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第4章 小学生

第25話 伸介

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熱い液体が左手を襲う

小学生の一物に興奮している自分が信じられない

「ちょっと、トイレに行ってくるね」
あくまでも冷静を装い静かに会場から外に出て、トイレに入って行った。

洗面所で石鹸を付けて手を洗う。

鏡に写る自分の顔を見ると、明らかに火照っているのが分かるぐらいに頬が紅く染まっていた。

そしてトイレに入って、下着を降ろすと愛液で薄っすら濡れているパンツが目に入る

伸介の男根を思い返す

あれが入ってきたらどうなるんだろう?

「あっ」

想像しただけで濡れてくる

8月の終わりに処女を失い、9月は滝上に弄ばれて最後は体を許した。

快楽に溺れそうになる寸前で滝上が転校したので、もう、こんな欲情が湧いてくる事なんて無いと思ったのに・・・

それも小学生に・・・

戻ったら、何をされるか分からない。

相手は小学生なので、本気で抵抗すれば逃げられるだろう。しかし、声も出せない会場では逃げる事も難しい

戻ってはダメだ!

自分の意思を保てる自信が持てない

私は下着を履きトイレを出ると上映会場を通り過ぎて出口を通りすぎた、

そして足早に映画館を後にしたのであった。

「吾郎、急用を思い出しちゃったから帰るね」

SNSで吾郎に謝罪文を送る。

そのまま電車に乗り家に帰った。

家に帰ると母と父が出迎える

「愛美、早いわね。映画は?」

「うん。吾郎の具合が悪いらしくて、途中で映画館を抜けたのよ」

「あら、吾郎君は大丈夫なの?」

「本人が大丈夫だと言っていたから大丈夫よ」

「愛美は吾郎君には冷たいわよね。じゃあ、今日は何も無いのよね。これから買い物に行こうと思っているんだけど、一緒に行く?」

「そうね、たまには一緒に行こうかな」
とにかく、映画館での出来事を忘れたい一心で買い物に付き合う事にした。

「それなら、何処かでランチでもしようかしら?」
母の言葉に素直に喜んだ。

父の運転でデパートに向かう。
映画館のある建物と

12月のデパートは、1年で最も華やかさである。
大きなクリスマスツリーが子供心をくすぶる。高校3年の私でもクリスマスが近づくとワクワクしてしまう。

本当は恋人と過ごす筈だったのに・・

まあしょうがない。

デパートへ13時に着いたので、まずは8階の飲食店街に向かう。

「ここにしようか?」
父がイタリアンレストランを指差した。

母も父が選定した店を喜んだ

ちょっと大げさな母の喜び方を見ると、私と父に気を使っているのが分かってしまう。

父は私が中学校3年の時に母と一緒になった再婚相手なので、微妙な空気を作り出さないように母がはしゃぐ事が多い。

小学生や幼稚園生ならば、父に甘えたいと思うだろうが、さすがに大きくなってからの再婚相手に甘えるつもりは無い。

ただ、本当にいい人なので、普通に話せるし普通に生活できる。

優しいおじさんと一緒に生活しているイメージだ。

ただ呼び方を「おじさん」では無くて「お父さん」と呼ぶだけの事である。

仕事熱心な父なので、休みの日でも会社から電話が掛かってきたり、SNSでやり取りをしている。
レストランでも食事が運ばれるまで、携帯を操作していた。

「もう、あなた。食事の時ぐらい携帯を置いたら?」

「ごめんごめん。どうしても急ぎで連絡が欲しいみたいだから、ちょっと店の外に出て電話してくるよ」

父が店を出る

「もう、休みなのにねえ」

母が呆れた顔をして呟いた。

食事が運ばれてくると、父も電話が終わったみたいで椅子に座る。

母は父を怒っていたが、上手く母の怒りを和らげる

母の笑顔を見ると、二人が結婚して良かったと、つくづく感じた

「あ~あ、私もいい人いないかな~」

「まあ、愛美も頑張りなさい」

母が誇らしげに言う

「はいはい」

3人で笑いながら食事をしたのであった。

食事が終わり、母が自分の服を買いに行くと言って一人で婦人服売り場に向かう。

多分、私と父の距離を縮めようとしたのだろう

父が話し掛けてくる
「そうだ、ママのクリスマスプレゼントを一緒に選んでもらっていいかな?」

「うん。」

「実は腕時計を買おうと思っているんだけど、どうも女性が喜びそうなデザインが分からないんだよ」

本当に優しい父である
「うん。行こう」

時計売り場に近づく

「ごめん、ちょっとトイレに行ってくるから先に行っててくれるかな?」

「うん、分かった」

一人で時計売り場に到着すると聞き覚えのある声が聞こえた

「愛美姉ちゃん!」

えっこの声は、もしかして

私の予想は当たった

伸介君の声であった。
それも一人しかいない

「あれ、他の子は?」

「それより、何で一人で帰ったの?あの後、僕も映画館を出て探したんだよ」

「えっ映画は?」

「僕だけ出てきちゃったから、僕だけ全部見ていない」

かなり興奮しているのか、声が大きい

そこに父が時計売り場にやってきた

「どうしたんだ?」

伸介が訴えるように父に話す
「愛美姉ちゃんが、僕達と映画を見ている時に途中で帰っちゃったんだよ。僕は映画も見れなかったんだよ」

「あれ?吾郎君と一緒では無かったの?」

「その子は吾郎の弟なの」

父も頭が整理出来ていないみたいだ

「要するに、愛美が途中で出て行ったので、君が心配して追いかけたって事かな?」

伸介が頷く

「最後まで見たかったのに・・・・」

「えっと・・・」
父が困った表情をして言葉を詰まらせた

「では、これから映画を見て来れば?私が映画代を支払うよ」

「本当?」
伸介が喜んでいる

違う・・
お父さん、違うの・・・・

心で訴えるが聞こえる筈も無い

そんな話をしていると、父の携帯に母から着信が入る

携帯で伸介の事を話している

「うん、分かった」

父が携帯を切る

「確か映画館は横の建物だよね。僕が映画館まで連れて行って映画のチケットを支払うよ。じゃあ行こうか」

伸介が元気に返事をする
「は~い」

母はデパートに入っている店舗を見て廻りたいみたいなので、3人で映画館に向かった。
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