17 / 38
第一章
017 擬態クリーチャーの能力 ①
結果として目の前に残されたのは、一という男のミイラと、厚美という女性の乾燥した残骸だった。
自分の意志で行ったことだけど、本当に罪悪感とかはほとんどない。
おそらく本来なら死ぬような経験をしたことが、影響を及ぼしているのだろう。
それか擬態クリーチャーと融合したことで、精神にも異常をきたしている可能性もあった。
またなによりこの一という男が、人として唾棄すべき存在だったことが大きい。
たぶん相手が善人だったら、僕も手を下せなかっただろう。一という男くらい悪い方向へと振り切っていれば、今回のように躊躇うことはないはずだ。
どちらにしても、既に終わったことである。擬態クリーチャーと融合しなければ死んでいたので、現状はこれを受け入れることにした。
そうして僕は落ちているスマートウォッチを二つ拾うと、内容を確かめてみる。
名前:鉄尾一
年齢:26
性別:男
異能:鉄化
名前:馬場厚美
年齢:46
性別:女
異能:体臭使い
あの男は本名を、鉄尾一というらしい。異能は【鉄化】であり、見た通りの異能だったのだろう。
体やその一部を鉄化して、おそろしい破壊力と頑丈さを生み出していた。たぶん近接戦闘では、すごく強い部類だと思う。
正直不意打ち気味に倒せたから良かったものの、真剣勝負だったら普通に負けていたかもしれない。
一応擬態クリーチャーと融合したけど、まだ使い熟せるはずもなく、そもそも何ができるかも把握していなかった。
なのであの不意打ちで仕留められたことは、かなり運が良かったと思う。
次に馬場厚美という女性だけど、実年齢は46歳のようだ。ぱっと見では三十代前半だと思っていたので、驚きである。
まあ、それについては別にどうでもいいとして、異能は【体臭使い】という、一風変わったものだった。
どう見ても、戦闘系には見えない。もしかして僕のことを追いかけてこれたのは、この異能が関係しているのだろうか?
相手の体臭を記憶して、その者が移動したルートを、追いかけることができるのかもしれない。だとすれば、それなりに使える異能だろう。
一という男に殺されたものの、異能の相性は良さそうだった。獲物の居場所を特定する係と、戦う係で分けることができる。
だけど不思議なのは、僕が部屋に入るまで気がつかなかったことだ。もしかしたら自動的に判別できるものでは、無かったりするのかもしれない。
あとは自身の体臭を、操れる可能性がある。悪臭だったら、ある意味武器になりそうだ。けどあの厚美という女性は、何となく香水とかを使っていそうなイメージがあった。ただ香水をつければ体臭扱いになるかは、不明である。
とりあえずこれで二人の異能については、知ることができた。
続いてエンの移動も済ませておく。一という男は50エンで、厚美という女性は90エン持っていた。
そしてスマートウォッチを腰のビニール袋に入れたけど、流石にいっぱいになってきた。
現状ペットボトル×2、バー状のクッキー×2、スマートウォッチ×5である。流石にスマートウォッチの数が多い。
スマートウォッチは貴重品だし、何となく捨てるのはもったいなく感じていた。それにもしかしたら、後々何かに使えるかもしれない。
とりあえず、現状は持っておくことにする。どうしても捨てなければいけない状況になったら、その時に改めて考えようと思う。
そうして次は、【吸収融合】で融合した擬態クリーチャーについて考えることにした。
まず現状分かっていることは、頭が吹き飛んでもその破片が戻ってきて、元通りに修復されることである。
ただそれを行うと、非常にエネルギー的な何かを消費するので、過信はできない。
何度も短時間で行えば、おそらく餓死することになるだろう。本能的にそれが理解できた。
あとは現状だと不明なので、あの擬態クリーチャーの能力を思い出してみる。
まずは特徴として、人に擬態することが可能だった。本来はたぶん灰色のスライムのような感じであり、どういう訳かスキンヘッドの中年男性の姿で、池からぬるりと現れたのである。
つまりは、肉体を変化させる事ができるのだろうか? だとすれば、僕の右腕も人の手に戻せるかもしれない。
そう思い虫のクリーチャーと化した右腕に、意識を向けてみる。
んん? 何か変な感じがするな。少しムズムズしてきた。
するとそのとき、右手首あたりから生えていたアゴが、手首の中に収納されるかのようにして消えていく。
「おおっ!」
少し違和感があるけど、特に痛みなどはない。それよりもなんか、大きさ的に物理法則を無視している気がするけど、大丈夫だろうか?
そう思いつつ経過を見守ると、次にピンク色でイモムシのようだった腕が、人のそれに変わっていく。
「よし!」
この部分はとても気持ち悪かったので、僕は思わず歓喜の声を出してしまった。けれどもそんな喜びも束の間、変化はここで終わってしまう。
マジか。この右手は、このままなのか……。
黒っぽい硬質な外骨格のような手と、その中央にある虫のクリーチャーの口が残された。
う~ん。口は閉じさせれば目立たないとしても、この指先が尖った黒い硬質な手は、とても目立つことは間違いない。
いや、逆にこれなら見方によっては、かっこいいのかも? 黒い手甲に見えなくもないし、そういう異能だと言い張れば、問題はなさそうな気がする。
それに意識すれば、手首あたりからクワガタのような黒いアゴを、飛び出させることも可能のようだった。
これもまるでアメコミのヒーローみたいで、かっこいいかもしれない。
僕は高校生になって卒業したけど、過去に発症した中二病が、呼び起されるような感じがした。
そう思いつつ、アゴは再び収納しておく。慣れれば、収納もあっという間にできるようになるかもしれない。今はゆっくりと、腕の中に沈んでいく感じだ。
ちなみに出すときは、一瞬で出てくる。それがある意味、本来の正常な状態だからかもしれない。
そして僕にとってはこの能力だけで、既に大当たりである。これなら今後他のクリーチャーに【吸収融合】を発動しても、見た目だけなら人としてのものを保てるかもしれない。
さて、他にも何か、できることはあるのだろうか?
僕は何だかわくわくしながら、擬態クリーチャーの能力を思い出してみる。
確か他には、擬態を解いて灰色のスライムになって、その中に相手を取り込んでいたはずだ。その際に、少しずつだけど溶かしてもいた。
そう考えてまずは左手で、それができないか試してみる。すると次第に、左手が灰色のスライムへと変化していく。
「うわっ、何だか変な気分だ」
自分の左手が灰色のスライムになったことに対して、違和感がすごい。また意識すれば、自由に動かせるようだった。元に戻すことも可能なようである。
僕はそれを見届けると、試しに手持ちにあるバー状のクッキーを一つ開封した。そして再び左手を灰色のスライムに変えると、バー状のクッキーを取り込ませてみる。
なるほど。味覚的な何かは、特に何も感じないな。加えて取り込んだものについては、体内なら自由に動かせるみたいだ。
しかし灰色のスライムになっていない部分にも移動させることができたことで、僕はあることに気がつく。
「え? もしかして……」
それを見て僕は、もしかしたら全身が既にスライムになっているのではないかと、そう思ったのである。
うそ……だろ……。
つまり擬態クリーチャーと融合したことで、僕はこの容姿以外の部分を、失ったのかもしれなかった。
果たして僕は、まだ僕なのだろうか? 僕だと思い込んでいる、クリーチャーではないのだろうか? 一度脳みそも吹き飛んでいるし、僕が僕だと証明しづらい。
そんな考えが、既に本物かどうかも分からない脳内を駆け巡った。
