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しおりを挟む「おはよ、ご飯出来てるよ」
胃が慣れたせいか。
起きてメシ食うのは習慣なった。
確かに食った方が身体の調子は良いらしい。
まあ、夜中に食うのはだいぶ減らしてるがな。
俺の朝メシは莉緒の昼メシだから一緒食う。
食ったら俺は風呂。
その間掃除とかしてやがる。
俺が営業電話とかしてる間は莉緒は黙って自分の携帯弄ったり、求人誌見たり。
なかなかバイトが見つからねえらしい。
俺の時間に合わせようとするからだ。
深夜のバイトはな、女はな。
気持ちはわかるんだが。
出来れば夜の世界から離れて欲しい。
深夜のバイトなんて終わって家帰るまでになんかあったらどうすんだ。
別にしなくても良いけどな。俺の収入で食えるし。
俺だってそこそこ堅実な生活はしてるから、二人食う分には別に問題ねえんだが。
ん?俺は今なんか変な事考えたか?
なんかわかんねえが。
今の生活は。
もう慣れちまって。
莉緒がいるのは当たり前の事で。
兄妹で暮らす。
その話題はなんとなくお互い避けてるのか。
それについて話はしないまま。
しばらく過ぎた。
「…恋って…なんすかね、龍二さん」
「なんだお前、気持ちわり」
今日はユウとダブル同伴。
客と大通りの喫茶店で待ち合わせ。
「会いたくてたまんね、とか。会ったらしたいけどでも会いたい気持ちが」
「なに言ってんだ」
「龍二さんにはわかんないっすよ。好きになった時には側にいたんだから。一緒いたいのにいられねえ、そう言う切ない気持ちが愛育てるんだな」
意味わかんねえな、コイツ。
客が来たから。
「お前仕事モードに切り換えろよ」
「はあい、わかってますよう」
同伴で店入っていつも通りアフターこなして。
家帰る。
「おかえり」
そう言う風に笑ってる顔が当たり前で。
着替えてベッド入ろうとしたらなんか言いたそうな顔する。
「…なんだ」
ベッドに腰掛けて莉緒を呼ぶ。
俺の前に立って。
「あのね…今日お兄ちゃんから電話あって…」
「…お前が行きたいならそうしろ」
莉緒の細い腰。抱き締めて顔うずめる。
なんでかな。
顔が見れねえ。
「でもっ、龍二が休みの時は泊まり来るし!ご飯もいっぱい作りおきしとくしっ」
「…うん」
お前なんていなくたって俺は前の生活に戻るだけで。
「…電話とかメールいっぱいしても怒らない?」
泣きながら言うな。
「…そんなもん、ウゼえくれえしてこい」
お前の顔が見れねえよ。
なんでだろな。
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