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電話していい?
て、お前電話代がもったいねえって自分からかける事ねえくせに。
俺だって仕事中はプライベートの電話なんかしねえし。
多分俺の返事待って携帯握り締めてんだろうな。
莉緒のその姿が思い浮かぶ。
しょうがねえな。
莉緒の番号呼び出して鳴らしたら。
1コールで出やがった。
「…なんか急ぎの用か」
『あっ、いやっ』
焦ってんじゃねえよ。
『あ、仕事中…よね』
なんだよ。そうに決まってんだろが。
『あ、体調はどうかなあ…なんて、あはは』
「別にどこも悪くねえ」
コイツ。
やっぱ何事も無かった事にしようとしてるな。
まあ、良いけどな。
「もう切るぞ。仕事戻る」
『あっ、うん、あの…』
なんだよ、また明日電話してやるよ。
『明日…』
「ああ、電話するから」
『ん、そうじゃなくて…龍二のとこ行って良い…かな』
鍵持ってんだから来りゃ良いのに。
明日同伴あったな。
莉緒が来るなら日にちずらすか。
しょうがねえな。来るならな。
「来たきゃ来いよ」
俺ももう少し優しい言い方すりゃ良いんだろうが。
『うんっ!』
嬉しそうな声で返事するから。
明日は少し早起きするか。
電話切って、アラームかけとくか。
思った。
何時頃来るとかそんなんは言わなかったから。
十時くれえでいいか。
朝寝るから三時間くれえしか寝れねえが。
アイツが来て俺が寝てたらな。
かわいそうだしな。
ちょっと睡眠時間削ってもまあ、良いか。
寝てたら。
玄関のドアが開く音。
まあ、今起きて迎える事はねえか。
なんか近づいてくる気配。
ちょっと眼開けたら。
近付いて来る莉緒の顔。
眼とじて唇付き出して。なんだ?
黙ってたら唇くっついて思わず。
「…ぷっ」
吹き出しちまった。
「なっ!なにっ!?起きてたのっ」
びっくりするくれえ急激に莉緒の顔が赤くなる。
「もおっ!やだっ!」
なに可愛い事してんだ、お前は。
離れようとする莉緒の首の後ろ手入れて。
もっかい顔近付けさせて唇合わせる。
「ばあか」
唇離して言ったら。
「もっ、もおっ!龍二なんて」
「なんだよ」
また嫌いとか言うつもりか?
「…意地悪っ」
膨れっ面するのが可愛くて。
頭がしがし撫でたら。
髮ぐしゃぐしゃなった。
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