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第九章
SS ミシェルの過去 ②
しおりを挟む※推奨読了話数079話までくらい。
※①の続きです。
__________
けど私がある程度成長したある日、義理の父と実の母が、私を上位貴族に売った。
家の簒奪を主導した、あの上位貴族だ。それからの日々は、まさに地獄だったわ。あまりにも酷くて、思い出したくもない。
そして最後には飽きられて、捨てられたの。幸いだったのは、上位貴族らしく避妊を徹底していた事ね。
無駄に血族が増えると、面倒ですもの。
これで晴れて私も自由。そう思っていたけど、不幸はこれで終わらない。捨てられた私には、何もなかったの。
だから、行き着く先は娼館だったわ。何年もそこで働いて、気がつけば子供を産めない体になっていた。
私には、本当に何もない。結局病気になって、娼館からも追い出されたわ。
その頃には、この国の全てに恨みしかなかった。モン無しという理由だけで差別する国が、憎くて仕方がなかったわ。
だってそうでしょ? サモナーであっても、私はこんなにも惨めですもの。
サモナーもテイマーも、そしてモン無しだって、何も変わらないわ。
無駄な差別なんてなければ、私の本当の父も、不幸な死をとげずに済んだ。
だからこそもう、こんな国にはいられない。自分の命が残り短いからこそ、国から出たかった。
であれば、向かう先は一つだけ。そう、ラブライア王国よ。
ドラゴルーラ王国は、この国と大差ないわ。だから行くのは、ラブライア王国の一択。
そうして私は、必死な思いでやってきたこのラブライア王国で、運命の出会いをする。
私の全てを肯定してくれた人物、ツクロダ様と出会ったの。
そして私は、このオブール王国に復讐をしに戻ってきた。
ハパンナの街に来たのは、憎い義理の父と実の母、そして弟が来るからよ。
あの人たちが来た理由は、貴族の間で有名になってきている、リード・ハパンナの試合を見に来るためらしいわ。テイマー至上主義らしい考えね。
ハパンナ家には年頃の娘もいるみたいだし、繋がりを作ろうとしているのかもしれない。
義理の父の寄り親と、ハパンナ子爵の寄り親は仲が良いわ。
それに当主は私の弟だし、爵位に差があっても当主の妻であれば、政略結婚が成功する可能性はありそうね。
まあ、今更そんなことはどうでもいいわ。事が始まれば、絶対に逃がさないもの。
また元々私が会場担当ではなかったけど、イレギュラーな事態で私が担当になった。
当初はガボンとどちらが会場を襲うかで揉めていたところ、ツクロダ様にジャンケンなる方法で決めろと怒鳴られてしまったの。
それで結果ジャンケンなる方法で負けてしまい、私の担当がモンスター園になってしまった。
ツクロダ様にお願いしたのだけど、その時は無理だったわ。けどツクロダ様はこのことも、見越していたに違いない。
だってツクロダ様の未来視が、間違う事なんてありえないもの。そうに違いないわ。ツクロダ様も、素直じゃないわね。ふふ。
そうして、時間が来た。
私は出場者のサモナーとテイマーたちを殺し、そのついでに義理の父と実の母。そして弟を始末させたわ。
場所は最初から分かっていたから、リビングアーマーに命じて撃たせれば簡単だった。
やったわ! これで次はあの上位貴族もブチ殺して、ラブライア王国を崩壊に導いてあげる! 全てはツクロダ様のために!
けど、そんな私に、立ちはだかる者が現れる。
なんでよ。なんでこうなるのよ……。
私は、敗北した。
ツクロダ様、申し訳ございません。
けど、復讐ができたことで、私の気持ちはどこか満足していたのかもしれない。
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