異世界妖魔大戦〜転生者は戦争に備え改革を実行し、戦勝の為に身を投ずる〜

金華高乃

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第18章 ドエニプラ攻防戦編

第10話 『シェーコフの庭荒らし作戦』発動。

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 ・・10・・
 10の月14の日
 午前6時10分
 ドエニプラ西部ドエニコルツの森

 ドエニプラ西部に広がるドエニコルツの森。
 ドエニコルツの森はコルツォークが枝分かれし合流するまでにある中洲に存在している森林と沼沢の混在地帯である。
 アカツキだけでなく人類諸国統合軍帝国侵攻軍参謀本部や地元出身者の多い妖魔帝国軍ですらこの地を経由して大規模な侵攻を行わなかったのはアカツキや作戦参謀長との会話の通りである。
 だが、軍略面において相手の嫌がる作戦を好んで用いるアカツキはこの地を使わない理由は無かった。人類諸国統合軍にしても、である。
 その結果決行される事となったのが主攻たる南北方面軍が戦闘中に、ドエニコルツの森を横断した上で妖魔帝国軍を西から横撃する作戦、通称『シェーコフの庭荒らし作戦』である。
 この作戦に投入されるのは、能力者化師団から選抜の一個連隊とアカツキ直轄のアレン中佐率いる一個大隊の計三五〇〇名によるドエニプラ特別選抜増強連隊。補助戦力として『ロイヤル・フライヤーズ』が航空支援を、水先案内人として妖魔諸種族連合共和国軍のドエニプラ方面出身者だ。
 作戦の流れは簡潔に述べると以下のようになる。

 1、夜中の内に増強連隊が順次ドエニコルツの森へ侵入。魔力隠蔽した後に分散配置して待機。

 2、欺瞞として南部方面に展開の統合軍がツェリコフ方面へ包囲の一環として攻勢を強める作戦を決行。これは事実として行われるが、ドエニプラを南北両面からの攻勢と併せて行われるので、兵力分散化の狙いがある。

 3、夜明けと共にまずアレン中佐の大隊による奇襲。続けて連隊による攻撃も行う。この時、『ロイヤル・フライヤーズ』による空襲も敢行。

 4、敵が混乱したと同時に主攻たる南北両面軍が強襲。これを持って一挙にドエニプラへの包囲を狭めるものとする。


 本作戦は十の月も中旬となり例年ならば十一の月には確実に雪がちらつき始める為、ドエニプラ包囲をより確実にする為の特殊作戦である。
 作戦の鍵となる増強連隊は前日夜中のうちに魔力を隠匿した上で分散化。
 水先案内人と地図を頼りに敵の航空偵察を受けにくい沼沢地帯を越えて所定の位置についていた。
 アレン中佐とその部下達も作戦通り指定区域にいた。隣には妖魔諸種族連合共和国軍の水先案内人、比較的若い男性士官のゴルド中尉が何度も地図と目印になるものを確認していた。

「ゴルド中尉、どうだ」

「へい。間違いありませんな。子供の頃に迷いかけた辺りになると思いますぜ」

「よし。君は戦闘開始となれば最前線に赴かなくてもいい。我々は最大速度で突撃するからな」

「アイサー。俺じゃあ早晩くたばっちまいますからね。見守らさせて頂きやすよ」

「うん。それでいい。さて、情報の通りならここから三キーラ程度で奴らの前衛陣地か。アリッサ大尉」

「は。ここに」

「万が一の退路の確保はどうだ?」

 アレン中佐が声をかけたのは凛々しさを感じる女性士官のアリッサ大尉だった。

「地図通りならばいくつかのルートは策定済みです。私の部隊が退路確保用に後詰めしていますが、いざ乱戦となれば航空支援を要請して確実に退けるようにします」

「頼んだ。本任務はアカツキ中将閣下肝煎りの作戦で、我々は最先鋒の名誉を授かった。我らの行動の如何によって作戦も左右される。だが、もしもの時はよろしく」

「了解しました、アレン中佐。では、私は所定に戻ります」

「了解」

 アリッサ大尉は敬礼すると、後方に戻っていく。
 彼は嫁からの贈り物である懐中時計――何年か前に誕生日にプレゼントされたもの――を見つめる。時刻は午前六時四十五分。間もなく日の出の時間を迎える。
 作戦開始時刻は午前七時。既に欺瞞攻勢のツェリコフ方面では戦闘が始まっている時間であり、わずかだが南東の方角からは砲撃音なども聞こえてきていた。

