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第3章 栗林の企み
渡辺さんの危機
しおりを挟む僕は店を出て映画館に走った。
そして映画館に着くが渡辺さんの姿が見つからない。
あれ?
さっき走って行ったのに、何で居ないのだろう?
まだ15分あるし、どこかで買い物でもしてるのかな?
そして15分が過ぎて約束の時間になる。
あれ?
どうしたんだろう?
確かに映画館へ向かって走って行ったのは渡辺さんであった。
まあ、観ようとしていた上映回の次でもいいか。
特に予定も無い僕は、気長に待つ事にした。
更に30分経ったが、彼女は現れない。
さすがにおかしい。
電話をしてみよう。
携帯は鳴っているが、彼女は出なかった。
僕は辺りを見廻したが、やはり居ない。
僕が立っている映画館の入口の前は道路になっていて、道路の向こう側には駐車場があり、大きなキャンピングカーが見える。
あれ?揺れている。
よく見るとキャンピングカーが揺れている。
何であの車だけ揺れているんだ?
その時は何で車が揺れているが等、知る由もなかった。
(栗林)
待ち合わせ2時間前
ヨシッ!
前田から渡辺の電話番号を聞いた俺は、早速渡辺に電話を掛ける。
「もしもし、渡辺さんか?金曜日は悪かった。直接謝罪したくて、前田から電話番号を聞いて電話して悪かった。」
「いや、いいですよ。ただもうあんな事はやめて下さい。」
「分かった。本当に申し訳ない。それと前田に渡して貰いたい物があるんだが、渡してくれないだろうか?」
「えっ?私からですか?」
「俺と前田は同期だから、顔を合わせれない。出来れば今日、前田に渡す物を預けたいのだが」
すると予想外の回答が返ってきた。
「今日、これから部長に会うので、そこまで持ってきてくれるなら渡してもいいです」
「分かった。」
前田と約束している場所に30分前に約束した。
今度こそアイツを落としてやる。
考えただけで、俺の下半身はうずきだす。
そして9:00
俺はキャンピングカーで待ち合わせ場所に向かい、待ち合わせ場所の前にある駐車場に車を停めた。
このキャンピングカーは、ベッドは勿論、シャワーもキッチンもソファーもある。
ベッドは大きく無いが、彼女を抱くには問題はない。
車を降りて、待ち合わせ場所に着いた。
そこには、ミニスカートを履いた渡辺の姿が見えた。
いつもはメガネを掛けているが、今日はコンタクトレンズなのか、メガネを掛けていない。
こんなに可愛かったか?
彼女の全身を舐める様に眺めて
「ごめん。前田に渡す物を車に置いて来てしまったので、一緒に来てくれないか?」
「でも、ここを離れたく無いです。」
「ごめん、俺も前田に会いたく無いんだ。ここから見える場所に車を停めているから、前田が来たら分かるから安心していいよ」
見える位置と聞いて安心したのだろう。
俺の車までついて来た。
ヨシ!
駐車場に着くと俺の車を見て
「これってキャンピングカーですか?凄い大きいんですね」
「まあ、キッチンやソファーもあるし、ここで生活も出来てしまう。」
「凄いですね」
「ちょっと見てみるか?」
「いえ、いいです。」
と警戒されている。
テェッ!
車両の横にあるドアを開けて、中に入る。
彼女はドアの入口で待っていた。
取り敢えず書類らしい物を掻き集めて、車の中から書類を渡そうとする。
「この書類を前田に渡してくれないか」
と彼女が書類を掴もうとした瞬間に手を離す。
「キャッ!」
彼女は車の入口付近に落ちた書類を必死に拾おうとした。
僕は彼女の手を思いっきり掴む。
「痛い!」
僕は無理やり彼女の手を引っ張り、車の中に引きずり込んだ。
そしてソファーに向かって彼女を放る。
彼女はバランスを崩してソファーに倒れ込んだ。
すぐに車のドアを閉めて、ロックを掛けた。
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