声なき大衆

月曜日の朝

ジリリリリィィ！！！！！

目覚ましの音。

「うるさい」
ボソッと呟いた。僕はパジャマのままリビングにおりた。

コツコツコツコツッ

母が朝御飯を作っている音だ。

「はぁ」母のため息が聞こえた。

リビングにおりた僕は母と目があった。

「おはよう」僕は小声で言った。

母は僕を見ずにこう言った。

「今日も学校に行かないの？」母は冷めたように僕に言った。

「どうして学校に行かないといけないの？」
僕は母に背を向けたままそう呟いた。

バンッッッ！！
テーブルを叩く音がした。母の苛立ちが伝わってくる。
「そんな事ばかり言ってあなたは何日学校に行ってないの！もう3ヶ月」

夏休みが終わり僕は一度も学校に行っていない。
理由はある。母はそれを聞こうともしない。

「もういい」僕はそう言った。
母はいつも僕の質問に対して何も答えない。

なぜどうして何一つとして真実を教えてくれない。
だから僕は母に対して質問をするのをやめた。

真実を教えないならネットで知るからいい。


自室。

僕はネットに向かい検索

[なぜ  学校  行かなければ行けない]

カチカチカチ
時計の音

ネットの中の大人たちはこう言った。
「友達を作りなさい」「スポーツをやりなさい」

「なんだこれ…」作り笑いの教師が見せかけの愛を謳う。

たしかに大人の小言みたいで馬鹿馬鹿しいと思った。でも僕には反抗したいほど熱い物もなく
受け入れてしまうほど従順でもない。

あと何年なのだろうここから出るには

僕は思った。大人になるために嘘に慣れろ！