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第三十六話 勝利の代償
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隊列を組み歩いている黒勇者に、ガドは音も無く近づく。
憶えたての風魔法で二人の黒勇者を倒した。
もう一度二人を倒したとき、黒勇者は異変に気が付いた。
「敵だー、密集陣形」
号令とともに丸い分厚い盾を三段に重ね円形に陣を組んだ。
交点の隙間から槍を突き出して、中心の空間に槍を立て、真上からの侵入も防いでいる。
交点の槍を号令とともに時々突き出してくる。
しかもタイミングを取りにくいように号令の間隔が微妙にずれている。
槍を突き出した姿は、まるでウニだ。
下手に突っ込めば槍の餌食だ。
「ちっ、お手上げだぜ」
でも、まてよ俺が近づかなければ、その陣形役に立たんだろう。
そう思って、じっとしていると、黒勇者との間隔が開いていく。
あーこいつら、逃げてやーがる。
そして、襲われたことを報告する気か。
こいつらを相手にするより本隊に行った方が、まだ油断しているのでは無いだろうか。
そう判断した俺は、全速で敵本隊を目指した。
敵本隊は俺が来たときは、食事中で緩んでいたが、今は全員鎧を着込んでいる。
だが、武器までは装備していない。
やるなら今しか無いだろう。
俺は三千程いる黒勇者の中に飛び込んだ。
だが俺の存在は敵数十人を倒した所で、直ぐにバレて敵は完全武装を始めた。
「敵襲ー、密集陣形」
ちっ、また密集陣形だ。
俺は軽く考えていたが、百人ぐらいの密集陣形がいくつも出来ると、俺の逃げ場が無くなってきた。
ウニのように槍を出したまま、間隔を狭めてくる。
閉じ込められた俺は、陣形を飛び越えないと、串刺しになるように追い込まれてしまった。
「くそーやられた」
ジタバタしてもはじまらねー。
おれは、敵の盾に乗っかり密集陣形を二つ飛び越えこの敵の中から逃げ出す覚悟を決めた。
敵の盾に乗ったとき、叫び声があがった。
「ここだーー、ここにいるぞーー」
盾の持ち主が叫ぶと、周囲の槍がすべて突き出された。
その槍は、俺の左太ももと右脇腹を貫いた。
そして密集陣形の上に串刺しの状態になっている。
透明だから見えていないけどな。
俺は、もう助からないことを覚悟したが、このまま魔力を残すのももったいねーから竜巻をイメージして、全魔力を込めた。
竜巻は思ったより小さかった。
敵本隊を、俺ごと三分の二程ふき飛ばしただけで消えてしまった。
だが、俺を刺していた部隊も全滅したため、おれが瀕死なのはバレなかった。
竜巻で吹き飛ばされて地面に転がっている俺は、遠のく意識の中で黒勇者共が悲鳴を上げて、逃げていくのを確認出来た。
しかし、きつい、何がきついって、傷の痛みより魔力切れがきつい。
ついでに脇腹の傷口を確認したら、拳がズボッと入った。
憶えたての風魔法で二人の黒勇者を倒した。
もう一度二人を倒したとき、黒勇者は異変に気が付いた。
「敵だー、密集陣形」
号令とともに丸い分厚い盾を三段に重ね円形に陣を組んだ。
交点の隙間から槍を突き出して、中心の空間に槍を立て、真上からの侵入も防いでいる。
交点の槍を号令とともに時々突き出してくる。
しかもタイミングを取りにくいように号令の間隔が微妙にずれている。
槍を突き出した姿は、まるでウニだ。
下手に突っ込めば槍の餌食だ。
「ちっ、お手上げだぜ」
でも、まてよ俺が近づかなければ、その陣形役に立たんだろう。
そう思って、じっとしていると、黒勇者との間隔が開いていく。
あーこいつら、逃げてやーがる。
そして、襲われたことを報告する気か。
こいつらを相手にするより本隊に行った方が、まだ油断しているのでは無いだろうか。
そう判断した俺は、全速で敵本隊を目指した。
敵本隊は俺が来たときは、食事中で緩んでいたが、今は全員鎧を着込んでいる。
だが、武器までは装備していない。
やるなら今しか無いだろう。
俺は三千程いる黒勇者の中に飛び込んだ。
だが俺の存在は敵数十人を倒した所で、直ぐにバレて敵は完全武装を始めた。
「敵襲ー、密集陣形」
ちっ、また密集陣形だ。
俺は軽く考えていたが、百人ぐらいの密集陣形がいくつも出来ると、俺の逃げ場が無くなってきた。
ウニのように槍を出したまま、間隔を狭めてくる。
閉じ込められた俺は、陣形を飛び越えないと、串刺しになるように追い込まれてしまった。
「くそーやられた」
ジタバタしてもはじまらねー。
おれは、敵の盾に乗っかり密集陣形を二つ飛び越えこの敵の中から逃げ出す覚悟を決めた。
敵の盾に乗ったとき、叫び声があがった。
「ここだーー、ここにいるぞーー」
盾の持ち主が叫ぶと、周囲の槍がすべて突き出された。
その槍は、俺の左太ももと右脇腹を貫いた。
そして密集陣形の上に串刺しの状態になっている。
透明だから見えていないけどな。
俺は、もう助からないことを覚悟したが、このまま魔力を残すのももったいねーから竜巻をイメージして、全魔力を込めた。
竜巻は思ったより小さかった。
敵本隊を、俺ごと三分の二程ふき飛ばしただけで消えてしまった。
だが、俺を刺していた部隊も全滅したため、おれが瀕死なのはバレなかった。
竜巻で吹き飛ばされて地面に転がっている俺は、遠のく意識の中で黒勇者共が悲鳴を上げて、逃げていくのを確認出来た。
しかし、きつい、何がきついって、傷の痛みより魔力切れがきつい。
ついでに脇腹の傷口を確認したら、拳がズボッと入った。
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