その冷たいまなざしで

ココ

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優人side 19

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切なそうに話すそのさまは 安部さんが女だった事を初めて証明してくれているようだった。

安部さんの場合 簡潔に言うと 色んな事が絡み合った嫁姑小姑問題...。

「元々違う環境で暮らして来たんだから違って当たり前なんだよ。それを全てこーしろあーしろって...悪気は無いんだけど。疲れちまってさ。私も反省してるけどな。」

合わせろって言われたら...安部さんの性格じゃあ難しいだろうな。
うちは 元々実家にはほとんどよりつかないから 結婚してもたいして負担は無いだろう。

「だから速水 年下だからといって囲い込むなよ。本人の望む形の自由をちゃんと残してやれ。」

水割りを右手で カラン と鳴らしながらそう締め括った。

俺は確かに紗奈の事になると様々な事が見え無くなる。何となく曖昧だが貴重な意見として気に止めようと思った。


予定以上に出来るだけ詰め込んで 仕事を終えた最終日 安部さんも俺も疲れきってそれぞれのホテルの部屋へ別れた。

少し休んでからごそごそと荷物をまとめる。
今すぐにでも帰路につきたいが 上司がいるので勝手もできず。

紗奈への電話を終えてベッドで寝転ぶ。



 ー 会えない時間が愛育てるのさ

誰かの歌でそんなのがあったな。
安部さんが俺の顔を見ながら夕食の時わざとらしく口ずさんでいた。

会えない時間 も だな。
会えなくても会えてても 紗奈への愛は育つ。


自分でも呆れるぐらい 甘々な思考で紗奈に会えるのを待ち焦がれていた。


ー なのに

翌日羽田空港に着いて会社に連絡を入れた。
その途端 入荷のトラブルで大事になってると言う。

紗奈に会えない事に頭を抱えながら 取り敢えず会社に向かう。
安部さんに帰ってもらおうとしたが

「お前がどれだけ自信家なのか知らんが 同時に動いた方が効率的だ。」

と 憎たらしい事を言って参加してくれた。
本当の事を言うと 安部さんがいてくれる方が助かるに決まってる。
上への交渉もスムーズに行くし。

紗奈にはメッセージを送り待っててほしいと伝えた。
それだけで仕事への情熱がより一層高まる。

会社につくと 営業部はてんやわんやでごった返していて。
それを見ると 基本的に気力がみなぎって迎え撃ちたくなる。

やる気が湧いてきた俺は 電話中の川辺に目配せして 直ぐ様その輪に加わった。
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