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第八十二話 女王の裁定
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クーちゃんは正確に私の指示を実行した。
ノルちゃんこと、ヤパ国女王の前にわたし達を移動した。
両手をネジネジにして今は、意識を取り戻しうなっている勇者。
両手両足を折られた魔法使いの女三人。
全身を魔人の体液でべちゃべちゃにしたわたし。
そして子供のキキちゃん。
クーちゃんは姿を消している。
こんな不審者が、謁見の間でお仕事中の、女王の前に現れれば、場違い感は半端ない。
衛兵は武器を、この不審者に向けた。
「まなちゃんですか、驚きました」
ヤパ国の女王がびっくりしている。
「すみません、お仕事中」
わたしは、苦笑いをして、謝った。
「ここは、強い結界が張ってあるのですが、簡単に移動出来てしまうのですね」
「流石です」
「しかし、この状況は」
「許せませんね」
「この者達を捕らえなさい」
女王が手のひらを、わたし達の方へ向けた。
衛兵は武器を手にわたしの回りを包囲した。
包囲されたのはわたしとキキちゃんの二人だけだった。
キキちゃんは歯をむき出し、回りを警戒している。
わたしに何かあれば、全員を生かしてはおかない感じがする。
やっぱり、勇者様がこんな状態じゃあ、わたしは牢屋行きかな。
勇者様と、魔法使いのおねーさんがこっちを見て、ニタニタ嫌な笑いを浮かべています。
性格がトコトン悪いですね。
こんなのが、強くて、勇者とは、人間の恥ではないでしょうか。
「な、何をしているのですか」
「やめなさい!」
女王の叫びを聞き衛兵は何がなんだか分からない様子だが、数歩下がり武器を下ろした。
女王が少し狼狽しているように見えます。
女王はヨロヨロ玉座から降りて、わたしの前に来ました。
そして、ひざまずいた。
「えーーっ」
「な、何をしているのですか」
「まなちゃん、いいえまな様、重ね重ね、配下が失礼を致しました」
女王は深々と頭を下げると、表情を険しくし回りを見渡した。
この部屋には今、この国の重臣がほとんど揃い、各国の使者も集まっている。
全員に分かるよう、ゆっくり話し始めた。
「まな様は、救国の恩人、貧民のあい様のご友人で、この世界の至宝のような御方です」
「クーちゃん、あいちゃんって救国の恩人なんですか」
わたしは、姿を消して小さくなり、肩の上にいるクーちゃんに小声で聞いてみた。
「はい、魔王軍がこの王都を攻め落としかけていた時」
「その魔王軍の幹部を一人で全部やっつけて、引き上げさせました」
「す、すごいですね」
「はい、すごいです」
うん、見えないけど、クーちゃんのどや顔が思い浮かびます。
「まずは、治癒の魔法使いを呼び、けが人の治癒を」
二十人以上の魔法使いが呼ばれ、治癒を始めた。
勇者ペグに全員の魔法使いが手を伸ばし手のひらを向けた。
どの魔法使いも真剣な表情で汗をかき始めた。
そんな魔法使いとは裏腹にケガが治らない。
「これが、私の国での最高の治癒です」
「あなた達、もういいですよ」
「まな様、治癒をお願いしてもよろしいですか」
女王がこちらに笑顔を向ける。
「クーちゃん、お願いしてもよろしいですか」
「嫌です」
「えーーっ」
「な、何故ですか」
「威厳を持って命令して下さい」
「アドちゃんと同じ事を言っているよ」
「クーちゃん、治癒をして!」
「かしこまりました、まな様」
クーちゃんが言い終わると、勇者と魔法使いのケガが治ってしまった。
ねじねじだった、勇者の腕が何事もなかった様に治ってしまったのだ。
「おおおーーおおっ」
回りから地鳴りのような声が上がった。
「ありがとうございます、まな様」
「あのー、ノルちゃん、様はやめて下さい」
「そうですね、まなちゃん、私とまなちゃんは親友でしたね」
うわーこの人ちゃっかり親友宣言しちゃったよ。
「皆さん見て頂けましたか」
「まなちゃんの魔法は偉大です」
「そして、何故その魔法をかけて貰えなかったか」
ノルちゃんは勇者の目を見た。
勇者は、ノルちゃんの言いたいことが分かったのか正座をし、頭を下げた。
「あなた達には失望しました」
「最初に、私は言いました、私の親友ですと」
「粗相のないようにと」
「その様に接していたら、現地で治癒が終わり、今頃は二つめの城塞都市の調査に向かっているはずです」
「……」
勇者は返す言葉がないのか、うつむいたままだった。
「まなちゃん、不快な思いをさせて申し訳ありません」
「この者達は、明日いえ即刻、死罪に致します」
「ヤパの国をお見捨てにならないで下さい」
その言葉を聞くと勇者も魔法使いも驚き飛び上がった。
そして顔面蒼白になり、涙ぐみ、震えながらノルちゃんの顔を見つめた。
ノルちゃんは冷たい目を勇者と魔法使いに向けていた。
「待って下さい、死罪は望んでいません」
わたしはあせって声を出した。
「では、やめます」
「はっやっ」
わたしは、つい口に出してしまった。
「まなちゃん、お体が汚れています、お風呂に入りましょう」
「お風呂の後は、食事をしましょう」
「と、言うことなので、休憩に入ります」
ノルちゃんは、くすくす笑いながら、わたしを見てきた。
最初から勇者を死罪にする気はなかった様だ。
しかも、わたしをだしにして、休憩をするつもりだ。
「お風呂への案内は私がします」
「問題ありませんね」
メイドさんに、ノルちゃんが問いかけた。
「はい、その代わり私もお供します」
ちゃっかり、メイドさんまでお風呂に入るつもりだ。
「あのー、魔法使いさんも一緒は駄目ですか」
「まなちゃんが望むなら、何でも我が儘言い放題です」
ノルちゃんが嬉しそうだ。
「私、大勢でお風呂入るの初めてかも」
ノルちゃんが超ご機嫌である。
ノルちゃんこと、ヤパ国女王の前にわたし達を移動した。
両手をネジネジにして今は、意識を取り戻しうなっている勇者。
両手両足を折られた魔法使いの女三人。
全身を魔人の体液でべちゃべちゃにしたわたし。
そして子供のキキちゃん。
クーちゃんは姿を消している。
こんな不審者が、謁見の間でお仕事中の、女王の前に現れれば、場違い感は半端ない。
衛兵は武器を、この不審者に向けた。
「まなちゃんですか、驚きました」
ヤパ国の女王がびっくりしている。
「すみません、お仕事中」
わたしは、苦笑いをして、謝った。
「ここは、強い結界が張ってあるのですが、簡単に移動出来てしまうのですね」
「流石です」
「しかし、この状況は」
「許せませんね」
「この者達を捕らえなさい」
女王が手のひらを、わたし達の方へ向けた。
衛兵は武器を手にわたしの回りを包囲した。
包囲されたのはわたしとキキちゃんの二人だけだった。
キキちゃんは歯をむき出し、回りを警戒している。
わたしに何かあれば、全員を生かしてはおかない感じがする。
やっぱり、勇者様がこんな状態じゃあ、わたしは牢屋行きかな。
勇者様と、魔法使いのおねーさんがこっちを見て、ニタニタ嫌な笑いを浮かべています。
性格がトコトン悪いですね。
こんなのが、強くて、勇者とは、人間の恥ではないでしょうか。
「な、何をしているのですか」
「やめなさい!」
女王の叫びを聞き衛兵は何がなんだか分からない様子だが、数歩下がり武器を下ろした。
女王が少し狼狽しているように見えます。
女王はヨロヨロ玉座から降りて、わたしの前に来ました。
そして、ひざまずいた。
「えーーっ」
「な、何をしているのですか」
「まなちゃん、いいえまな様、重ね重ね、配下が失礼を致しました」
女王は深々と頭を下げると、表情を険しくし回りを見渡した。
この部屋には今、この国の重臣がほとんど揃い、各国の使者も集まっている。
全員に分かるよう、ゆっくり話し始めた。
「まな様は、救国の恩人、貧民のあい様のご友人で、この世界の至宝のような御方です」
「クーちゃん、あいちゃんって救国の恩人なんですか」
わたしは、姿を消して小さくなり、肩の上にいるクーちゃんに小声で聞いてみた。
「はい、魔王軍がこの王都を攻め落としかけていた時」
「その魔王軍の幹部を一人で全部やっつけて、引き上げさせました」
「す、すごいですね」
「はい、すごいです」
うん、見えないけど、クーちゃんのどや顔が思い浮かびます。
「まずは、治癒の魔法使いを呼び、けが人の治癒を」
二十人以上の魔法使いが呼ばれ、治癒を始めた。
勇者ペグに全員の魔法使いが手を伸ばし手のひらを向けた。
どの魔法使いも真剣な表情で汗をかき始めた。
そんな魔法使いとは裏腹にケガが治らない。
「これが、私の国での最高の治癒です」
「あなた達、もういいですよ」
「まな様、治癒をお願いしてもよろしいですか」
女王がこちらに笑顔を向ける。
「クーちゃん、お願いしてもよろしいですか」
「嫌です」
「えーーっ」
「な、何故ですか」
「威厳を持って命令して下さい」
「アドちゃんと同じ事を言っているよ」
「クーちゃん、治癒をして!」
「かしこまりました、まな様」
クーちゃんが言い終わると、勇者と魔法使いのケガが治ってしまった。
ねじねじだった、勇者の腕が何事もなかった様に治ってしまったのだ。
「おおおーーおおっ」
回りから地鳴りのような声が上がった。
「ありがとうございます、まな様」
「あのー、ノルちゃん、様はやめて下さい」
「そうですね、まなちゃん、私とまなちゃんは親友でしたね」
うわーこの人ちゃっかり親友宣言しちゃったよ。
「皆さん見て頂けましたか」
「まなちゃんの魔法は偉大です」
「そして、何故その魔法をかけて貰えなかったか」
ノルちゃんは勇者の目を見た。
勇者は、ノルちゃんの言いたいことが分かったのか正座をし、頭を下げた。
「あなた達には失望しました」
「最初に、私は言いました、私の親友ですと」
「粗相のないようにと」
「その様に接していたら、現地で治癒が終わり、今頃は二つめの城塞都市の調査に向かっているはずです」
「……」
勇者は返す言葉がないのか、うつむいたままだった。
「まなちゃん、不快な思いをさせて申し訳ありません」
「この者達は、明日いえ即刻、死罪に致します」
「ヤパの国をお見捨てにならないで下さい」
その言葉を聞くと勇者も魔法使いも驚き飛び上がった。
そして顔面蒼白になり、涙ぐみ、震えながらノルちゃんの顔を見つめた。
ノルちゃんは冷たい目を勇者と魔法使いに向けていた。
「待って下さい、死罪は望んでいません」
わたしはあせって声を出した。
「では、やめます」
「はっやっ」
わたしは、つい口に出してしまった。
「まなちゃん、お体が汚れています、お風呂に入りましょう」
「お風呂の後は、食事をしましょう」
「と、言うことなので、休憩に入ります」
ノルちゃんは、くすくす笑いながら、わたしを見てきた。
最初から勇者を死罪にする気はなかった様だ。
しかも、わたしをだしにして、休憩をするつもりだ。
「お風呂への案内は私がします」
「問題ありませんね」
メイドさんに、ノルちゃんが問いかけた。
「はい、その代わり私もお供します」
ちゃっかり、メイドさんまでお風呂に入るつもりだ。
「あのー、魔法使いさんも一緒は駄目ですか」
「まなちゃんが望むなら、何でも我が儘言い放題です」
ノルちゃんが嬉しそうだ。
「私、大勢でお風呂入るの初めてかも」
ノルちゃんが超ご機嫌である。
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