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第十二章
420 相手の繰り出したサーヴァント
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まずハンス側で召喚したのは、熟女のカザーセだった。
「現れなさい! キュッコン!」
「――!!」
そうして現れたのは、無数の鋭い蔓を持つ巨大なモンスター。
大きさは直径約五メートル程の、茶色い球根のような見た目をしている。
他にも細い根がいくつも生えており、移動も可能のようだった。
その見た目に、おれは既視感を覚える。
あれは、俺が所持しているウィップバルブを大きくしたような感じだな。
過去にエルフの大陸でカード化したモンスターの、上位種かもしれない。
ちなみにそんなウィップバルブのステータス内容は、こんな感じだった。
種族:ウィップバルブ
種族特性
【身体操作上昇(小)】【鞭適性】
【ウィップ】【ドレイン】
おそらくあのキュッコンと名付けられたモンスターも、似たような傾向のステータス内容だろう。
正直鑑定したいところだが、試合中に相手のモンスターを鑑定することはマナー違反だ。
仮に気づかれると、面倒なことになるだろう。
それに超鑑定になっても、気づかれやすさは実のところ以前の鑑定と変わらない。
変わったのは、鑑定効果が通りやすくなったことがメインである。
そもそも鑑定は、相手のステータス内容が少ないほどに、発覚のリスクが低下するようなのだ。
スキルが多ければ多いほど、相手に鑑定が気づかれるリスクが上昇するのである。
また感覚系や精神系のスキルを所持していると、鑑定に気づきやすくなるようだ。
もちろん鑑定妨害を所持して入れば、スキルの数など関係なく、気がつくと思われる。
こうした鑑定の発覚は、相手のステータス内容を読み取る量が増えることで、起きる問題だろう。
なので安易にここで、鑑定を行うことはできなかった。
ちなみにこうした試合ではモラルの無い客が、普通に鑑定を飛ばしてくる。今回も飛ばしてきているが、完璧にガードしておいた。
また鑑定を飛ばしてきた者の顔は覚えたから、もし今後遭遇したら罰を与えようと思う。
そういう訳で相手を鑑定できない以上、何をするのか予想しながら戦う必要がある。
だがそれは相手も同じなので、問題はない。むしろ事前にハンスの情報収集をしていたこちらの方が、有利なはずだ。
すると俺がそう思っている間に、今度はガマッセが召喚する。
「次こそやっちまえ、ガマゴール!!」
「ゲココッ!!」
ガマッセが召喚したのは、トードーナイトのガマゴールだ。
昨日倒したのだが、どうやら復活に間に合ったらしい。
いや、よく見ればガマッセがやつれているし、寿命を対価にして復活させたのだろう。
ハンスに出場しなければ、副隊長への話しは無かったことにすると言われたのかもしれない。
まあギリギリまで時間と魔力で復活に近づけていれば、消費する寿命もそこまで多くはないだろう。
それとトードーナイトのガマゴールは、人型カエルの騎士系モンスターだ。戦い方のバランスは取れていたが、物理ばかりだった。
なのでハイレイスを向かわせれば、見事に刺さりだろう。ハイレイスは物理無効だからな。
続いてサマンサが、サーヴァントを召喚する。
「アルベルト、やってしまいなさい!」
「ぶふぅ!」
サマンサが召喚したのは、以前見たオークソーサラーだった。茶色いローブ姿であり、手には杖を持っている。
あのオークソーサラー、そんなかっこいい名前だったのか。
そんなことを思いつつも、オークソーサラーについて思い出す。
確かあの時は、火属性魔法を使っていたはずだ。範囲攻撃も可能だろうし、できるだけ早く倒した方がいいかもしれない。
数で攻めるソイルセンチピートの眷属や、魔法が弱点のハイレイスとの相性は悪いだろう。
このオークソーサラーがどうなるかで、試合も大きく変わっていくと思われる。
そうして次は、ハプンがサーヴァントを召喚した。
「プンク。頼みましたよ」
「ブゥ!!」
ハプンが召喚したのは、ハイオークである。青い肌をしている以外は、普通のオークと変わらない。
だが今回は、騎士風の装備に身を包んでいた。馬車でのときには、見られなかった物である。
なるほど。こうした試合専用の装備を、所持していたということか。