「無線封鎖解除まで十分です」

「総員、兵器類の最終チェックを怠るな。作戦が始まれば息つく暇もない。いかに速く動き、いかに敵を混乱させるかが鍵になる」

 彼の部下達は頷き、武装の最終チェックを始める。
 いくら彼等が歴戦の猛者で最精鋭であったとしても、敵の真っ只中に突っ込むのである。誰一人として欠ける事無く作戦を成功させられるとは思えないし、戦死者も出るだろう。
 現にアレン中佐の大隊でさえオディッサの戦いからこれまでに十名程度の戦死者と二十数名の野戦病院送り――それも復帰に時間のかかる重傷者――が出ている。
 これでも一般的な最前線投入部隊と比較すればマシな数字だ。それだけ帝国軍との戦争は激しくなってしまったのである。
 だが、彼等はこの事実に物怖じはしない。戦友が死ねば無論悲しむ。昨日まで笑って飯を食っていた者がもしかしたらいなくなっているのかもしれないのだ。
 しかし、繰り返すが彼等は最精鋭である。上官に忠誠を誓い、いざ危機となれば進んで殿を務めようとする猛者つわもの達である。

「作戦開始まで三分」

「帝国軍には勘づかれていないようだ。さすがにシェーコフ大将であっても、これだけの大所帯が横っ腹を刺してくるとは思っていないのだろうな」

 アレン中佐はメガネの真ん中を指で押さえて悪どく笑むと、部下達も凶暴な笑みを見せる。

「帝国軍のシェーコフ大将は中将閣下の仰る通り、優秀な指揮官でしょう。ですが、師団級指揮官や旅団級指揮官は彼に劣ります。まあ、それでも以前の帝国軍指揮官よりずっと厄介になりましたが」

 彼の左隣にいる副官の男性少佐は率直な感想を述べると周りにいる者達は、

「違いありませんなあ」

「だが、張り合いがある程度」

「我らが中将閣下には遠く及びませんよ」

「シェーコフとやらでやっと中将閣下とどっこいでは?」

「そのシェーコフ大将も、実戦では未知数ですけど中将閣下には勝てませんよ」

「あぁ、何せ中将閣下にはエイジス殿がいる」

「リイナ准将閣下もおられるしな」

「そして、我々だ」

 小さい声だが、自らを鼓舞させる意味も含めて自信に満ちた発言をする彼等。
 作戦開始まで残り一分。増強連隊の展開地域では将兵が魔法銃や召喚武器を手に握り時を待つ。
 ある者は神に無事帰還するのを誓い、ある者は家族や恋人からの贈り物にキスをしたり一言捧げる。
 そして。

「作戦開始時刻です、アレン中佐」

「――総員、作戦行動開始だ。奴等の庭を荒らしまくれ」

『了解』

 アカツキのつるぎたちは動き出した。


 ・・Φ・・
 同日
 午前6時30分頃
 妖魔帝国軍ドエニプラ方面軍司令部地下壕

「早朝から元気なものだな、連中は。今度はツェリコフ方面への攻勢か」

「この様子だと丸一日でしょうね。統合軍の奴等はまだ兵士に余裕があるのか、士気の高い兵士が後方から送られてきているようで」

「前線で疲労した兵士は後方へ送られ、代わりを寄越す程度には予備戦力があるんだろう。もしくは、本国からの補充がまだ間に合う状態か。いずれにせよ、連中も連中で総力戦の覚悟はとっくに出来ているのだろう」

 古今東西の前線にいる普通の軍人ならば起床時刻である午前六時半。だがシェーコフ大将とチョスカー少将は、ここ二週間の間は通常より早い時間に始まる攻勢の対応で既に司令部に控えていた。
 情報は逐次司令部に伝わってくる。ツェリコフ方面への攻勢が予想より強まっており、対応に追われていたのである。
 人類諸国統合軍はドエニプラ郊外の都市を占領してから、次の目標をドエニプラだけでなく南の近郊都市に向けたりドエニプラ北北東方面にも向けていたのである。
 その数こそ主攻たるドエニプラ南北両面軍よりは少ないものの、ツェリコフには三個師団が向けられていた。当然無視できる勢力ではなく、ドエニプラから一個師団を抽出して支援に向かわせる事が決まっていた。スケジュール通りならば一個師団の救援は昼までには全てが到着する。元々ドエニプラ南部方面に配置させていた部隊だからだ。代償としてドエニプラ中央付近にいた部隊を南部に転換させることになってしまったが。

「しかし、統合軍は嫌らしい動きをしてきますね。先の戦いまでは新兵器と奇策を織り交ぜて来ましたが、今度は正攻法ですか」

「一番頭がマーチス元帥なだけでも面倒だ。ただ、彼は良くも悪くもマトモな軍人だ。ドクトリンに忠実だからな」

「敵ながら元帥たる者ならば、最良ではないでしょうか」

「うむ。だが問題はアカツキだ。何をしでかすか分からん。ここしばらくは大人しいのも気にかかる」

「中将にしてはよく前線に姿を現しますからね、奴は。しかし、立場的にそうしょっちゅうとはいかないのではないでしょうか?」

「どうだかな。奴が正面立って出られても困るが、暗躍されるのはもっと厄介だ。こと、奴の行動に関する通信は暗号強度が複雑過ぎて解読すらおぼつかん。――ともかく、常に警戒は怠らんことだ。ドエニプラを失陥すれば退却したとて対抗可能な拠点がない。いや、あるにはあるが遠すぎる」

「ご最もです」

「シェーコフ大将閣下、ツェリコフ方面防衛軍より通信であります」

 シェーコフ大将とチョスカー少将が統合軍の作戦をどうにか読もうと話し合っていると、通信要員からツェリコフ方面からの通信があったと伝えられる。

「内容はなんだ?」

「『黎明れいめいに伴い、敵航空戦力が出現。数は約二五から三〇』です」

「少なくは無い数だな……。連中、南側も押さえるつもりか?」

「現状南部方面は遮断されたも同然で、東部方面からの補給も空襲で妨害されています。ですが、南からも包囲されるとなるとかなり辛い戦いを強いられることになりますね……」

「そうだなチョスカー。北部方面はドエニの森がある。あそこまでは大挙して突破はしてこんだろうから、南部方面で包囲を仕掛けてくるのは正攻法だ。そもそも北部はコルロフカ以外に目立った防衛拠点は無い。新たに構築するならば別だが、連中も兵力は限りがある。故に南部だろう」

 シェーコフ大将の予測はある意味では的中していた。
 統合軍は北部方面への進撃はドエニプラ方向を除いてあまり注力をしていない。洗脳化光龍飛行隊によって南部方面軍と比較して損害が大きかったという点もあるが、単純にコルロフカ以東はドエニプラを包囲するのに不便だからである。

「今日はこのドエニプラを南北から迫ってくる本軍とツェリコフ方面への対処か。手札はあるが、まだ使わない。敵の攻勢を挫く時こそアレは使える。リチリアでは例の死んだ女軍人に殺られたが、そうはいかん。少なくともアカツキが出てくるまでは殺戮の時間だろう」

「あぁ、アレですね。何せ通常型より強力ですからいい戦力になりますが、如何せん数は多くありませんから」

 二人が話すアレの投入はずっと後ではないが、今日ではなかった。
 しかし、その判断が裏目に出てしまったのである。
 例えば、もしアレと呼ばれる手札をドエニの森を経由して北部方面の統合軍に浸透攻撃をしていれば。
 例えば、ドエニの森でなくドエニコルツの森を経由していれば。
 例えば、今日の時点で南北両面の統合軍に正面投入していれば。
 何れにしても統合軍の作戦は覆っていただろう。
 だが、そうはならなかったのだ。
 時刻は午前七時を過ぎた。統合軍にとっても、帝国軍にとっても岐路となる時間である。
 シェーコフ大将は確かに有能だ。帝国軍の中では五本の指に入ると言っても過言ではない。
 しかしそれでも、アカツキの策を最後まで見破る事は叶わなかった。
 シェーコフ大将とチョスカー少将は一息つく為に通気孔のある辺りで煙草を吸っていた頃だった。
 司令部地下壕において、異変を最初に伝えられたのは通信要員だった。
 彼はみるみるうちに顔を真っ青に変えていくと同時に、まくし立てるようにこう言った。

「き、緊急報告! 緊急報告です! ドエニプラ北部方面展開の防衛軍より連絡!! 『我、ドエニコルツの森方面より人類諸国統合軍部隊から側面奇襲を受けり!! 規模は旅団以上師団未満!! 練度我が軍を凌駕し、蹂躙されている!!』と!!」

「な、なんだと!?!?」

 常識的観点から数千の敵軍がドエニコルツの森を越えて奇襲を仕掛けてくるなどかんがえていなかったシェーコフ大将は、通信要員からの報告に手に持つ煙草を落として驚愕した。
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