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十一話
しおりを挟む僕の名前はレイ。仲の良い妹と優しい両親と四人で暮らしいてた。
父さんは僕たちのために夜まで働いてくれていたし母さんは家庭を支えていた。
妹のルミはいつだって一緒だ。
「レイ、ルミ今日は何をして過ごしたんだ?」
「今日はね、お母さんのお手伝いをしたの!野菜の皮剥きとかしたの」
「その後は近所の子たちとかけっこして遊んだんだ」
夕飯の時間は家族みんなで今日あったことを報告し合う。
今日はこれが楽しかったとたくさん笑い合う。
「お手伝いもちゃんとしたんだな」
いい子だと頭を撫でてくれる。
「二人にはいつも助けられているわ、ありがとう。レイもルミも私たちの大切な宝物よ」
父さんも母さんも優しくて僕たちは大好きだった。
こんなに温かい家族に恵まれて本当に幸せだった。
でもある日僕たち家族に不幸が起こった。
父さんが仕事場で事故に遭い亡くなった。
そこからどんどん僕らの生活は追い込まれていった。あっという間だった。
父さんがいなくなって母さんは元気をなくしていった。いつも笑っていたのにずっと泣いている。それでも僕たちのためにと必死に食べ物を集めてくれた。僕たちは色々な所で手伝いをしてお金を少しでも稼いだ。
最初はギリギリだったがなんとか食べていけていた。
でも、女の母さんと子どもの僕らではすぐに限界がきた。
さらに追い討ちをかけるように母さんが病に倒れた。
ただの風邪だった。しかし弱った心、体には病に抵抗する力はなくあっけなく亡くなった。
僕もルミもどうすればいいのかわからなかった。ただ、涙が頬を伝うだけでどうすることもできない。
とにかく人のいるところに行こうとした。誰でもいい同情でもなんでもいいから食べ物くらいくれないかと期待した。
フラフラと広場までやってきた。
でも誰も助けてはくれなかった。それどころか汚いものを見る目、早く何処かへ行けと言う声。
僕たちにはもう動く気力もなかった。
二人は身を寄せ合ってこのまま終わればいいのに思った。
もう何もかも諦めたその時誰かが近づいてきた。
見ると僕らと同じくらいの綺麗な格好の可愛らしい女の子だった。
笑いにきたのかと思い無視しようとしたら驚くべきことを言った。
自分の下で働けと。
その日から僕たちの生活は一変した。
三食ご飯は食べれて体もキレイにできる。
寝るときはフカフカのベッドですごく気持ちがいい。
そして、ベルティア様がいた。
僕たちを拾ってくれた命の恩人だ。
戸惑う僕たちを少し強引だけど引っ張ってくれた。
最初の晩に部屋にやってきた時は僕もルミもかなり驚いた。あろうことかベッドに潜り込んできた。やっぱり強引だ。
一緒に話すとすごく優しい人だった。泣いた僕たちの手を黙って握ってくれ、これから幸せになろうと言ってくれた。
一つ下だった事には驚いたけど。
その後も楽しく話して気付いたら三人で寝ていた。全然眠れなかったのに。
次の日には見つかって奥様にこっぴどく叱られたが。
でもそれも久々で叱られているのにどこか嬉しい気持ちになった。
僕は決めた。
とても可愛くて優しいベルティア様。あなたに一生ついていくと。
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