想いつづければ…きっと。

ryuma@安心院

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第1部

【過去編】*第6話:愛谷 蓮

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不良A「くそ、逃げられたか…」

不良B「まあ、いいでしょ。
この後は彼女たちの対応に任せておきますかー…」

不良たちは、そう言い残し私たちの視界から消え去った。

***

ファミレスに入り、席に座ると。
店内の明るい雰囲気とは正反対に、私たちの中では重い雰囲気が漂っていた。

愛谷 蓮「・・・。」

委員長をみると、うつむいて瞳から光を失っていた。
絶望を噛み締めいてる様子だった…。

小日向 白乃「・・・。」

暁 有紗「・・・。」

この空気を変えようと、私とあーちゃんは顔を合わせ、勇気を振り絞って委員長に聞いた。

あのことを。

小日向 白乃「えっと…委員長。」

暁 有紗「あの写真のことなんだけど…」

今でもはっきりと覚えている、あの写真の少年の特徴。
これを昔の委員長だと言われても、とてもじゃないが信じられない。


制服は着崩され、ピアスも着け、髪は金髪だった。

私たちが委員長に聞いて、少しばかり沈黙が続いた後。
重く、そして硬く閉じていた彼の口がようやく開き、言葉を発した。

愛谷 蓮「うん、あれ…本当に僕なんだ。」

小日向 白乃「えっ…」

暁 有紗「そう、なんだ…」

心のどこかで、彼はあんな不良ではないと願っていた希望も、彼の一言で散ってしまったような気がした。

あーちゃんの様子を伺うと、さっき不良から暴露された時よりも驚いた表情だった。

愛谷 蓮「僕は、花ノ宮学園は高等部からの編入って知ってるよね?」

小日向 白乃「うん。」

愛谷 蓮「中学校までは普通の公立中学校に通ってたんだ…」

暁 有紗「どこの中学校だったの?」

愛谷 蓮「わかは緑ヶ丘中学校。」

小日向 白乃「え、公立中学校の名門じゃん!?でも、どうして…?」

暁 有紗「委員長のお父さんって開業医だったよね?」

愛谷 蓮「うん。ここまできたら、話さないといけないと思うから…全部話すよ。
僕が中学で不良になってしまった理由。
そして、花ノ宮学園高等部に編入した理由を。」

***

元々、父は医者、母は看護師ということで教育に関してはうるさい両親だった。

でも、そんな両親が好きだった。
だから、彼らの期待に応えようと塾に一生懸命通い、熱心に勉強した。
常に学年順位は3位以内はキープしていた。

そんな僕に、転機が訪れる…。

それは、今からおよそ3年前…中学2年の秋。
学校で受けた、全国模試の結果だ。
校内順位の欄を見た時の両親の反応は、とても嬉しかった。

母「2位じゃない!
毎回テストでこんなに良い結果残してるなんて、お母さん自分の息子が誇らしいわー。」

父「さすが私の息子。他の子とはやっぱり格が違うな!」

その後、校内順位の下に書いてある、全国順位を見た時。

2人の目が変わった。

今までのとは、全く別のものに。

母「何この順位…私の息子がこんなのありえない。」

そう、全国順位は言うほどそんなに良いわけではなかったのだ。
せいぜい、中の上程度。

両親の目には怒りと悲しみが表れていた。

父「これは…許せない。
今の倍の勉強量に増やせ。
あと、学校から帰ってきたら夕食とトイレ以外自分の部屋で勉強しなさい。」

愛谷 蓮(中学時代)「え……」

いつもあんなに頑張って勉強して、結果出してるのに…。

それのさらに上を求めると?
こんな思いを抱きながらも、僕は前の勉強量の倍の勉強をさせられ、さらに塾のコマ数も倍になった…。

それに抗うことなく、最初は従っていたのだ。

<第7話:愛谷 蓮②>につづく…
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