そういえば神様、俺って魔法の才能はないのか?」

 唐突にそんな疑問を神にぶつけるレイ。

 「何を言っておるのじゃ? お主の魔法の才能はこの世界で1番じゃよ? どれどれ少し見てみるとするかのぉ」

 そう言うと神は、おもむろにレイの頭の上に手を置いた。

 「ふむふむ、! なるほどのぉ。ならこれをこうしてっと、よし、お主の才能を元の状態にしておいたぞ。少し手違いがあっただけじゃ気にするでない」

 「そうか、ありがとう」

 神は口ではこういったものの、実際には、

 なんじゃこの何重にもかけられた呪いは? 一体誰が行ったのじゃ?

 と考えていた。

 「まぁ良い、あんまし時間がないのでな。そろそろオスカーの記憶を戻して、レイの赤ん坊の頃に戻すのじゃ」

 「わかった。頼む」

 レイは簡潔に答える。

 やべぇ、まだ緊張してるよ? 俺の前世があの勇者オスカーだなんて。今でも信じられないし、ていうか、こんなに興奮したの久しぶりだよ

 1人気持ちが荒ぶっているレイ。

 「あ、そうだいつレイとオスカーの記憶は戻るんだ? 小さい時に膨大な記憶を持っていると内側から崩壊するんだろ?」

 「ああ、それなら心配ないのじゃ。今回はお主の体を内側から強化するのでな。小さい時に膨大な記憶を持っていても崩壊する心配はないのじゃ」

 だったら、前回も強化してくれよ

 「あの時は力が衰えていてそれどころじゃなかったのじゃ」

 「ナチュラルに心を読むなーー!」

 閑話省略茶番は置いといて

 「それじゃあ行くのじゃ。達者でなレイ」
 「はい、神様」

 その言葉を最後にレイの体が白く発光した。
 輝きが消えた頃にはレイの姿はどこにもなかった。

 白い空間に一人残された神。

 「しかし、前世がオスカーって事であそこまで驚くのなら、オスカーの前世がカオス、、、って言ったら一体どうなることやら」

 白い空間に響き渡る独り言を聞くものは、誰もいない。

 
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