普段使わせないのは、種族由来の装備以外が失われた場合、元には戻らないからかもしれない。
サーヴァントが倒されて復活しても、壊れた装備はそのままなのである。
だがそれで使役者自身が死亡したら本末転倒なのだが、ハプンにはそうしたケチな部分があったのだろう。
ハプンは一見まともそうなのだが、以前唐突にハンスをパーティに入れて面倒を見てほしいと言ってきたことからも分かる通り、やはりどこか普通ではないのだろう。
まあ、それについては最早どうでもいい。問題はハイオークだ。
ハイオークは以前カード化したが、ハパンナ子爵に譲渡してしまっている。確かそのステータス内容は、こんな感じだったはずだ。
種族:ハイオーク
種族特性
【集団指揮】【無属性適性】
【パワーアップ】【腕力上昇(小)】
【体力上昇(小)】【悪食】【他種族交配】
ハイオークは指揮官係で、なおかつバッファーでもある。身体能力もオークより高いので、物理戦闘も熟せるモンスターだ。
おそらく個性を伸ばしているならば、様々な無属性魔法のバフを味方に付与するだろう。
指揮も可能なことを考えれば、こちらもやっかい極まりない。オークソーサラーと同様に、なるべく早めに倒した方がいいだろう。
そして最後に、いよいよハンスがサーヴァントを召喚した。
「現れよ! 選ばれし俺のサーヴァント! キング! この愚か者に真の実力を見せてやれ!」
「ぶふぇっふぇ」
魔道具から拡声されたハンスの言葉と共に、サーヴァントが現れる。
その見た目は、全身金色のゴージャスな成金服に身を包んだ、通常よりも太った醜いオークだった。
更に手には黄色い杖を持ち、赤い王冠と金色のマントを身に纏っている。
指には様々な宝石の指輪が嵌められており、口元からはみ出ている二本の牙も、金色だった。
どう見ても強くはなさそうだが、その見た目に騙されてはいけない。
何よりキングと呼ばれたオークは、あるモンスターに乗っていた。
それは巨大な緑亀のモンスターであり、背中には豪華な鞍が取り付けられている。そこに、キングが乗っていた。
またそれだけではなく、その横には護衛のように、一体の赤いサハギンがキングを守っている。
そう。ハンスがキングを召喚すると同時に、この二体も現れたのだ。
しかしこれは、第三者が召喚したのではなく、またハンスが複数のサーヴァントを所持しているという訳でもない。
これはキング。種族名オークミリオネアの種族特性である、【側近雇用】の効果なのである。
金銭を払うことで、二体までモンスターを一時的に支配下に置くことが可能なスキルらしい。
もちろんサーヴァントと違い一度倒されれば復活しないが、金さえあれば減っても後から補充可能なのである。
ちなみに俺がハンスのサーヴァントについて詳しいのには、理由があった。
実のところハンスのサーヴァントについては、既に十分な情報を得ていたのである。
しかしそれもそのはずで、ハンスは成り上がる際に、周囲に散々自身のサーヴァントについて自慢をしていたからだ。
加えてハンス自身の心の声からも、多くの情報を得られている。なのでキングの種族特性などについて、俺は十分に知っていたのだ。
ちなみにハプンとサマンサのサーヴァントについては、そこまで多くの情報は得られなかった。
俺が既に持っていた情報と、そこまで差は無い。これはハプンとサマンサが、普段は別の街にいたり、あまり手の内を衆目に晒していなかったからだろう。
また俺もハンスの情報を集中して探っていたので、情報を集めきれなかったというのもある。
そもそも昨日の時点では、こうした五対五の試合をするとも思っていなかったしな。
けどそれについては、今更どうしようもない。それよりも五対五の試合が、五対七に変わった事の方が問題だ。
あの大きな緑亀はシールドタートルというCランクのモンスターであり、セマカの町の新しいダンジョンに生息している。
赤いサハギン、ハイサハギンも生息地は同様だ。魚に人の手足を生やした独特のモンスターであり、その手には種族由来の槍を持っている。大きさも、成人男性くらいだ。
こちらもCランクのモンスターなので、それなりに強い。
今のところBランクのモンスターには手が届いていないみたいだが、いずれこのままだとハンスはどうにかして、それを手に入れることだろう。
なのでここで潰しておかないと、プリミナやエーゲルたちが酷い目に遭う可能性が高い。
更なる力を手に入れたら、ハンスがより一層増長することは、目に見えている。
