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第1章 雪のち晴
第5話 散髪
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「脱獄がバレたら困るから髪切ろうよ」
僕がいた拘置所では、死刑囚は髪を切らなくても良かった。そのせいか、かなり髪が長くなっていた。
「嫌です」
即答だった。正直に言うと、色々な理由があって僕は人と目を合わすのが怖い。視線恐怖症とかいう病気らしい。
なのでこの髪の長さで目元を隠している。それをいきなり取られるのは絶対に嫌だ。
「じゃあバレてもいいのかい?」
「忘れてるかもしれないけど、僕は警察に見つかってもいいって思ってるんだからね?」
別に見つかれば、拘置所ヘ戻ってすぐに死刑執行が来るんだ。
「それじゃ話が成り立たないじゃないか。私と警察から1年間逃げるんだろ?」
まあ確かにそうだ。僕はこの人と1年間逃げ切る。そして殺してもらう。こういう契約内容だ。
「はい。じゃあ切ろう切ろう」
呑気なの声で晴さんは言いながら、下に新聞紙を引いていた。
「何してるの?」
「何って、切る準備だけど?」
どうやら切ってくれるらしい。確かに美容院に行ってバレたら大変だ。
もう晴さんに全て任せることにした。
「おお!」
鏡を見ると、もう別人だった。クラスの中でめっちゃ大人しい子が、いきなりクラスの中心人物になったみたいな感じだ。
「早速外行こうよ!」
晴さんはとても機嫌がいいみたいだ。
近くの商店街を適当に見てまわった。本当に僕が拘置所にいた間に色々なものが変わっていた。
「なんか書いてあるよ」
指されたところを見てみると、それはどうやら自分のことについて書かれているチラシだった。脱獄囚に注意しろなどと書いてある。
「ひどいよね。雪君はそんなことしないのに」
確かに僕は何もしてないけど、世間から見れば殺人犯なわけだ。そんなことを言ってもしょうがない。
「そろそろ帰ろっか」
晴さんは小さく頷いて、来た道を戻っていった。
「あの…」
後ろから声をかけられた。振り向いてみると、紺色の服に、帽子、それと無線機のようなものを持った人がいた。それはつまり、
(警察!?)
何の用だろう。そう簡単にバレる変装ではないと思うんだが。
「最近、この辺でこの顔の人見かけませんでした?」
それを見ると、僕の顔が乗っていた。
「いや、見てないです」
「そうですか。脱走した死刑囚がいるんですよ。くれぐれも戸締まりだけは気をつけてくださいね」
それだけ言って、警察はどこかに行ってしまった。
「死ぬかと思った…」
「案外バレないもんだね」
晴さんはにこりと笑っている。なんで笑っていられるんだ…
「まあバレないってことが分かったんだし、早く帰ろうよ」
■ ■ ■
「案外バレないものだな」
警官の服を着た死神は1人でつぶやく。
「赤鳥晴。お前は何を考えているんだ?」
僕がいた拘置所では、死刑囚は髪を切らなくても良かった。そのせいか、かなり髪が長くなっていた。
「嫌です」
即答だった。正直に言うと、色々な理由があって僕は人と目を合わすのが怖い。視線恐怖症とかいう病気らしい。
なのでこの髪の長さで目元を隠している。それをいきなり取られるのは絶対に嫌だ。
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別に見つかれば、拘置所ヘ戻ってすぐに死刑執行が来るんだ。
「それじゃ話が成り立たないじゃないか。私と警察から1年間逃げるんだろ?」
まあ確かにそうだ。僕はこの人と1年間逃げ切る。そして殺してもらう。こういう契約内容だ。
「はい。じゃあ切ろう切ろう」
呑気なの声で晴さんは言いながら、下に新聞紙を引いていた。
「何してるの?」
「何って、切る準備だけど?」
どうやら切ってくれるらしい。確かに美容院に行ってバレたら大変だ。
もう晴さんに全て任せることにした。
「おお!」
鏡を見ると、もう別人だった。クラスの中でめっちゃ大人しい子が、いきなりクラスの中心人物になったみたいな感じだ。
「早速外行こうよ!」
晴さんはとても機嫌がいいみたいだ。
近くの商店街を適当に見てまわった。本当に僕が拘置所にいた間に色々なものが変わっていた。
「なんか書いてあるよ」
指されたところを見てみると、それはどうやら自分のことについて書かれているチラシだった。脱獄囚に注意しろなどと書いてある。
「ひどいよね。雪君はそんなことしないのに」
確かに僕は何もしてないけど、世間から見れば殺人犯なわけだ。そんなことを言ってもしょうがない。
「そろそろ帰ろっか」
晴さんは小さく頷いて、来た道を戻っていった。
「あの…」
後ろから声をかけられた。振り向いてみると、紺色の服に、帽子、それと無線機のようなものを持った人がいた。それはつまり、
(警察!?)
何の用だろう。そう簡単にバレる変装ではないと思うんだが。
「最近、この辺でこの顔の人見かけませんでした?」
それを見ると、僕の顔が乗っていた。
「いや、見てないです」
「そうですか。脱走した死刑囚がいるんですよ。くれぐれも戸締まりだけは気をつけてくださいね」
それだけ言って、警察はどこかに行ってしまった。
「死ぬかと思った…」
「案外バレないもんだね」
晴さんはにこりと笑っている。なんで笑っていられるんだ…
「まあバレないってことが分かったんだし、早く帰ろうよ」
■ ■ ■
「案外バレないものだな」
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