Think about you

てらだりょう

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「そう言えば。お前彼氏とかいねえのか?」

何気なく聞いたら。

「いっ、いないよっ」

バカが真っ赤になって答えた。

まあ、いたら俺ん家に転がり込んだりしねえだろうがな。

「すっ、好きな人はいるけどっ」

別に聞いてねえし。

「高校ん時いたろ、彼氏」

「えっ!?」

「なんとかっつう、お前よくしゃべってたろ」

バカが首ひねった。

「いやあ?知らない」

忘れてんのか、ホントに彼氏じゃなかったのか。どっちでも良いが。

「…兵藤くん、あたしの事ちゃんと覚えてくれてたんだ…」

バカがなぜか微笑んだ。

「兵藤くん、昔も今も怖いけど」

悪かったな、怖くて。

「ホントは優しい人だよね。昔も今も」

なんでお前にそんな事わかんだよ。

なんか。もやもやする。

「いでっ!なんでっ!?」

こめかみグリグリ。

「なんとなくだ」

「なっなんとなくってなにっ!?いででっ」 

少しすっきりした。

「俺同伴だから、もう出るぞ」

「あ、うん。行ってらっしゃい」

「鍵かけんの忘れんなよ」

バカは時々鍵かけ忘れたまま寝る。

警戒心が薄い。バカだから。

毎日家帰ると先寝てて。

同伴はちったあする様になったが。

俺よりは家出るのは遅い。無駄に時間に余裕持たせるな、って教えてるからな。

だから俺の方が出るのは早くて。

行ってらっしゃい。

バカにそう言われるのも慣れた。

バカのいる生活も慣れた。

けど俺は。

優しい人間じゃ。

ねえ。



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