ハンスが増長するだけの理由が、このオークミリオネアのキングには、存在しているのだ。
それほどまでに特殊で、優秀なサーヴァントなのである。
「現れなさい! キュッコン!」
「――!!」
そうして現れたのは、無数の鋭い蔓を持つ巨大なモンスター。
大きさは直径約五メートル程の、茶色い球根のような見た目をしている。
他にも細い根がいくつも生えており、移動も可能のようだった。
その見た目に、おれは既視感を覚える。
あれは、俺が所持しているウィップバルブを大きくしたような感じだな。
過去にエルフの大陸でカード化したモンスターの、上位種かもしれない。
ちなみにそんなウィップバルブのステータス内容は、こんな感じだった。
種族:ウィップバルブ
種族特性
【身体操作上昇(小)】【鞭適性】
【ウィップ】【ドレイン】
おそらくあのキュッコンと名付けられたモンスターも、似たような傾向のステータス内容だろう。
正直鑑定したいところだが、試合中に相手のモンスターを鑑定することはマナー違反だ。
仮に気づかれると、面倒なことになるだろう。
それに超鑑定になっても、気づかれやすさは実のところ以前の鑑定と変わらない。
変わったのは、鑑定効果が通りやすくなったことがメインである。
そもそも鑑定は、相手のステータス内容が少ないほどに、発覚のリスクが低下するようなのだ。
スキルが多ければ多いほど、相手に鑑定が気づかれるリスクが上昇するのである。
また感覚系や精神系のスキルを所持していると、鑑定に気づきやすくなるようだ。
もちろん鑑定妨害を所持して入れば、スキルの数など関係なく、気がつくと思われる。
こうした鑑定の発覚は、相手のステータス内容を読み取る量が増えることで、起きる問題だろう。
なので安易にここで、鑑定を行うことはできなかった。
ちなみにこうした試合ではモラルの無い客が、普通に鑑定を飛ばしてくる。今回も飛ばしてきているが、完璧にガードしておいた。
また鑑定を飛ばしてきた者の顔は覚えたから、もし今後遭遇したら罰を与えようと思う。
そういう訳で相手を鑑定できない以上、何をするのか予想しながら戦う必要がある。
だがそれは相手も同じなので、問題はない。むしろ事前にハンスの情報収集をしていたこちらの方が、有利なはずだ。
すると俺がそう思っている間に、今度はガマッセが召喚する。
「次こそやっちまえ、ガマゴール!!」
「ゲココッ!!」
ガマッセが召喚したのは、トードーナイトのガマゴールだ。
昨日倒したのだが、どうやら復活に間に合ったらしい。
いや、よく見ればガマッセがやつれているし、寿命を対価にして復活させたのだろう。
ハンスに出場しなければ、副隊長への話しは無かったことにすると言われたのかもしれない。
まあギリギリまで時間と魔力で復活に近づけていれば、消費する寿命もそこまで多くはないだろう。
それとトードーナイトのガマゴールは、人型カエルの騎士系モンスターだ。戦い方のバランスは取れていたが、物理ばかりだった。
なのでハイレイスを向かわせれば、見事に刺さりだろう。ハイレイスは物理無効だからな。
続いてサマンサが、サーヴァントを召喚する。
「アルベルト、やってしまいなさい!」
「ぶふぅ!」
サマンサが召喚したのは、以前見たオークソーサラーだった。茶色いローブ姿であり、手には杖を持っている。
あのオークソーサラー、そんなかっこいい名前だったのか。
そんなことを思いつつも、オークソーサラーについて思い出す。
確かあの時は、火属性魔法を使っていたはずだ。範囲攻撃も可能だろうし、できるだけ早く倒した方がいいかもしれない。
数で攻めるソイルセンチピートの眷属や、魔法が弱点のハイレイスとの相性は悪いだろう。
このオークソーサラーがどうなるかで、試合も大きく変わっていくと思われる。
そうして次は、ハプンがサーヴァントを召喚した。
「プンク。頼みましたよ」
「ブゥ!!」
ハプンが召喚したのは、ハイオークである。青い肌をしている以外は、普通のオークと変わらない。
だが今回は、騎士風の装備に身を包んでいた。馬車でのときには、見られなかった物である。
なるほど。こうした試合専用の装備を、所持していたということか。
普段使わせないのは、種族由来の装備以外が失われた場合、元には戻らないからかもしれない。
サーヴァントが倒されて復活しても、壊れた装備はそのままなのである。
だがそれで使役者自身が死亡したら本末転倒なのだが、ハプンにはそうしたケチな部分があったのだろう。
ハプンは一見まともそうなのだが、以前唐突にハンスをパーティに入れて面倒を見てほしいと言ってきたことからも分かる通り、やはりどこか普通ではないのだろう。
まあ、それについては最早どうでもいい。問題はハイオークだ。
ハイオークは以前カード化したが、ハパンナ子爵に譲渡してしまっている。確かそのステータス内容は、こんな感じだったはずだ。
種族:ハイオーク
種族特性
【集団指揮】【無属性適性】
【パワーアップ】【腕力上昇(小)】
【体力上昇(小)】【悪食】【他種族交配】
ハイオークは指揮官係で、なおかつバッファーでもある。身体能力もオークより高いので、物理戦闘も熟せるモンスターだ。
おそらく個性を伸ばしているならば、様々な無属性魔法のバフを味方に付与するだろう。
指揮も可能なことを考えれば、こちらもやっかい極まりない。オークソーサラーと同様に、なるべく早めに倒した方がいいだろう。
そして最後に、いよいよハンスがサーヴァントを召喚した。
「現れよ! 選ばれし俺のサーヴァント! キング! この愚か者に真の実力を見せてやれ!」
「ぶふぇっふぇ」
魔道具から拡声されたハンスの言葉と共に、サーヴァントが現れる。
その見た目は、全身金色のゴージャスな成金服に身を包んだ、通常よりも太った醜いオークだった。
更に手には黄色い杖を持ち、赤い王冠と金色のマントを身に纏っている。
指には様々な宝石の指輪が嵌められており、口元からはみ出ている二本の牙も、金色だった。
どう見ても強くはなさそうだが、その見た目に騙されてはいけない。
何よりキングと呼ばれたオークは、あるモンスターに乗っていた。
それは巨大な緑亀のモンスターであり、背中には豪華な鞍が取り付けられている。そこに、キングが乗っていた。
またそれだけではなく、その横には護衛のように、一体の赤いサハギンがキングを守っている。
そう。ハンスがキングを召喚すると同時に、この二体も現れたのだ。
しかしこれは、第三者が召喚したのではなく、またハンスが複数のサーヴァントを所持しているという訳でもない。
これはキング。種族名オークミリオネアの種族特性である、【側近雇用】の効果なのである。
金銭を払うことで、二体までモンスターを一時的に支配下に置くことが可能なスキルらしい。
もちろんサーヴァントと違い一度倒されれば復活しないが、金さえあれば減っても後から補充可能なのである。
ちなみに俺がハンスのサーヴァントについて詳しいのには、理由があった。
実のところハンスのサーヴァントについては、既に十分な情報を得ていたのである。
しかしそれもそのはずで、ハンスは成り上がる際に、周囲に散々自身のサーヴァントについて自慢をしていたからだ。
加えてハンス自身の心の声からも、多くの情報を得られている。なのでキングの種族特性などについて、俺は十分に知っていたのだ。
ちなみにハプンとサマンサのサーヴァントについては、そこまで多くの情報は得られなかった。
俺が既に持っていた情報と、そこまで差は無い。これはハプンとサマンサが、普段は別の街にいたり、あまり手の内を衆目に晒していなかったからだろう。
また俺もハンスの情報を集中して探っていたので、情報を集めきれなかったというのもある。
そもそも昨日の時点では、こうした五対五の試合をするとも思っていなかったしな。
けどそれについては、今更どうしようもない。それよりも五対五の試合が、五対七に変わった事の方が問題だ。
あの大きな緑亀はシールドタートルというCランクのモンスターであり、セマカの町の新しいダンジョンに生息している。
赤いサハギン、ハイサハギンも生息地は同様だ。魚に人の手足を生やした独特のモンスターであり、その手には種族由来の槍を持っている。大きさも、成人男性くらいだ。
こちらもCランクのモンスターなので、それなりに強い。
今のところBランクのモンスターには手が届いていないみたいだが、いずれこのままだとハンスはどうにかして、それを手に入れることだろう。
なのでここで潰しておかないと、プリミナやエーゲルたちが酷い目に遭う可能性が高い。
更なる力を手に入れたら、ハンスがより一層増長することは、目に見えている。
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