「考えるな。考えちゃいけない。僕は僕だ。きっと魂的なものは、僕のままだ」
【吸収融合】で変わるのは、少しずつだと思っていた。いや、そう願望を抱いていたのかもしれない。
だけどそれが二回目で、全身が変わってしまったのである。それは全くもって、想定外の出来事だった。
正直このまま【吸収融合】を使い続けて、僕という存在は残り続けるのか、とても不安になってくる。
だけどそれを考えても、現状はどうしようもない。生き残るために、アレは必要なことだった。
僕は無理やりそう思い込んで、そのことを頭の隅に追いやる。そして再び、バー状のクッキーを左手に戻ってこさせた。
そして続けて意識してみれば、バー状のクッキーはあっという間に溶けて消える。消化したような感覚があり、エネルギー的な何かが少し満たされる感じがした。
たぶんこの方法で飲食をしても、問題は無い気がする。逆に普通はお腹を壊すようなものでも、この方法なら食べられるような気がした。
味覚も無いし、不味くても大丈夫だ。つまりそれは、人間やクリーチャーの死骸も、該当していることを意味していた。
故に道徳心や様々な葛藤を無視すれば、それでデスゲームでの食料問題は、解決してしまう。
なので僕の視線は、自然と二人の亡骸へと向けられたのだった。
自分の意志で行ったことだけど、本当に罪悪感とかはほとんどない。
おそらく本来なら死ぬような経験をしたことが、影響を及ぼしているのだろう。
それか擬態クリーチャーと融合したことで、精神にも異常をきたしている可能性もあった。
またなによりこの一という男が、人として唾棄すべき存在だったことが大きい。
たぶん相手が善人だったら、僕も手を下せなかっただろう。一という男くらい悪い方向へと振り切っていれば、今回のように躊躇うことはないはずだ。
どちらにしても、既に終わったことである。擬態クリーチャーと融合しなければ死んでいたので、現状はこれを受け入れることにした。
そうして僕は落ちているスマートウォッチを二つ拾うと、内容を確かめてみる。
名前:鉄尾一
年齢:26
性別:男
異能:鉄化
名前:馬場厚美
年齢:46
性別:女
異能:体臭使い
あの男は本名を、鉄尾一というらしい。異能は【鉄化】であり、見た通りの異能だったのだろう。
体やその一部を鉄化して、おそろしい破壊力と頑丈さを生み出していた。たぶん近接戦闘では、すごく強い部類だと思う。
正直不意打ち気味に倒せたから良かったものの、真剣勝負だったら普通に負けていたかもしれない。
一応擬態クリーチャーと融合したけど、まだ使い熟せるはずもなく、そもそも何ができるかも把握していなかった。
なのであの不意打ちで仕留められたことは、かなり運が良かったと思う。
次に馬場厚美という女性だけど、実年齢は46歳のようだ。ぱっと見では三十代前半だと思っていたので、驚きである。
まあ、それについては別にどうでもいいとして、異能は【体臭使い】という、一風変わったものだった。
どう見ても、戦闘系には見えない。もしかして僕のことを追いかけてこれたのは、この異能が関係しているのだろうか?
相手の体臭を記憶して、その者が移動したルートを、追いかけることができるのかもしれない。だとすれば、それなりに使える異能だろう。
一という男に殺されたものの、異能の相性は良さそうだった。獲物の居場所を特定する係と、戦う係で分けることができる。
だけど不思議なのは、僕が部屋に入るまで気がつかなかったことだ。もしかしたら自動的に判別できるものでは、無かったりするのかもしれない。
あとは自身の体臭を、操れる可能性がある。悪臭だったら、ある意味武器になりそうだ。けどあの厚美という女性は、何となく香水とかを使っていそうなイメージがあった。ただ香水をつければ体臭扱いになるかは、不明である。
とりあえずこれで二人の異能については、知ることができた。
続いてエンの移動も済ませておく。一という男は50エンで、厚美という女性は90エン持っていた。
そしてスマートウォッチを腰のビニール袋に入れたけど、流石にいっぱいになってきた。
現状ペットボトル×2、バー状のクッキー×2、スマートウォッチ×5である。流石にスマートウォッチの数が多い。
スマートウォッチは貴重品だし、何となく捨てるのはもったいなく感じていた。それにもしかしたら、後々何かに使えるかもしれない。
とりあえず、現状は持っておくことにする。どうしても捨てなければいけない状況になったら、その時に改めて考えようと思う。
そうして次は、【吸収融合】で融合した擬態クリーチャーについて考えることにした。
まず現状分かっていることは、頭が吹き飛んでもその破片が戻ってきて、元通りに修復されることである。
ただそれを行うと、非常にエネルギー的な何かを消費するので、過信はできない。
何度も短時間で行えば、おそらく餓死することになるだろう。本能的にそれが理解できた。
あとは現状だと不明なので、あの擬態クリーチャーの能力を思い出してみる。
まずは特徴として、人に擬態することが可能だった。本来はたぶん灰色のスライムのような感じであり、どういう訳かスキンヘッドの中年男性の姿で、池からぬるりと現れたのである。
つまりは、肉体を変化させる事ができるのだろうか? だとすれば、僕の右腕も人の手に戻せるかもしれない。
そう思い虫のクリーチャーと化した右腕に、意識を向けてみる。
んん? 何か変な感じがするな。少しムズムズしてきた。
するとそのとき、右手首あたりから生えていたアゴが、手首の中に収納されるかのようにして消えていく。
「おおっ!」
少し違和感があるけど、特に痛みなどはない。それよりもなんか、大きさ的に物理法則を無視している気がするけど、大丈夫だろうか?
そう思いつつ経過を見守ると、次にピンク色でイモムシのようだった腕が、人のそれに変わっていく。
「よし!」
この部分はとても気持ち悪かったので、僕は思わず歓喜の声を出してしまった。けれどもそんな喜びも束の間、変化はここで終わってしまう。
マジか。この右手は、このままなのか……。
黒っぽい硬質な外骨格のような手と、その中央にある虫のクリーチャーの口が残された。
う~ん。口は閉じさせれば目立たないとしても、この指先が尖った黒い硬質な手は、とても目立つことは間違いない。
いや、逆にこれなら見方によっては、かっこいいのかも? 黒い手甲に見えなくもないし、そういう異能だと言い張れば、問題はなさそうな気がする。
それに意識すれば、手首あたりからクワガタのような黒いアゴを、飛び出させることも可能のようだった。
これもまるでアメコミのヒーローみたいで、かっこいいかもしれない。
僕は高校生になって卒業したけど、過去に発症した中二病が、呼び起されるような感じがした。
そう思いつつ、アゴは再び収納しておく。慣れれば、収納もあっという間にできるようになるかもしれない。今はゆっくりと、腕の中に沈んでいく感じだ。
ちなみに出すときは、一瞬で出てくる。それがある意味、本来の正常な状態だからかもしれない。
そして僕にとってはこの能力だけで、既に大当たりである。これなら今後他のクリーチャーに【吸収融合】を発動しても、見た目だけなら人としてのものを保てるかもしれない。
さて、他にも何か、できることはあるのだろうか?
僕は何だかわくわくしながら、擬態クリーチャーの能力を思い出してみる。
確か他には、擬態を解いて灰色のスライムになって、その中に相手を取り込んでいたはずだ。その際に、少しずつだけど溶かしてもいた。
そう考えてまずは左手で、それができないか試してみる。すると次第に、左手が灰色のスライムへと変化していく。
「うわっ、何だか変な気分だ」
自分の左手が灰色のスライムになったことに対して、違和感がすごい。また意識すれば、自由に動かせるようだった。元に戻すことも可能なようである。
僕はそれを見届けると、試しに手持ちにあるバー状のクッキーを一つ開封した。そして再び左手を灰色のスライムに変えると、バー状のクッキーを取り込ませてみる。
なるほど。味覚的な何かは、特に何も感じないな。加えて取り込んだものについては、体内なら自由に動かせるみたいだ。
しかし灰色のスライムになっていない部分にも移動させることができたことで、僕はあることに気がつく。
「え? もしかして……」
それを見て僕は、もしかしたら全身が既にスライムになっているのではないかと、そう思ったのである。
うそ……だろ……。
つまり擬態クリーチャーと融合したことで、僕はこの容姿以外の部分を、失ったのかもしれなかった。
果たして僕は、まだ僕なのだろうか? 僕だと思い込んでいる、クリーチャーではないのだろうか? 一度脳みそも吹き飛んでいるし、僕が僕だと証明しづらい。
そんな考えが、既に本物かどうかも分からない脳内を駆け巡った。
「考えるな。考えちゃいけない。僕は僕だ。きっと魂的なものは、僕のままだ」
【吸収融合】で変わるのは、少しずつだと思っていた。いや、そう願望を抱いていたのかもしれない。
だけどそれが二回目で、全身が変わってしまったのである。それは全くもって、想定外の出来事だった。
正直このまま【吸収融合】を使い続けて、僕という存在は残り続けるのか、とても不安になってくる。
だけどそれを考えても、現状はどうしようもない。生き残るために、アレは必要なことだった。
僕は無理やりそう思い込んで、そのことを頭の隅に追いやる。そして再び、バー状のクッキーを左手に戻ってこさせた。
そして続けて意識してみれば、バー状のクッキーはあっという間に溶けて消える。消化したような感覚があり、エネルギー的な何かが少し満たされる感じがした。
たぶんこの方法で飲食をしても、問題は無い気がする。逆に普通はお腹を壊すようなものでも、この方法なら食べられるような気がした。
味覚も無いし、不味くても大丈夫だ。つまりそれは、人間やクリーチャーの死骸も、該当していることを意味していた。
故に道徳心や様々な葛藤を無視すれば、それでデスゲームでの食料問題は、解決してしまう。
なので僕の視線は、自然と二人の亡骸へと向けられたのだった。
あなたにおすすめの小説
さびれたレンタル道具屋の転生おっさん、道具の使い方を教えまくる。~客のS級冒険者が俺を歴戦の英雄と勘違いして弟子入りを求めてくるんだが~
遥風 かずら
ファンタジー
前世で過労死した久世織人が目を覚ますとそこは異世界の王都、しかも古道具屋の跡取り息子として転生していた。アクセル・リオットとして成長した彼は荷物持ちとして冒険者パーティーに同行、その道中に【無限収納】スキルを開花させる。
パーティー活動から離脱後、四十歳となったアクセルは前世の記憶を思い出し、儲かりそうという考えで道具レンタル屋を始めていた。客足もなく店がさびれる中、道具の使い方が出来てない冒険者によって治安の乱れや魔物討伐の失敗が続いているという話を常連客から聞かされる。あらゆる道具に精通するアクセルは客の冒険者に使い方を教えに行くことを思い立つ。
アクセルの教えにより、やがてS級冒険者や聖女、王女までも勘違いして彼の元には次々と弟子入りを求める者が現れていくのだった。
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
絶交した幼馴染と大学の合コンで再会した。
孤独な蛇
恋愛
中学生の浅野春樹は上級生と喧嘩騒動を起こしたことがあった。
その上、目つきが悪く地毛は茶髪のため不良少年のような扱いを受けて学校では孤立していた。
そんな中、幼馴染の深瀬志穂だけは春樹のことをいつも気遣ってくれていた。
同じ高校に行こうと声を掛けてくれる志穂の言葉に応えたい一心で受験勉強にも力を入れていた。
春樹にとって、学校で孤立していることは問題ではなかった。
昔から志穂が近くにいてくれるから……。
しかし、3年生なってから志穂の態度がよそよそしくなってきた。
登下校も別々になり、学校で話しかけてくることも無くなった。
志穂の心が自分から離れていってしまっている気がした春樹は焦っていた。
彼女と話がしたい。笑った顔が見たい。
志穂と一緒に帰ろうと、彼女が部活動を行っている体育館へ向かったのだが……。
そこで春樹が耳にしたのは、自分の悪口を言って部活の友達と楽しそうにしている志穂の声だった。
その瞬間、春樹の中で志穂に対する想いや信頼は……消滅した。
国虎の楽隠居への野望・十七ヶ国版
カバタ山
ファンタジー
信長以前の戦国時代の畿内。
そこでは「両細川の乱」と呼ばれる、細川京兆家を巡る同族の血で血を洗う争いが続いていた。
勝者は細川 氏綱か? それとも三好 長慶か?
