倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~

乃神レンガ

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第十二章

SS ヴラシュが城に辿り着くまで ①

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※推奨読了話数194話くらいです。
 __________

 僕の名前はヴラシュ・シルバニア。種族はヴァンパイアだ。年齢は18歳で、性別は男。

 少し小柄で華奢きゃしゃなところが、少々コンプレックス。人見知りで根暗なところもあり、黒い前髪も目が隠れるまで伸ばしている。

 戦うことなんて、全くできない。種族的には強いみたいだけど、僕の戦闘センスの無さがそれを台無しにしているらしい。

 けどそんな僕だけど、神授スキルの【不死者の友達】のおかげで、こうしてやっていけている。

 ちなみにこの不死者の友達の効果は、アンデッド系やそれに近い存在と、仲良くできる効果だった。また仲良くなればなるほど、恩恵があったりする。

 最初はもっとマシな神授スキルがほしかったと思ったけど、今ではこの神授スキルで本当に良かった。これがあったからこそ、僕は運命的な出会いをしたのだから。

 そしてそれを話すには、まず最初から語ろうと思う。

 まず僕は真っ白な空間で、不死者の友達という神授スキルを手に入れた。

 けどこのとき僕は、人族だと異端な目で見られて、生きづらいと思ったんだ。でもだからといって、アンデッド系になる勇気も無かった。

 だからその中間的な雰囲気のする、ヴァンパイアを選択したんだよね。名前はヴァンパイアのイメージから、ヴラシュ・シルバニアにした。

 ヴァンパイアはポイントこそ低かったけど、その代わりにデメリットスキルがたくさん付いている。このままではまともに暮らすのも、難しそうだった。

 なのでそのデメリットスキルをポイントで消して、弱点を消すことにしたんだ。けどそのせいで、ポイントがかなり少なくなったんだよね。

 また残りのポイントは戦闘をする気は元々なかったから、生産系と便利系のエクストラを少し取った。あとは転移場所の安全と、ヴァンパイアだから血液袋のアイテムを選択したんだよね。

 これで準備が整い、僕は異世界へと旅立ったんだ。けど転移した先は、荒れ果てた魔界のような場所だったんだよね。

 紫色の空に、灰色の地面。岩と枯れ木が所々にあり、生命が一切感じられなかった。

 安全な転移場所を選択したのに、これはあんまりだとなげいた記憶がある。

 僕の異世界での始まりは、とても過酷だったんだ。もし人族だったら、この時点でダメだったかもしれない。

 でも幸いヴァンパイアだったから、生き延びることができた。ヴァンパイアは生命力が高く、食事も血液を定期的に摂取していれば、死ぬことはない。それでも仮に血液袋を選んでいなければ、ヴァンパイアでもきつかっただろう。

 また薄暗いとはいえ、太陽の光も克服こくふくしている。弱点を消しておいて、正解だった。こんな場所では、太陽の光から逃げ続けるのは不可能だったはずだ。

 何より、休憩できそうな建物なども一切見当たらない。このとき周囲には人工物は無く、途方に暮れていたんだよね。

 だから僕はその後人のいる場所を求めて、歩き出したんだ。一応偽装のエクストラも取ったから、人に会ってもヴァンパイアだと簡単には見抜かれない。そんな油断もあった。

 けどいくら歩き続けても、人工物は一向に見つからない。それどころか、道中は何体ものモンスターを見かけた。

 それはゾンビやスケルトンというモンスターだったけど、当時の僕はそれを知らない。

 一応不死者の友達という神授スキルがあったけど、試すどころか怖くて近づけなかった。

 でも避け続けることは難しく、あるとき偶然見つけた岩の穴の中で眠っていると、何かが僕を覗き込んでいたんだ。

 ふと目が覚めると、それと目が合った。いや、実際に相手には目が無かったので、ちょっと違うかもしれない。

 そう。相手はスケルトンだったんだ。

 僕は恐怖で震えていたけど、スケルトンはこちらを覗き込んでいるだけで、何もしてこなかった。

 でもしばらくして、僕が怖がっているのを理解したのか、去ってしまったんだ。

 今思えば、とても失礼なことをしたと思う。だけどこれで僕は、不死者の友達という神授スキルの効果をこのとき、初めて実感したんだよね。

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