164 / 180
第百六十四話 実力差
しおりを挟む
「ちっ、私がヨミの一族と言った途端にこれですか、怖じ気づくなら来てほしくありませんでしたねえ」
ここのボスらしき男は急に不機嫌になり、椅子に深く腰掛けたまま淡々と言うのだった。
「チッ、チッカ」
アオはチッカを見た。
チッカはまだ放心状態で、アオの声が届かないようだった。
「くそーー、わからーーん。クロー、クロはいないのかー」
アオは、姿を消して近くにいるはずのクロを呼んだ。
クロはズタズタに切り裂かれた四人の所にいた。
幼女姿の本体で姿を現した。
ここまでズタズタの人間を治すのは大量の魔力が要る為、本体で一生懸命治癒をかけているのだ。
「何ですか、アオ様。私は見ての通り忙しいのですよ」
この時には、四人の首はつながり、意識も取り戻していた。
「あいつは、敵なのか」
「あのー、アオ様、本気でわからないのですか、敵に決まってます」
「わからないだろう。じゃあクロは、メダカの群れを見てどのメダカが誰かとか見分けが付くのか?」
この言葉を、倒れている四人が聞いていた。
そして、少し正気を取り戻していたチッカも聞こえていた。
ヨミの男も聞いていた。
「うーーん、メダカと人間は違いますよ。でも私も最初は皆一緒に見えました」
「だろー。わからないんだ。見分けが付かない」
「そんなことでよくまな様に、自分が行くなんて言いましたね。この四人が可哀想です。アオ様の失態はまな様に報告させて貰います」
「ぎゃーー、待て待て待ってくれー、あの方には内緒にしてくれーー」
「じゃあ、しっかりやって下さい」
「くそーー、お前のせいだ」
アオはなおも椅子に余裕で座っている男に怒りの視線を向ける。
「この私をメダカ呼ばわりですか、面白いですね」
男はゆらりと立ち上がり、顔には気持ちの悪い笑いを浮かべていた。
「アオさん、そいつは強い、気を付けて、うぐっ」
レッガが痛む体で、アオを気遣って声をあげた。
ヨミの男はその言葉を聞くと、矛先をレッガに向けた。
素早く移動すると剣を抜きレッガの頭に打ち下ろした。
パッシ、その剣の腹をクロが拳で打ち払った。
「な、なにーーっ」
ヨミの男は、思わず驚きの声をあげた。
「間違えないで下さい。あなたの相手はあの赤い服のアオ様ですよ」
白い美少女クロが落ち着いた口調で何も無かったように言う。
「貴様はなんなんだー!」
ヨミの男はクロに視線を向け叫んだ。
まさか自分の斬撃がこんな少女に、こともなげに払われるとは思ってもみなかったのだ。
そして治癒を受けている四人も、チッカも驚いていた。
「はいはい、そんなことよりほら」
クロが視線を動かした。
全員その方向を向くとそこにゆっくり歩いてくるアオの姿があった。
ヨミの男は、振り向きざま不意打ちを狙い剣でアオを薙ぎ払った。
シャッ
アオの体は後ろへ余裕でかわしたが、服は慣性の法則にのっとりその場に残り、大きく切り裂かれた。
そしてアオの美しい太ももと、白いかわいらしいパンツが顔を出した。
アオは落ち着いてそれを隠した。
「いやーーん、見ないでーー」
ケガをして倒れている四人とチッカは、合っていますと心で思っていた。
「貴様――!! なめているのかーー」
ヨミの男は烈火のごとく怒っている。
レッガはその気持ちが痛いほど良くわかった。
ここのボスらしき男は急に不機嫌になり、椅子に深く腰掛けたまま淡々と言うのだった。
「チッ、チッカ」
アオはチッカを見た。
チッカはまだ放心状態で、アオの声が届かないようだった。
「くそーー、わからーーん。クロー、クロはいないのかー」
アオは、姿を消して近くにいるはずのクロを呼んだ。
クロはズタズタに切り裂かれた四人の所にいた。
幼女姿の本体で姿を現した。
ここまでズタズタの人間を治すのは大量の魔力が要る為、本体で一生懸命治癒をかけているのだ。
「何ですか、アオ様。私は見ての通り忙しいのですよ」
この時には、四人の首はつながり、意識も取り戻していた。
「あいつは、敵なのか」
「あのー、アオ様、本気でわからないのですか、敵に決まってます」
「わからないだろう。じゃあクロは、メダカの群れを見てどのメダカが誰かとか見分けが付くのか?」
この言葉を、倒れている四人が聞いていた。
そして、少し正気を取り戻していたチッカも聞こえていた。
ヨミの男も聞いていた。
「うーーん、メダカと人間は違いますよ。でも私も最初は皆一緒に見えました」
「だろー。わからないんだ。見分けが付かない」
「そんなことでよくまな様に、自分が行くなんて言いましたね。この四人が可哀想です。アオ様の失態はまな様に報告させて貰います」
「ぎゃーー、待て待て待ってくれー、あの方には内緒にしてくれーー」
「じゃあ、しっかりやって下さい」
「くそーー、お前のせいだ」
アオはなおも椅子に余裕で座っている男に怒りの視線を向ける。
「この私をメダカ呼ばわりですか、面白いですね」
男はゆらりと立ち上がり、顔には気持ちの悪い笑いを浮かべていた。
「アオさん、そいつは強い、気を付けて、うぐっ」
レッガが痛む体で、アオを気遣って声をあげた。
ヨミの男はその言葉を聞くと、矛先をレッガに向けた。
素早く移動すると剣を抜きレッガの頭に打ち下ろした。
パッシ、その剣の腹をクロが拳で打ち払った。
「な、なにーーっ」
ヨミの男は、思わず驚きの声をあげた。
「間違えないで下さい。あなたの相手はあの赤い服のアオ様ですよ」
白い美少女クロが落ち着いた口調で何も無かったように言う。
「貴様はなんなんだー!」
ヨミの男はクロに視線を向け叫んだ。
まさか自分の斬撃がこんな少女に、こともなげに払われるとは思ってもみなかったのだ。
そして治癒を受けている四人も、チッカも驚いていた。
「はいはい、そんなことよりほら」
クロが視線を動かした。
全員その方向を向くとそこにゆっくり歩いてくるアオの姿があった。
ヨミの男は、振り向きざま不意打ちを狙い剣でアオを薙ぎ払った。
シャッ
アオの体は後ろへ余裕でかわしたが、服は慣性の法則にのっとりその場に残り、大きく切り裂かれた。
そしてアオの美しい太ももと、白いかわいらしいパンツが顔を出した。
アオは落ち着いてそれを隠した。
「いやーーん、見ないでーー」
ケガをして倒れている四人とチッカは、合っていますと心で思っていた。
「貴様――!! なめているのかーー」
ヨミの男は烈火のごとく怒っている。
レッガはその気持ちが痛いほど良くわかった。
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
ここは少女マンガの世界みたいだけど、そんなこと知ったこっちゃない
ゆーぞー
ファンタジー
気がつけば昔読んだ少女マンガの世界だった。マンガの通りなら決して幸せにはなれない。そんなわけにはいかない。自分が幸せになるためにやれることをやっていこう。
虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
悪役令嬢の独壇場
あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。
彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。
自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。
正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。
ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。
そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。
あら?これは、何かがおかしいですね。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる