506 / 535
第十二章
SS ヴラシュが城に辿り着くまで ①
しおりを挟む
※推奨読了話数194話くらいです。
__________
僕の名前はヴラシュ・シルバニア。種族はヴァンパイアだ。年齢は18歳で、性別は男。
少し小柄で華奢なところが、少々コンプレックス。人見知りで根暗なところもあり、黒い前髪も目が隠れるまで伸ばしている。
戦うことなんて、全くできない。種族的には強いみたいだけど、僕の戦闘センスの無さがそれを台無しにしているらしい。
けどそんな僕だけど、神授スキルの【不死者の友達】のおかげで、こうしてやっていけている。
ちなみにこの不死者の友達の効果は、アンデッド系やそれに近い存在と、仲良くできる効果だった。また仲良くなればなるほど、恩恵があったりする。
最初はもっとマシな神授スキルがほしかったと思ったけど、今ではこの神授スキルで本当に良かった。これがあったからこそ、僕は運命的な出会いをしたのだから。
そしてそれを話すには、まず最初から語ろうと思う。
まず僕は真っ白な空間で、不死者の友達という神授スキルを手に入れた。
けどこのとき僕は、人族だと異端な目で見られて、生きづらいと思ったんだ。でもだからといって、アンデッド系になる勇気も無かった。
だからその中間的な雰囲気のする、ヴァンパイアを選択したんだよね。名前はヴァンパイアのイメージから、ヴラシュ・シルバニアにした。
ヴァンパイアはポイントこそ低かったけど、その代わりにデメリットスキルがたくさん付いている。このままではまともに暮らすのも、難しそうだった。
なのでそのデメリットスキルをポイントで消して、弱点を消すことにしたんだ。けどそのせいで、ポイントがかなり少なくなったんだよね。
また残りのポイントは戦闘をする気は元々なかったから、生産系と便利系のエクストラを少し取った。あとは転移場所の安全と、ヴァンパイアだから血液袋のアイテムを選択したんだよね。
これで準備が整い、僕は異世界へと旅立ったんだ。けど転移した先は、荒れ果てた魔界のような場所だったんだよね。
紫色の空に、灰色の地面。岩と枯れ木が所々にあり、生命が一切感じられなかった。
安全な転移場所を選択したのに、これはあんまりだと嘆いた記憶がある。
僕の異世界での始まりは、とても過酷だったんだ。もし人族だったら、この時点でダメだったかもしれない。
でも幸いヴァンパイアだったから、生き延びることができた。ヴァンパイアは生命力が高く、食事も血液を定期的に摂取していれば、死ぬことはない。それでも仮に血液袋を選んでいなければ、ヴァンパイアでもきつかっただろう。
また薄暗いとはいえ、太陽の光も克服している。弱点を消しておいて、正解だった。こんな場所では、太陽の光から逃げ続けるのは不可能だったはずだ。
何より、休憩できそうな建物なども一切見当たらない。このとき周囲には人工物は無く、途方に暮れていたんだよね。
だから僕はその後人のいる場所を求めて、歩き出したんだ。一応偽装のエクストラも取ったから、人に会ってもヴァンパイアだと簡単には見抜かれない。そんな油断もあった。
けどいくら歩き続けても、人工物は一向に見つからない。それどころか、道中は何体ものモンスターを見かけた。
それはゾンビやスケルトンというモンスターだったけど、当時の僕はそれを知らない。
一応不死者の友達という神授スキルがあったけど、試すどころか怖くて近づけなかった。
でも避け続けることは難しく、あるとき偶然見つけた岩の穴の中で眠っていると、何かが僕を覗き込んでいたんだ。
ふと目が覚めると、それと目が合った。いや、実際に相手には目が無かったので、ちょっと違うかもしれない。
そう。相手はスケルトンだったんだ。
僕は恐怖で震えていたけど、スケルトンはこちらを覗き込んでいるだけで、何もしてこなかった。
でもしばらくして、僕が怖がっているのを理解したのか、去ってしまったんだ。
今思えば、とても失礼なことをしたと思う。だけどこれで僕は、不死者の友達という神授スキルの効果をこのとき、初めて実感したんだよね。
__________
僕の名前はヴラシュ・シルバニア。種族はヴァンパイアだ。年齢は18歳で、性別は男。
少し小柄で華奢なところが、少々コンプレックス。人見知りで根暗なところもあり、黒い前髪も目が隠れるまで伸ばしている。
戦うことなんて、全くできない。種族的には強いみたいだけど、僕の戦闘センスの無さがそれを台無しにしているらしい。
けどそんな僕だけど、神授スキルの【不死者の友達】のおかげで、こうしてやっていけている。
ちなみにこの不死者の友達の効果は、アンデッド系やそれに近い存在と、仲良くできる効果だった。また仲良くなればなるほど、恩恵があったりする。
最初はもっとマシな神授スキルがほしかったと思ったけど、今ではこの神授スキルで本当に良かった。これがあったからこそ、僕は運命的な出会いをしたのだから。
そしてそれを話すには、まず最初から語ろうと思う。
まず僕は真っ白な空間で、不死者の友達という神授スキルを手に入れた。
けどこのとき僕は、人族だと異端な目で見られて、生きづらいと思ったんだ。でもだからといって、アンデッド系になる勇気も無かった。
だからその中間的な雰囲気のする、ヴァンパイアを選択したんだよね。名前はヴァンパイアのイメージから、ヴラシュ・シルバニアにした。
ヴァンパイアはポイントこそ低かったけど、その代わりにデメリットスキルがたくさん付いている。このままではまともに暮らすのも、難しそうだった。
なのでそのデメリットスキルをポイントで消して、弱点を消すことにしたんだ。けどそのせいで、ポイントがかなり少なくなったんだよね。
また残りのポイントは戦闘をする気は元々なかったから、生産系と便利系のエクストラを少し取った。あとは転移場所の安全と、ヴァンパイアだから血液袋のアイテムを選択したんだよね。
これで準備が整い、僕は異世界へと旅立ったんだ。けど転移した先は、荒れ果てた魔界のような場所だったんだよね。
紫色の空に、灰色の地面。岩と枯れ木が所々にあり、生命が一切感じられなかった。
安全な転移場所を選択したのに、これはあんまりだと嘆いた記憶がある。
僕の異世界での始まりは、とても過酷だったんだ。もし人族だったら、この時点でダメだったかもしれない。
でも幸いヴァンパイアだったから、生き延びることができた。ヴァンパイアは生命力が高く、食事も血液を定期的に摂取していれば、死ぬことはない。それでも仮に血液袋を選んでいなければ、ヴァンパイアでもきつかっただろう。
また薄暗いとはいえ、太陽の光も克服している。弱点を消しておいて、正解だった。こんな場所では、太陽の光から逃げ続けるのは不可能だったはずだ。
何より、休憩できそうな建物なども一切見当たらない。このとき周囲には人工物は無く、途方に暮れていたんだよね。
だから僕はその後人のいる場所を求めて、歩き出したんだ。一応偽装のエクストラも取ったから、人に会ってもヴァンパイアだと簡単には見抜かれない。そんな油断もあった。
けどいくら歩き続けても、人工物は一向に見つからない。それどころか、道中は何体ものモンスターを見かけた。
それはゾンビやスケルトンというモンスターだったけど、当時の僕はそれを知らない。
一応不死者の友達という神授スキルがあったけど、試すどころか怖くて近づけなかった。
でも避け続けることは難しく、あるとき偶然見つけた岩の穴の中で眠っていると、何かが僕を覗き込んでいたんだ。
ふと目が覚めると、それと目が合った。いや、実際に相手には目が無かったので、ちょっと違うかもしれない。
そう。相手はスケルトンだったんだ。
僕は恐怖で震えていたけど、スケルトンはこちらを覗き込んでいるだけで、何もしてこなかった。
でもしばらくして、僕が怖がっているのを理解したのか、去ってしまったんだ。
今思えば、とても失礼なことをしたと思う。だけどこれで僕は、不死者の友達という神授スキルの効果をこのとき、初めて実感したんだよね。
74
あなたにおすすめの小説
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
実家にガチャが来たそしてダンジョンが出来た ~スキルを沢山獲得してこの世界で最強になるようです~
仮実谷 望
ファンタジー
とあるサイトを眺めていると隠しリンクを踏んでしまう。主人公はそのサイトでガチャを廻してしまうとサイトからガチャが家に来た。突然の不可思議現象に戸惑うがすぐに納得する。そしてガチャから引いたダンジョンの芽がダンジョンになりダンジョンに入ることになる。
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!
あけちともあき
ファンタジー
無能テイマーとしてSランクパーティをクビになったオース。
モフモフテイマーという、モフモフモンスター専門のテイマーであった彼は、すぐに最強モンスター『マーナガルム』をテイムするが……。
実はオースこそが、Sランクパーティを支える最強メンバーだったのだ。
あらゆるモンスターへの深い知識。
様々なクラスを持つことによる、並外れた器用さ。
自由になったオースは、知識の力で最高の冒険者へと成り上がっていく。
降って湧いた凶悪な依頼の数々。
オースはこれを次々に解決する。
誰もがオースを最高の冒険者だと認めるようになっていく。
さらに、新たなモフモフモンスターが現れて、仲間も増えて……。
やがて、世界を巻き込む陰謀にオースは関わっていくのだ。
スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす
Gai
ファンタジー
人を助けた代わりにバイクに轢かれた男、工藤 英二
その魂は異世界へと送られ、第二の人生を送ることになった。
侯爵家の三男として生まれ、順風満帆な人生を過ごせる……とは限らない。
裕福な家庭に生まれたとしても、生きていいく中で面倒な壁とぶつかることはある。
そこで先天性スキル、糸を手に入れた。
だが、その糸はただの糸ではなく、英二が生きていく上で大いに役立つスキルとなる。
「おいおい、あんまり糸を嘗めるんじゃねぇぞ」
少々強気な性格を崩さず、英二は己が生きたい道を行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる