魔法紹介者が人々を救うお話

トモヒロ69

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第1章

第6話 リョウの頭痛

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 この国での移動手段は主に3つある。徒歩、魔法移動、魔法鉄道だ。
 
 魔法移動はかなりお金がかかるため、消去法で魔法鉄道しかなくなる。

 魔法鉄道は仕組みは知らないが、火を起こす魔法を応用したものらしい。比較的安いのが良いところだが、金欠の自分からするとかなり痛い。

 だが行くしかないので、仕方なく切符を取る。

 するともう電車が来ていて、慌てて乗り込む。魔法鉄道を利用したのはこれで2回目だ。

 1回はルカの遠出のために使った。ベール区まで1時間半程かかるようなので、適当に景色を見ていた。

■ ■ ■

「お願い!連れて行かないで!」

■ ■ ■

「本当にいいの?」

「はい。お願いします。」

■ ■ ■

 久しぶりに忘れたはずの昔のことを思い出してしまった。

 そんなことを思ってるうちにすぐにベール区に着いた。時間の流れってものはほんと早いものだ。

 駅から出て、まずは宿屋を探す。目の前の男性に声を掛けようとした瞬間。激しい頭痛に襲われた。

■ ■ ■

「あんたのせいで…。一生恨んでやる。」

■ ■ ■

 吐き気がする。今までこんなにも昔を思い出したことはなかったはずだ。いや、正確には思い出さないようにしていただけだ。

「大丈夫ですか?」

 前を見ると女性が心配そうにこっちを見ている。ここで自分の記憶は途切れてしまった。

■ ■ ■

「ん…。」

「あ、目覚めました?」

 どうやらその女性に助けてもらったようだ。

「すみません。ご迷惑をお掛けして。」

「いえいえ、大丈夫ですよ。」

 部屋の周りを見てみると、とても高価そうなものがたくさん置いてあった。どうやら相当な資産家らしい。

 すると部屋の扉が開いた。大柄な男性が入ってきて、いきなり女性を引っ叩いた。自分が唖然としていると、

「勝手に人を入れるなと言っただろ!」

 女性に怒鳴りつけた。女性はごめんなさい、ごめんなさいと繰り返している。自分が女性を助けようとするとまた頭痛が襲ってきた。

■ ■ ■

「出来損ない。」

「本当にあなたを生んで失敗した。」

「死ねばいいのに。」

「邪魔。」

■ ■ ■

 本当に勘弁してほしい。人には忘れたい過去の1つや2つはあるんだ。なぜ思い出させるんだ。

 家のチャイムが鳴った。すると男性は玄関まで歩いて行った。

「すいません。お見苦しい所を見せてしまって。」

「…なぜ、叩かれてたんですか?」

 なんとか声を出す。

「私はあの人に奴隷として買われたんです。」

 奴隷というのは今では少なくなったほうだが、まだ存在する。

「私はあの人がいないと生きることもできないです。」

 自分の超痛い頭で少し考える。そして、

「逃げましょう。」

 勝手にそんな言葉が出てしまった。しかし女性は、

「無理です。もし逃げるようなことをしたら、あの人が私の魔法のことを政府に言ってしまう。」

 すると、考えるより先に体が動いてしまった。

 気づくと自分はその女性を連れて、部屋の窓から逃げていた。
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