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第三章
088 ツクロダダンジョン ②
しおりを挟むダンジョンを進みながら、俺は地図を描いている。
これまでのダンジョンでは、モンスターに道案内をさせていた。
なので地図を描くという事が頭になく、同じ場所まで来るのに時間がかかってしまう。
ちなみに紙とペンは、ストレージから出していた。
またブラッドは見た目が狼男なので、こうした細かい作業には向かない。
対して俺は両手足を獣から人に変えられるので、地図は俺が描くしかなかった。
そうしてようやく、元の場所まで戻って来たわけである。
壁の一部が破壊されたままなので、間違いない。
かなり時間を喰ってしまったな。
だが嘆いたところで仕方が無いし、ここは切り替えていこう。
そう思いながら、俺たちは先へと進む。
モンスターは相変わらず、スケルトンしか現れない。
スケルトンのカードは既に十枚確保したので、これ以上カード化する気はなかった。
また宝箱も発見して、ブラッドに罠を解除させている。
気になる中身は、これだった。
名称:ヒノキっぽい棒
説明
・装備すると勇気が湧いてくるかもしれない。
・製作者が死亡した場合、この武器は自壊する。
鑑定してみれば、正にゴミ装備と言える物が出てくる。
ブラッドも鑑定ができるようで、この棒はいらないみたいだった。
当然俺も必要ないので、この棒は宝箱に戻しておく。
それからもいくつか宝箱を見つけたが、どれも持っていく気が起きなかった。
なぜならその全てに、『製作者が死亡した場合、この○○は自壊する』という効果がついていたからである。
これからツクロダを始末しに行く以上、持っていても意味がない。
そもそもツクロダの作ったアイテムや装備など、使う気にはなれなかった。
なので次からは、宝箱自体をスルーすることを決める。
だがそれからダンジョンを進んでいくと、行き止まりの床に面白いものを発見した。
名称:召喚の魔法陣(スケルトン)
説明
・魔力を供給することで、一定の間隔でスケルトンを召喚する。
・製作者が死亡した場合、この魔法陣は自壊する。
どうやらこの人工ダンジョンにモンスターを供給していたのは、この魔法陣らしい。
ツクロダの神授スキルは、ここまでの物を作れるのか。
魔力さえあれば、無限にモンスターを呼び出せるのかもしれない。
おそらくあの大量のリビングアーマーも、こうした魔法陣から呼び出した可能性がある。
このままツクロダの成長を許せば、いずれAランクやSランクモンスターを召喚できるようになるかもしれない。
いや、もしかしたら、既にできるのだろうか?
ダンジョンを進んでいけば、それも分かるだろう。
ちなみに魔法陣は、そのまま放置した。
破壊してまたスタート地点に戻されては、たまらない。
そうしてダンジョンを突き進み、ようやく階段を見つける。
いったい何階層あるか分からないが、このまま進むしかない。
俺たちは警戒しながらも、二階層目へと下りていく。
そして二階層目も引き続き、似たような光景が広がっていた。
灰色の壁に、光る石が天井に埋め込まれている感じだ。
しかし一階層目と違い、罠類は無かった。
その代わり、モンスターが増えている。
スケルトンはもちろんのこと、手足を模した石のモンスターも現れた。
種族:ロックハンド
種族特性
【浮遊】【集団行動】【硬化】
種族:ロックフット
種族特性
【浮遊】【集団行動】【硬化】
大きさは成人男性の手足程度だが、その数が多くてやっかいだ。
何より硬化のスキルでより硬くなり、こちらに飛んでくるのである。
頭部に直撃すれば、流石の俺も危ない。
しかし分かりやすい弱点があるので、そこを狙えば簡単に倒せた。
ロックハンドの手の平には目があり、ロックフットの場合は足の裏に目がある。
まあ、弱点を狙わなくても、獣化した腕で簡単に粉砕できたのだが。
だが本来、こいつらはとてもやっかいなのだろう。
実際ブラッドは、少々手こずっている。
複数体から一度に襲われると、攻撃よりも回避することに集中してしまうからだ。
俺の場合はレフとの融合で感覚が研ぎ澄まされており、またダークネスチェインを併用すれば対処は余裕だった。
またカード化も当然行っており、使えそうなのでなるべく数を集めることにする。
そのために俺は、この二種類を進んで倒していった。
結果としてロックハンドとロックフットをそれぞれ五十枚、合計百枚手に入れる。
加えてこの二層目は、この二種+スケルトンの物量作戦だったらしく、他に特出するべき場所は無かった。
宝箱は開ける必要すらないので、スルーしている。
そうして俺とブラッドは二階層目を進み、無事に三階層目への階段を見つけた。
二層目は順調に進めたな。この階層ではブラッドも戦闘に貢献していたし、次もこの感じで頼むぞ。
俺は心の中でそう思いながら、三階層目に下りた。
三階層目は、霧が辺りを満たしている。
視界が悪く、先がよく見えない。
何があるか分からないので、俺たちは慎重に進んでいく。
ちなみに先頭を歩かせていたゴブリンは、二階層目でカードが尽きている。
元々王城に来るまでに何匹か消費していたこともあり、召喚可能な個体が既に残っていなかった。
なので代わりのモンスターを召喚しようと思ったのだが、ブラッドが嗅覚で敵がいないか判断するという。
また罠も先頭から直接見つけるので、任せてほしいとのこと。
一理あると思ったので、先頭はブラッドに頼ることにした。
罠の発見や対処、嗅覚については、俺よりも優れていることは間違いない。
そうして先を進んでいたのだが、しばらくして問題が発生した。
「ガ、ガラダガ……」
「え?」
突然ブラッドがそう言って、床に倒れる。
俺は周囲を警戒するが、何も感じない。
敵がいる訳ではなさそうだった。
また何か罠にでもやられたのかと思ったが、そうした物も無い。
なのでブラッドへと慎重に近づき、様子を確認する。
それによって分かったのは、どうやら麻痺によって動けないということだった。
モンスターでもなく、設置された罠類でもない。
であるならば、この麻痺を引き起こしたのはおそらく、周囲に満ちる霧だろう。
それ以外、現状では考えられない。
俺は元々デミゴッドで状態異常に強いこともあり、体に不調などは見られなかった。
しかし絶対ではないので、この階層に長居するのは危険である。
俺はダークネスチェインでブラッドを引きずりながら、先へと進むことにした。
この状態では、地図なども描いていられない。
また種族特性に耐性は無いが、麻痺に何となく強そうなアシッドスライムを複数匹召喚しておく。
種族:アシッドスライム
種族特性
【強酸】【酸弾】【分裂】
【再生】【酸耐性(大)】
とりあえず前後を任せ、俺は守りを固めた。
するとそれから数分後、狙ったようにモンスターが現れる。
出てくるのは今のところスケルトンだが、向こうは麻痺が効いていないようだ。
やはり種族特性に耐性が無くても、効かないモンスターはいるらしい。
ここまでモンスターが出なかったのは、おそらくこちらが麻痺で弱るのを待っていたからだろう。
実際、ブラッドは動けなくなった。
麻痺に耐性が無ければ、ここで詰んでいたかもしれない。
俺はそう思いながら、スケルトンを蹴散らしていく。
アシッドスライムにも、酸弾を使わせた。
スケルトンくらいなら、余裕だな。
そう一息ついたところで、次の面倒がやってくる。
見れば薄っすらとだが、先の通路に罠が張り巡らされていた。
まじか、ブラッドが動けないときに限ってこれか。
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