婚約破棄された悪役令嬢は、辺境でスイーツカフェをオープンしたらイケメンたちに溺愛されました

霧島

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第33話 レオンの本気モード

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 第33話 レオンの本気モード

戦場はカフェのすぐ前まで迫っていた。

ダーク・ドレイクの巨体が村の柵をなぎ倒し、紫の炎を吐きながら突進してくる。

小型魔物たちはすでにほとんど倒されたが、この魔王級一匹で全てがひっくり返るほどの脅威。

騎士団の陣形が崩れ始め、冒険者たちが後退を強いられる。

その時――

「下がれ」

低く、しかし村全体に響き渡る声。

レオンが一歩前に出た。

黒いコートを翻し、長剣を構える。

いつも無表情の灰色の瞳が、鋭く燃えている。

領主としての本気モード。

「この領地は、私が守る」

レオンが剣に魔力を集中。

私の作った濃厚ガトーショコラを食べた直後――魔力が最大限に高まっている。

一閃。

巨大な剣閃が放たれ、ダーク・ドレイクの翼を切り裂く。

咆哮が村を震わせるが、ドレイクの動きがわずかに鈍る。

カイルが即座に反応。

「今だ! 前線推進!」

騎士団が再結集。

カイル自身もチーズケーキ補給後の全力モード。

クールな金色の瞳で、ドレイクの足元に飛び込み、剣を鱗の隙間に突き刺す。

「弱点は腹部下! そこを狙え!」

冒険者たちが弓と魔法で援護。

シルヴィオが高台から、超甘パフェで魔力フルチャージ。

耳を赤くしながら、最大級の魔法陣を展開。

「……甘すぎて頭がぼーっとするが……これで終わりだ!」

光の槍が数十本、ドレイクに降り注ぐ。

リオは獣人の敏捷さでドレイクの背後に回り込み、チョコクッキー山盛りのパワーで弱点を突く。

「エレナのスイーツがあれば、俺は無敵だぜ!!」

四人が完璧に連携。

レオンが正面からドレイクの注意を引き、カイルが足止め。

シルヴィオの魔法でダメージを与え、リオが致命的な一撃を加える。

私はテラスから、最後の補給を叫ぶ。

「みんな、もう一押しよ!! 特大パフェ持ってきた!」

四人が一瞬で補給に駆け寄り、それぞれの好みのスイーツを口に放り込む。

魔力が爆発的に上昇。

レオンが剣を高く掲げ、最終の一撃。

「――終わりだ」

剣に全魔力を込めた一閃。

ドレイクの核を貫く。

巨体が崩れ、大地を揺るがして倒れる。

残りの小型魔物たちはボスを失い、混乱して森へ逃げ散る。

戦いが終わった。

村に、静寂が戻る。

そして――歓声が爆発した。

「勝ったー!!」

「レオン様すげえ!」

「騎士団長も! エルフも! 獣人も!」

村人たちが駆け寄り、冒険者たちが抱き合う。

私はテラスから降り、四人の元へ走った。

レオンが剣を収め、息を整える。

汗で濡れた黒髪、無表情だけど、少しだけ口角が上がっている。

「レオン様……!」

私が駆け寄ると、レオンは私をまっすぐ見た。

「……無事だな」

その声に、ホッとした安堵が混じっている。

カイルが剣を拭きながら。

「領主の指揮が完璧だった」

シルヴィオが杖を下ろし、耳を赤くして。

「……お前のスイーツがなければ、魔力切れで終わってた」

リオが尻尾を振って、私に抱きつきそうになる。

「エレナ! お前の補給がMVPだぜ!!」

四人が、私を中心に囲む。

村人たちが拍手と歓声を送る。

レオンの本気モードが、村を救った。

でも、それはみんなの力――そして私のスイーツがあってこそ。

戦場に、甘い香りが残る。

辺境の小さな村が、大襲撃を退けた。

私のスローライフは、今日も守られた。

そう思った、勝利の瞬間だった。

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