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第七十五話 悪党許すまじ
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翌早朝、ローズとニーファさんとヒュアちゃんの四人で朝食の準備をしています。
メニューは塩鯖とお味噌汁、肉じゃが、オクラとハムのサラダ、そして、大盛りご飯と海苔と納豆、生卵にしました。
日本の朝ご飯の完成です。
修行組は食べ終わるとすぐに出かけていきました。
「ノコ様」
S級冒険者、サビアさんとシロイさんが話しかけてきました。
この二人は、もうずっとここに住みついて、もう家族の一員になっています。
「はい、何でしょう」
「実はギルド長に言われて、国王招待選手として武闘会に出場することになりました」
「そうですか。手加減は入りませんので、全力で戦って下さい」
「ふふふ……」
二人は笑っていますが、きっと複雑な心境なのでしょう。
本当はノコファミリーとして出場したいのかもしれませんね。
ギルド枠でも王様直々の招待なら、名誉な事だと僕は思います。
ケガをしない程度に頑張って欲しいと思います。
まあ、家の高校生四天王と戦うなら、全力で四天王しか応援しませんけどね。
そして、朝食の片付けが終ると、エルフの皆さんには、さらわれた可哀想な人達を家に帰す仕事をまかせました。
僕は人さらいのアジトへ、獣人のバッキーさんとパッチさんの二人と黒猫マリーの四人で出かけました。
アジトの中央のキャンプファイヤーを片付けて、そこに長椅子を用意して門の真正面に座りました。
僕が長椅子の中央に座り、両脇に美人の獣人を両脇に座らせ、膝の上に黒猫マリーを乗っけています。
僕の頭の中は、三国志の悪役董卓をイメージしています。
故にやりたくは無いですが、獣人の二人の肩を抱き寄せました。
内心、「セクハラです」とか、「な、何をするのですか」とか言われないかビクビクしていましたが何か様子がおかしいです。
「あ、あのー、もっと近づいてもよろしいのでしょうか」
バッキーさんが赤くなってもじもじしながら近づいてきます。
「じゃ、じゅあ、俺も」
パッチさんは俺っ子ですね。き、嫌いじゃありません。
もじもじしながら赤くなってひっついてきます。
やばいこれじゃあ、本当に董卓です。
世紀末の悪役のボスです。
やばいことに胸が腕にあたっています。
「あー、やっぱり少し離れて貰っても、よろしいですか」
「見て下さい!」
あー、僕の言ったことはすっかり無視されました。
黒猫マリーの背中が震えています。
バッキーさんの指さす方向を見ると、ピカピカ光るものが見えてきました。
武装した兵士と、馬車が近づいてきます。
「な、なんだ、これは」
開け放してある門の前で、兵士の隊長らしき男が驚いています。
よかったー早く来てくれて。
内心ほっとしていますが僕は、それをみじんも見せずに、董卓を演じます。
「ふん、貴様達は何者だ」
僕は悪役っぽくドスをきかせて言い放ってやりました。
「か、かわいいーー」
うん、予想していた反応と全く違います。
門をくぐった兵士と獣人二人まで言っています。
僕は恥ずかしくって真っ赤になりました。
「かしらはどうした、今日はお前達を連れていけばいいのか」
隊長が話しかけてきました。
「かしらは死にました。僕達はあなた達をこらしめようと待ち構えています」
「がーはっはっは、馬鹿なのかお前達は、こっちは三十人以上いるんだぞ。なぶり殺しにしてやるわ」
「ノコ様、どうしますか」
「ふふふ、二人の強さは大体想像出来ますが、ここは僕がやりましょう」
僕がマリーを抱っこして立ち上がると、一人の兵士が前にでました。
「ま、待ってくれ、い、今なんと言った」
「え、ここは僕がやりましょう」
すごい剣幕だったので思わず答えてしまいました。
「ちがーーう、あんたじゃねー。そっちの獣耳のねーちゃんの方だ」
「ど、どうしますか」
バッキーさんが何のことかわからずにしどろもどろで答えます。
「ちがーーう、その前だ、ノコ様と言っただろう」
何だよう、ここはもう一回聞くところだろう。自分で答えてしまいやがった。
「言いましたがそれがなにか」
バッキーさんも少し不機嫌に答えます。
「あんたがノコ様か」
僕はゆっくり何も言わずうなずいた。
「お、俺の名前はクリードだ」
「そう言われても、全然知りません」
「ひゃーーはっはっは、この方はなー、カドモス領の兵士長だったお方だ。カドモス侯爵に来て欲しいと懇願されて、パリス国ゼルバン大将軍の二倍の給料で雇われていたほどのお方なのだ」
自慢げに隊長がニヤニヤしながら説明している。
「やめろ、そういう事では無い。このノコ様こそがカドモス様を倒したお方なのだ。あの日、俺は何も出来ずに隠れて難を逃れた。ノコ様相手に三十人などで勝てるわけがない」
「ばかな、こんな小娘三人に俺たちが負けるわけが無い」
「ふふふ、俺一人でもお前達三十人程度斬り殺せるぞ。その俺が、歯が立たねえって言っているんだ。この方は三千の兵をものの数分で全滅させられるお方だ」
