11 / 180
第十一話 魔法の秘密
しおりを挟む
イネス郊外の林
「治癒」
あいの前にはロイが、一刀両断した魔獣の体があった。魔力はレイが魔封石に吸収したので、普通は放置か埋めるか、藪の中に捨ててしまうのだが、あいは治癒をかけた。
「すごい」
四人が感心している。体が腰のあたりで二つに切れていた魔獣が、普通のうさぎになって起き上がったからだ。
あいの治癒は心肺停止していてもどこかの細胞が一個でも生きていれば復活できるようだ。
パシ
すごい勢いであいがうさぎの耳をつかむ。
「この子どうしましょうか」
「痛そうだし逃がしてあげましょう」
耳をつかまれ、痛そうにもがいているうさぎを見てレイがいう。
「食べないのですか」
「はーあ」
団員四人が驚き声をだす。
「私たちは野生の動物はあまり、食べないわ」
「お肉が堅いし、変な臭いもあるから」
「それに、さばき方もよく分からないし」
レイがいうと、ガイが続く。
「血抜きをしないといけないし、内蔵の処理は見たことがあるが、気持ち悪すぎて俺にはできん」
「そうなんですか」
「よかったね、うさちゃん」
あいは、うれしそうにうさぎの耳から手を離した。
「あのうさぎ、もう魔獣にならないのかな」
「他のうさぎより、なりやすいわ」
メイが説明する。
「魔力に好かれているって言えばいいのか、適性があるって言えばいいのか」
「他のうさぎより魔獣になりやすいことはたしかよ」
「でも、いいじゃないかしら」
「魔獣になってくれた方が、又狩ればお金になるのだし」
「そう言う考え方もあるのか」
ロイが言う。メイが笑ってロイに話す。
「でも、今は漂っている魔力が薄くなっているから魔獣も減ってくると思うわ」
「北の魔女の復活か」
「そうね、巨大火柱以来どんどん、漂う魔力が減っているから」
「さあ狩りを再開しましょう」
伍イ団の狩りの作戦は、ガイ、ロイ、メイ、
が魔獣をあいの前におびき寄せ、あいが岩で仕留める作戦だ。
おびき寄せ係は順番に荷物番と入れ替わり、小さな魔獣はその場で仕留める。
今日はまだ、あいの手をわずらわせるような大物とは出会っていない。
「あいちゃん」
声の後に鹿の角の生えた、中型トラック程の大きさのかえるが現れた。
「飛べ」
岩がかえるに当たり、頭を吹き飛ばした。
「やったね」
嬉しそうにレイが駆け寄り、魔封石をかざす。
少し赤く輝いていた金貨五枚分の魔封石が白く輝きだした。
念のため、個人用の魔封石をあいとレイがかざした。少し赤く輝きだした。それ以上輝きに変化がないのを確認すると、
「治癒」
あいがかえるに治癒を掛けると、少し太めの鹿が現れた。
「なにこの魔獣、かえるじゃなくて鹿だったの」
あいとレイが笑い出す。
「あいちゃん、こっちに来てくれ」
あいとレイが声のする方に駆け出した。
そこには腹を半分程えぐられた、メイの姿があった。
メイの腹からは大量の血が出ており、所々赤い塊が出ていた。
メイは魔獣をかえると思い込み、跳ねて来ると身構えたところへ、突進され、角に引っかけられたのだ。
「うっ」
痛そうに苦しむメイにあいが治癒と回復の魔法を掛ける。
「治癒、回復」
メイの体はみるみる治っていった。
メイは復活すると、ガイとロイに近づきぽんぽんと蹴り出した。
「あなた達、なんでだまっていたの」
かなりご立腹である。
余りにも蹴り続けるので、両脇からあいとレイがヒョイと持ち上げ引き離す。
それでも怒りが収まらないのか、足をバタバタし宙を蹴っている。頬をぷくーと膨らまし、赤い顔をして足をパタパタしている美少女メイ。
かわいい。ガイがうっとりその姿をみている。
「メッ、メイさんなにがあったんですか」
レイがたまりかねて聞く。
「こ、こいつら」
メイがガイとロイを震えながら指さす。
「レイちゃんあのね」
「…それより体験したほうがいいわね」
「あいちゃん、レイちゃんに治癒と回復を掛けてあげて」
「はい、治癒、回復」
「なーー」
今度はレイがガイとロイの尻を本気で蹴った。
「いったい、何があったんですか」
今度はあいがレイとメイに質問する。
