この美少女幼馴染はただの教育係です!

手垢

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第1話 美少女幼馴染だけど教育係だとなんかうざいよね

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 「あぁ、結婚してぇー」
 「何バカなこと言ってるの?彼女すらできたことないのに結婚なんて生意気、だぞ?」
 「……」
 「……え?」
 「彼女なら、いるし…」
 「そ、それってとうとう認めてくれたのね!今日から私がカーノ…!ッグァ!」
 「寄るな来るな抱き着こうとするなっ」
 幼馴染の男子に飛びつこうとする、黙っていれば超絶美少女の顔面を無造作にも手のひらで押さえつけたのはどこにでもいそうな、ザ・モブキャラな高校2年生男子だった。
 「う、うわぁキタね、なんか汁付いたわ。」
 「し、汁とかいうなぁー!たっくんが、顔ぐしゃってするからだよ~。」
 手のひらについた、おそらくほかの男子からしたらご褒美汁ともいえるそれを、美少女の制服のブレザーにこすりつけた。
 泣きっ面に汁といった感じで、自分の愛情を全てあだで返された少女は、泣きそうな顔でこうちゃんと呼ばれた少年の右手に持ったスマホを遠目で見た。
 「……何、それ?」
 「それっていうなよ。俺の嫁を物みたいに言うな」
 「まだたっくん、そういうことやってるの?」
 若干どころではなく引き気味になった少女は呆れたようなしぐさをして少年の横へ座り、体を向けて咳払いをした。
 女子高生の甘い香りのようなものが咳払いにのって少年の鼻をくすぐった。さすがに無視できなくなり、スマホのホームボタンを押すと電源を切って少しだけ背筋を伸ばした。
 「…な、なんだよ。」
 「たっくん、何回も言うけどね、スマホの中の女の子とは結婚できないんだよ?」
 そんなことを突然言い出すものだから、公園を通り過ぎていく帰宅者たちが彼らの座るベンチの方へと集中した。
 視線を感じて少年の方は気まずくなって下を向き、立ち上がってその場を去ろうとした。
 公園の出口へと歩き出した少年の裾をつかんだ。
 周りからは、うおぉ、カップルが喧嘩してるぞ、とか、あんなかわいい子振るってどういうことだよ、というヤジが聞こえてくる。羞恥心と感じる必要のない申し訳なさで少年は逆再生のようにベンチへと戻った。
 「まだ、話は終わってないんだよ?いい?たっくんは、それはゲームとか小説とかではたくさんの女の子と接してきたかもしれないけど、そんな都合のいい女の子はこの世には存在しないって、古代ギリシャから言われて続けているんだよ?ねぇ、聞いてる?」
 (誰だよそんな酷な格言を残した古代ギリシャ人は?なにトンだよ、なにテレスだよ。)
 心の中ではそんなツッコミでも入れないと恥ずかしさで消えてしまいそうだった。それからしばらくは少年のゆがんだ女性観をただすため、という名目でお説教が続いたのであった。
 そもそもなんで二人は公園に二人きりでいるのかって?実はそれも含めて彼女はこのさえない男子高校生の教育係なのである。

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