どうやら、クリードさんは、カドモス領での戦いを知っているようです。
「では、どうなさいますか。僕は人さらいを許す気はありません」
メニューは塩鯖とお味噌汁、肉じゃが、オクラとハムのサラダ、そして、大盛りご飯と海苔と納豆、生卵にしました。
日本の朝ご飯の完成です。
修行組は食べ終わるとすぐに出かけていきました。
「ノコ様」
S級冒険者、サビアさんとシロイさんが話しかけてきました。
この二人は、もうずっとここに住みついて、もう家族の一員になっています。
「はい、何でしょう」
「実はギルド長に言われて、国王招待選手として武闘会に出場することになりました」
「そうですか。手加減は入りませんので、全力で戦って下さい」
「ふふふ……」
二人は笑っていますが、きっと複雑な心境なのでしょう。
本当はノコファミリーとして出場したいのかもしれませんね。
ギルド枠でも王様直々の招待なら、名誉な事だと僕は思います。
ケガをしない程度に頑張って欲しいと思います。
まあ、家の高校生四天王と戦うなら、全力で四天王しか応援しませんけどね。
そして、朝食の片付けが終ると、エルフの皆さんには、さらわれた可哀想な人達を家に帰す仕事をまかせました。
僕は人さらいのアジトへ、獣人のバッキーさんとパッチさんの二人と黒猫マリーの四人で出かけました。
アジトの中央のキャンプファイヤーを片付けて、そこに長椅子を用意して門の真正面に座りました。
僕が長椅子の中央に座り、両脇に美人の獣人を両脇に座らせ、膝の上に黒猫マリーを乗っけています。
僕の頭の中は、三国志の悪役董卓をイメージしています。
故にやりたくは無いですが、獣人の二人の肩を抱き寄せました。
内心、「セクハラです」とか、「な、何をするのですか」とか言われないかビクビクしていましたが何か様子がおかしいです。
「あ、あのー、もっと近づいてもよろしいのでしょうか」
バッキーさんが赤くなってもじもじしながら近づいてきます。
「じゃ、じゅあ、俺も」
パッチさんは俺っ子ですね。き、嫌いじゃありません。
もじもじしながら赤くなってひっついてきます。
やばいこれじゃあ、本当に董卓です。
世紀末の悪役のボスです。
やばいことに胸が腕にあたっています。
「あー、やっぱり少し離れて貰っても、よろしいですか」
「見て下さい!」
あー、僕の言ったことはすっかり無視されました。
黒猫マリーの背中が震えています。
バッキーさんの指さす方向を見ると、ピカピカ光るものが見えてきました。
武装した兵士と、馬車が近づいてきます。
「な、なんだ、これは」
開け放してある門の前で、兵士の隊長らしき男が驚いています。
よかったー早く来てくれて。
内心ほっとしていますが僕は、それをみじんも見せずに、董卓を演じます。
「ふん、貴様達は何者だ」
僕は悪役っぽくドスをきかせて言い放ってやりました。
「か、かわいいーー」
うん、予想していた反応と全く違います。
門をくぐった兵士と獣人二人まで言っています。
僕は恥ずかしくって真っ赤になりました。
「かしらはどうした、今日はお前達を連れていけばいいのか」
隊長が話しかけてきました。
「かしらは死にました。僕達はあなた達をこらしめようと待ち構えています」
「がーはっはっは、馬鹿なのかお前達は、こっちは三十人以上いるんだぞ。なぶり殺しにしてやるわ」
「ノコ様、どうしますか」
「ふふふ、二人の強さは大体想像出来ますが、ここは僕がやりましょう」
僕がマリーを抱っこして立ち上がると、一人の兵士が前にでました。
「ま、待ってくれ、い、今なんと言った」
「え、ここは僕がやりましょう」
すごい剣幕だったので思わず答えてしまいました。
「ちがーーう、あんたじゃねー。そっちの獣耳のねーちゃんの方だ」
「ど、どうしますか」
バッキーさんが何のことかわからずにしどろもどろで答えます。
「ちがーーう、その前だ、ノコ様と言っただろう」
何だよう、ここはもう一回聞くところだろう。自分で答えてしまいやがった。
「言いましたがそれがなにか」
バッキーさんも少し不機嫌に答えます。
「あんたがノコ様か」
僕はゆっくり何も言わずうなずいた。
「お、俺の名前はクリードだ」
「そう言われても、全然知りません」
「ひゃーーはっはっは、この方はなー、カドモス領の兵士長だったお方だ。カドモス侯爵に来て欲しいと懇願されて、パリス国ゼルバン大将軍の二倍の給料で雇われていたほどのお方なのだ」
自慢げに隊長がニヤニヤしながら説明している。
「やめろ、そういう事では無い。このノコ様こそがカドモス様を倒したお方なのだ。あの日、俺は何も出来ずに隠れて難を逃れた。ノコ様相手に三十人などで勝てるわけがない」
「ばかな、こんな小娘三人に俺たちが負けるわけが無い」
「ふふふ、俺一人でもお前達三十人程度斬り殺せるぞ。その俺が、歯が立たねえって言っているんだ。この方は三千の兵をものの数分で全滅させられるお方だ」
どうやら、クリードさんは、カドモス領での戦いを知っているようです。
「では、どうなさいますか。僕は人さらいを許す気はありません」
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