メイが答えた。
「あいちゃんの魔法、ただの治癒と、回復の魔法じゃないのよ」
「見て」
ゴオオ
大きな火柱が上がる、小さな家なら一瞬で燃やし尽くす程の火柱だ。
「私の病気が治っちゃったの」
「それにロイ君、今までに魔獣を一刀両断なんて、したことある?」
「そういえば今日は体が良く動く」
「あっ、俺も今日は魔獣を一撃でたおした」
ガイが言う。
「それは、あいちゃんの魔法のおかげよ」
「あいちゃん、回復魔法の時、どう考えて使っている」
「はい、こう」
あいは両手を広げた、その時横にいたガイの頭をポカリと叩いた。
そしてその手を内側に曲げたり上に伸ばしたりして見せた。
「元気になれ、元気になれって、思っています」
「それね、普通の人ならそれでいいけど、あいちゃんは魔法が出過ぎちゃうから、身体強化魔法になっているのよ」
「今後は普通に戻れって、思って使ってね」
「わかりました」
「ガイ君、ロイ君、本当に気が付かなかったの」
「なんか調子が良くなった位にしか」
ガイとロイが頭を掻く
「鈍いにも程があるでしょう」
レイが再び今度は軽く二人の尻を蹴る。
「そういえば、メイさん病気が治ったっていていましたけど」
「そうね、どお、狩りはこの辺にして、納品してベイで話さない」
「治癒」
あいの前にはロイが、一刀両断した魔獣の体があった。魔力はレイが魔封石に吸収したので、普通は放置か埋めるか、藪の中に捨ててしまうのだが、あいは治癒をかけた。
「すごい」
四人が感心している。体が腰のあたりで二つに切れていた魔獣が、普通のうさぎになって起き上がったからだ。
あいの治癒は心肺停止していてもどこかの細胞が一個でも生きていれば復活できるようだ。
パシ
すごい勢いであいがうさぎの耳をつかむ。
「この子どうしましょうか」
「痛そうだし逃がしてあげましょう」
耳をつかまれ、痛そうにもがいているうさぎを見てレイがいう。
「食べないのですか」
「はーあ」
団員四人が驚き声をだす。
「私たちは野生の動物はあまり、食べないわ」
「お肉が堅いし、変な臭いもあるから」
「それに、さばき方もよく分からないし」
レイがいうと、ガイが続く。
「血抜きをしないといけないし、内蔵の処理は見たことがあるが、気持ち悪すぎて俺にはできん」
「そうなんですか」
「よかったね、うさちゃん」
あいは、うれしそうにうさぎの耳から手を離した。
「あのうさぎ、もう魔獣にならないのかな」
「他のうさぎより、なりやすいわ」
メイが説明する。
「魔力に好かれているって言えばいいのか、適性があるって言えばいいのか」
「他のうさぎより魔獣になりやすいことはたしかよ」
「でも、いいじゃないかしら」
「魔獣になってくれた方が、又狩ればお金になるのだし」
「そう言う考え方もあるのか」
ロイが言う。メイが笑ってロイに話す。
「でも、今は漂っている魔力が薄くなっているから魔獣も減ってくると思うわ」
「北の魔女の復活か」
「そうね、巨大火柱以来どんどん、漂う魔力が減っているから」
「さあ狩りを再開しましょう」
伍イ団の狩りの作戦は、ガイ、ロイ、メイ、
が魔獣をあいの前におびき寄せ、あいが岩で仕留める作戦だ。
おびき寄せ係は順番に荷物番と入れ替わり、小さな魔獣はその場で仕留める。
今日はまだ、あいの手をわずらわせるような大物とは出会っていない。
「あいちゃん」
声の後に鹿の角の生えた、中型トラック程の大きさのかえるが現れた。
「飛べ」
岩がかえるに当たり、頭を吹き飛ばした。
「やったね」
嬉しそうにレイが駆け寄り、魔封石をかざす。
少し赤く輝いていた金貨五枚分の魔封石が白く輝きだした。
念のため、個人用の魔封石をあいとレイがかざした。少し赤く輝きだした。それ以上輝きに変化がないのを確認すると、
「治癒」
あいがかえるに治癒を掛けると、少し太めの鹿が現れた。
「なにこの魔獣、かえるじゃなくて鹿だったの」
あいとレイが笑い出す。
「あいちゃん、こっちに来てくれ」
あいとレイが声のする方に駆け出した。
そこには腹を半分程えぐられた、メイの姿があった。
