その冷たいまなざしで

ココ

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紗奈side 37

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何度かアルバイトに通い 受付に関しては慣れてきた頃

帰り際に 松井先生の個室に呼ばれた。

ノックをして中に入ると 松井先生がパソコンに向かっていた顔を上げ

くるりと椅子を回して入り口の方を向いた。

「悪いね。少し話があって。」

そう区切ってから

「岡崎さんは僕の遠縁だって事にしてもいい?
ちょっと特別扱いしてるとややこしいでしょう?」

そう前置きして 

「履歴書を後回しで受け取っってるのを見られてて。それとか 大和がなついてるでしょ。僕が御昼誘ったり 変な噂が立ちそうだから。」

と説明してくれた。

ぽかーん と間抜けな顔だった様で 松井先生は くっく と笑いを堪え

「思いもしなかったんだね。」と言ってから

奥様が事情があって別居であること 実家暮らしで ご両親と同居など教えてくれた。

そして  よかったら 大和くんと五十嵐さんが来るのでランチに行こう と誘ってくれた。

そのランチの席で先生から

「幼稚園の先生だったの分かる。」

と 唐突に言われ
びっくりして 顔を向けると微笑んで

「いろんな言葉頭に お をつけるよね。」

と 指摘された。
確かに言われ事があるので 凄く恥ずかしくて
幼稚園以外の社会に不適合と言われたような気がした。

急にひきつった顔の私に 先生は あっ と声をあげて

「違う 違う。うちの受付業務には合ってるよ。」
「...大丈夫ですか?」

恐る恐る聞くと

「うん 岡崎さんの雰囲気もあるけど ご年配の方も多いからね。安心して見てられる。」

 にこり と笑って頷いてくれて 
救われた気持ちにしてもらった。 

でも 普段は出来れば気をつけよう...。

あっという間に三週間が過ぎ アルバイトの本採用の確認をされ

大和くんが来るときは 何時ものごとく 昼食を先生達と一緒にとる。
今日はたまたま五十嵐さんが同席出来ず 送って来た後 また迎えに来る予定。

ランチ代を 自分の分を出すと言っても断られるし 何度目かに流石に申し訳なくて辞退しようとすると大和くんに追求されて
先生には

「遠慮してるのならやめて欲しいな。でも用事が有るのなら気を使わないで。」

遠縁なんだし と笑って付け加えて言われた。

用事って逃げ場を作って断らせてくれる所がスマートだなあ と自分との差を感じ でも私の演技力で今さら取って付けたように用事だって言っても白々しくて。


ああ もう遠縁のふりで って開き直ってお礼を言うことにした。
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