いや、本当の勝者は陸の孤島とも言われる土佐国安芸の地に生を受けた現代からの転生者であった。
史実通りならば土佐の出来人、長宗我部 元親に踏み台とされる武将「安芸 国虎」。
運命に立ち向かわんと足掻いた結果、土佐は勿論西日本を席巻する勢力へと成り上がる。
もう一人の転生者、安田 親信がその偉業を裏から支えていた。
明日にも楽隠居をしたいと借金返済のために商いに精を出す安芸 国虎と、安芸 国虎に天下を取らせたいと暗躍する安田 親信。
結果、多くの人を巻き込み、人生を狂わせ、後へは引けない所へ引き摺られていく。
この話はそんな奇妙なコメディである。
設定はガバガバです。間違って書いている箇所もあるかも知れません。
特に序盤は有名武将は登場しません。
不定期更新。合間に書く作品なので更新は遅いです。
ゴボウでモンスターを倒したら、トップ配信者になりました。
あけちともあき
ファンタジー
冴えない高校生女子、きら星はづき(配信ネーム)。
彼女は陰キャな自分を変えるため、今巷で話題のダンジョン配信をしようと思い立つ。
初配信の同接はわずか3人。
しかしその配信でゴボウを使ってゴブリンを撃退した切り抜き動画が作られ、はづきはSNSのトレンドに。
はづきのチャンネルの登録者数は増え、有名冒険配信会社の所属配信者と偶然コラボしたことで、さらにはづきの名前は知れ渡る。
ついには超有名配信者に言及されるほどにまで名前が広がるが、そこから逆恨みした超有名配信者のガチ恋勢により、あわやダンジョン内でアカウントBANに。
だが、そこから華麗に復活した姿が、今までで最高のバズりを引き起こす。
増え続ける登録者数と、留まる事を知らない同接の増加。
ついには、親しくなった有名会社の配信者の本格デビュー配信に呼ばれ、正式にコラボ。
トップ配信者への道をひた走ることになってしまったはづき。
そこへ、おバカな迷惑系アワチューバーが引き起こしたモンスタースタンピード、『ダンジョンハザード』がおそいかかり……。
これまで培ったコネと、大量の同接の力ではづきはこれを鎮圧することになる。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
出戻り国家錬金術師は村でスローライフを送りたい
新川キナ
ファンタジー
主人公の少年ジンが村を出て10年。
国家錬金術師となって帰ってきた。
村の見た目は、あまり変わっていないようでも、そこに住む人々は色々と変化してて……
そんな出戻り主人公が故郷で錬金工房を開いて生活していこうと思っていた矢先。王都で付き合っていた貧乏貴族令嬢の元カノが突撃してきた。
「私に貴方の子種をちょうだい!」
「嫌です」
恋に仕事に夢にと忙しい田舎ライフを送る青年ジンの物語。
※話を改稿しました。内容が若干変わったり、登場人物が増えたりしています。
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~
榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。
彼はその日から探索者――シーカーを目指した。
そして遂に訪れた覚醒の日。
「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」
スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。
「幸運の強化って……」
幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。
そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。
そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。
だが彼は知らない。
ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。
しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。
これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。