メイの腹からは大量の血が出ており、所々赤い塊が出ていた。
メイは魔獣をかえると思い込み、跳ねて来ると身構えたところへ、突進され、角に引っかけられたのだ。
「うっ」
痛そうに苦しむメイにあいが治癒と回復の魔法を掛ける。
「治癒、回復」
メイの体はみるみる治っていった。
メイは復活すると、ガイとロイに近づきぽんぽんと蹴り出した。
「あなた達、なんでだまっていたの」
かなりご立腹である。
余りにも蹴り続けるので、両脇からあいとレイがヒョイと持ち上げ引き離す。
それでも怒りが収まらないのか、足をバタバタし宙を蹴っている。頬をぷくーと膨らまし、赤い顔をして足をパタパタしている美少女メイ。
かわいい。ガイがうっとりその姿をみている。
「メッ、メイさんなにがあったんですか」
レイがたまりかねて聞く。
「こ、こいつら」
メイがガイとロイを震えながら指さす。
「レイちゃんあのね」
「…それより体験したほうがいいわね」
「あいちゃん、レイちゃんに治癒と回復を掛けてあげて」
「はい、治癒、回復」
「なーー」
今度はレイがガイとロイの尻を本気で蹴った。
「いったい、何があったんですか」
今度はあいがレイとメイに質問する。
メイが答えた。
「あいちゃんの魔法、ただの治癒と、回復の魔法じゃないのよ」
「見て」
ゴオオ
大きな火柱が上がる、小さな家なら一瞬で燃やし尽くす程の火柱だ。
「私の病気が治っちゃったの」
「それにロイ君、今までに魔獣を一刀両断なんて、したことある?」
「そういえば今日は体が良く動く」
「あっ、俺も今日は魔獣を一撃でたおした」
ガイが言う。
「それは、あいちゃんの魔法のおかげよ」
「あいちゃん、回復魔法の時、どう考えて使っている」
「はい、こう」
あいは両手を広げた、その時横にいたガイの頭をポカリと叩いた。
そしてその手を内側に曲げたり上に伸ばしたりして見せた。
「元気になれ、元気になれって、思っています」
「それね、普通の人ならそれでいいけど、あいちゃんは魔法が出過ぎちゃうから、身体強化魔法になっているのよ」
「今後は普通に戻れって、思って使ってね」
「わかりました」
「ガイ君、ロイ君、本当に気が付かなかったの」
「なんか調子が良くなった位にしか」
ガイとロイが頭を掻く
「鈍いにも程があるでしょう」
レイが再び今度は軽く二人の尻を蹴る。
「そういえば、メイさん病気が治ったっていていましたけど」
「そうね、どお、狩りはこの辺にして、納品してベイで話さない」
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
ここは少女マンガの世界みたいだけど、そんなこと知ったこっちゃない
ゆーぞー
ファンタジー
気がつけば昔読んだ少女マンガの世界だった。マンガの通りなら決して幸せにはなれない。そんなわけにはいかない。自分が幸せになるためにやれることをやっていこう。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
悪役令嬢の独壇場
あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。
彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。
自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。
正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。
ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。
そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。
あら?これは、何かがおかしいですね。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる