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しおりを挟む高校入ったら大人しくしとこう。
最初は思ってた。
中学ん時悪かったからそう言うのも飽きてたし。
俺は別に家庭環境に問題があるとか、そんなんで悪くなったワケじゃねえ。
子供の頃からなんとなく一歩引いて周りを見るようなとこがあって。
見下してるワケじゃねえんだが。
他人からはそう見られて。
気に入らねえヤツ。
ってよくケンカ売られて。
俺もやられたくはねえもんだから。
売られりゃ買うぜ。
な感じでやってたらいつの間にかヤンキーやってた。
そこいら中の他の学校のヤツらとしょっちゅうやりあって。
ケンカだけは強くなった。
案外、ケンカすんのって楽しい。
強けりゃ力だけで相手叩きのめせる。
自分の力誇示する手段だし。
俺が強けりゃ気に入らねえとか言ってくるヤツもいなくなる。
まあ。
俺はケンカはするけど。
タバコやら酒はやるけど。
カツアゲやらそこら辺はあんま興味無かったからやんなかった。
チャリかっぱらうくれえは普通にしてたけどな。
勉強はそこそこで。
頼むから高校いってくれ。
親が言うから。
そこそこの成績でいけるとこに入った。
それが運が良かったのか悪かったのか。
入ってみたらいっこ上に当時の俺らの間じゃ超有名な人がいた。
水原尊。
そん時は名前しか知らなかったけど。
自分の偏差値で勉強しねえで入れる学校選んだ事後悔した。
高校入ったら真面目になろうとか思ったんじゃねえけど。
暴れんの飽きたし。
俺に眼えつけんなよ、頼むから。
って。
とりあえず目立たねえ様にしてたのに。
そうはいかなかった。
「兵藤っている?」
入学して二日目。
二年のヤツが来た。
教室の入り口で三人くれえで中覗き込んで。
マンガのワンシーンかお前ら。
みんなお互いの名前もろくに覚えてねえ教室ん中が騒つく。
「…俺ですけど」
仕方無しに入り口まで行った。
スキンとモヒカンとドレッドがいた。
動物園か、お前ら。
「…なんすか」
俺の事はほっといてくれ。
「ちょっと付き合えよ」
スキンが言った。
「…俺、なんもしてないっすけど」
「ああ?」
威嚇されたとこでビビらねえけどな。
「尊がお前の事見てえんだと。いいから来い」
たける。って。
水原尊か。
俺まだ眼えつけられる様な事してねえんだけどな。
やべえな。
中坊ん時からケンカ屋で有名で。
高校も一年の間に学校中しめちまったって。
それが俺になんの用だ。
連れてかれたのは。
運動部の部室棟の端っこの部屋で。
「入れよ」
スキンが顎で促す。
なんかされんのかな。面倒くせえ。
挨拶だけして逃げよう。
「失礼します」
中入ったらヤニくせえし、埃っぽいし。
薄暗くて。
何人くれえいたのか覚えてねえけど。
一番奥に。
すんげえ綺麗な顔したヤツがいて。
「お前が三中の兵藤龍二?」
俺に向かってそう言った。
「…そうっすけど」
「ふうん。強えんだって?」
立ち上がって。
腰屈めて下から俺の顔見上げる。
ニヤニヤしながら。
人をバカにしてんのか。
「尊、ボコるんなら顔止めろよ。面倒だからな」
俺の後ろでスキンが言った。
って。
コイツが水原尊!?
すんげえ綺麗な顔で俺より細くて。コイツが。
あの。
ケンカ屋。
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