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第1章 雪のち晴
第4話 恋人ごっこ
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外出するのは久しぶりだ。拘置所にいる間はもちろん、一切外出できない。
つまり僕は6年ぶりにお出かけをすることになった。
「おーいっぱいあるな」
隣で晴さんはたくさんの布団を見て、興奮している。
脱獄したときは情報量が多すぎて、気にならなかったが、晴さんはとても死神の格好とは思えない。
結構大きなお店だが、今は夜で雪が降っているため、店内に人はほとんどいない。
「いやー、やっぱ夜は楽しいな。昼だと人がいっぱいだから嫌なんだよな」
実際、脱獄したので指名手配されるわけだ。僕からしても人がいない方が好都合だった。
「雪君。どれか良さそうなのは見つかったかい?」
「あの、なんでもいいですよ」
拘置所の布団は、床で寝るのと同じくらい硬くて薄い布団だった。それと比べたら店に売ってる布団はとても贅沢なものだ。
「ならこの1番安いのにしよう」
そう言って、レジに走って行った。
■ ■ ■
帰った時には、雪で僕はずぶ濡れだった。因みに死神は濡れたりはしないらしい。
早速部屋のお風呂借りた。
「どうだどうだ?」
お風呂から出ると、晴さんがさっき買った布団を敷いてくれていた。
「今日は疲れたから寝るぞ」
僕は頷いて、布団に入った。安い割に、とても暖かかった。
「なんで晴さんは、僕が冤罪ということを知ってたんですか?」
ずっと気になってた事を聞いてみた。しかし、しばらくしても返事はない。
(寝たか。僕も寝よ)
目をつぶると、1分程で眠りにつけた。
■ ■ ■
「速報です。昨日の夜、死刑宣告をされていた、白糸雪死刑囚が脱走しました。警察は詳しい情報を調べています」
朝ご飯を食べながら、部屋にあるテレビのニュースを聞く。
「本当に怖いです。戸締まりをちゃんとしようと思います」
地元の人の声だ。まあそりゃあ怖いと思う。
「雪君のこと、ニュースになってるね」
悲しいし、悔しい。自分は殺人などしたこともないのに、怖がられるのだから。
「死神にさ寿命ってないの?」
何か会話をするために、気づけばどうでもいい事を聞いていた。寿命を聞いたところで1年しか一緒にいないのに。
「もちろんあるよ」
意外だった。ないようなイメージだったから。
「死神は、人から寿命を奪うんだよ」
まあそれはなんとなく分かっていた。つまり、僕は晴さんの食料となる訳だ。
「ならもう奪ってくださいよ」
「なんでだよ。まだ私は雪君と恋人ごっこをするぜ」
恋人ごっこ。まあ一緒に住んでるわけだし、間違いではないか。あえて触れないでおく。
「おい。せめてなんかツッコめよ!」
判断を間違えたらしい。まあまだもう少し続けよう。どうせ1年経てば死ねるんだ。それまでゆっくり、この人と遊ぼう。
つまり僕は6年ぶりにお出かけをすることになった。
「おーいっぱいあるな」
隣で晴さんはたくさんの布団を見て、興奮している。
脱獄したときは情報量が多すぎて、気にならなかったが、晴さんはとても死神の格好とは思えない。
結構大きなお店だが、今は夜で雪が降っているため、店内に人はほとんどいない。
「いやー、やっぱ夜は楽しいな。昼だと人がいっぱいだから嫌なんだよな」
実際、脱獄したので指名手配されるわけだ。僕からしても人がいない方が好都合だった。
「雪君。どれか良さそうなのは見つかったかい?」
「あの、なんでもいいですよ」
拘置所の布団は、床で寝るのと同じくらい硬くて薄い布団だった。それと比べたら店に売ってる布団はとても贅沢なものだ。
「ならこの1番安いのにしよう」
そう言って、レジに走って行った。
■ ■ ■
帰った時には、雪で僕はずぶ濡れだった。因みに死神は濡れたりはしないらしい。
早速部屋のお風呂借りた。
「どうだどうだ?」
お風呂から出ると、晴さんがさっき買った布団を敷いてくれていた。
「今日は疲れたから寝るぞ」
僕は頷いて、布団に入った。安い割に、とても暖かかった。
「なんで晴さんは、僕が冤罪ということを知ってたんですか?」
ずっと気になってた事を聞いてみた。しかし、しばらくしても返事はない。
(寝たか。僕も寝よ)
目をつぶると、1分程で眠りにつけた。
■ ■ ■
「速報です。昨日の夜、死刑宣告をされていた、白糸雪死刑囚が脱走しました。警察は詳しい情報を調べています」
朝ご飯を食べながら、部屋にあるテレビのニュースを聞く。
「本当に怖いです。戸締まりをちゃんとしようと思います」
地元の人の声だ。まあそりゃあ怖いと思う。
「雪君のこと、ニュースになってるね」
悲しいし、悔しい。自分は殺人などしたこともないのに、怖がられるのだから。
「死神にさ寿命ってないの?」
何か会話をするために、気づけばどうでもいい事を聞いていた。寿命を聞いたところで1年しか一緒にいないのに。
「もちろんあるよ」
意外だった。ないようなイメージだったから。
「死神は、人から寿命を奪うんだよ」
まあそれはなんとなく分かっていた。つまり、僕は晴さんの食料となる訳だ。
「ならもう奪ってくださいよ」
「なんでだよ。まだ私は雪君と恋人ごっこをするぜ」
恋人ごっこ。まあ一緒に住んでるわけだし、間違いではないか。あえて触れないでおく。
「おい。せめてなんかツッコめよ!」
判断を間違えたらしい。まあまだもう少し続けよう。どうせ1年経てば死ねるんだ。それまでゆっくり、この人と遊ぼう。
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