雪のち晴

トモヒロ69

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第1章 雪のち晴

第3話 死神

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「ここが私達の家だ」

 家ねー。久しぶりにその単語を聞いた。今のところ、人生の25%程を拘置所で過ごしていたので、最近の自分の家とは拘置所である。

「ここに2人で暮らすぞ」

 いきなり言われても…。そういえば、

「あの、前にあなたは自分が死神だと言ってましたよね?」

「あぁ。死神だよ」

 やはり聞き間違いではなかったようだ。

「だったらなんで僕を殺さないんですか?」

 すると死神は納得した顔をして、

「あー確かに死神ってそう思われてるな。
けど安心しろ青年。私はそう簡単に人なん
か殺さないよ」

 そういうものなのか。

「それは殺そうと思えば殺すこともできる
んですか?」

「まあ殺そうと思えばな」

 なら話は簡単だ。

「なら僕を殺してください」

 どうせ死刑になる予定なんだ。もうこの世界は面倒くさいし。

「なんでそうなるんだよ!?これだと脱獄
した意味ないじゃん!」

 何というか自分の死神のイメージと全然違う。

「私はね、スリルを求めてるんだよ。警察に捕まるか捕まらないか」

「そんなの警察の迷惑ですよ」 

 ギャンブル好きの死神だなー。

「ていうかあんた冤罪じゃん。別に幸せになる権利くらいはあるよ」

 そういえばなんでこの死神は冤罪のことを知ってるんだろ。聞こうと思ったが、別に今聞く必要はないと思ったので、

「死神さんは僕に何を望んでるんですか?」

「あんたと一緒に暮らす事を望んでる」

「嫌です」

 何度言えばわかるんだろう。もうどうでもいいのだ。さっさと死んで今すぐにでも成仏したいくらいなのだ。

「ならこうしよう。今から1年間私といて警察に捕まらなかったら、私が君を殺してあげよう。逆に捕まれば、また拘置所でそのうち死刑されるだろ」

 確かにその内容ならどちらに転んでも、死ぬことができる。

「よし、乗った」

 死神は嬉しそうにしている。

「そういえばば名乗っていなかったな。私
は赤鳥はる

「白糸雪」

「雪君というのか。女の子みたいな名前だな」

 確かにそうだと思う。母親が女の子が欲しかったらしく、名前だけ女の子っぽくしたのだ。

「晴さんこそ、男みたいな名前ですよ」

「そんなことないだろ。女子でもこんな名
前のやついっぱいいるぞ」

 そうなのか。小学校の時に、男子ではるという子がいたので、男子の名前かと思っていた。

「じゃあとりあえず布団買いに行こう。う
ちの家、1個しか布団ないし」

「え?今雪ですよ」

「大丈夫大丈夫。近いし、それくらい余裕だよ」

 これは、白糸雪が赤鳥晴に殺してもらうための物語だ。


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