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第百六十六話 やばすぎる相手
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「チッカ、俺たちに合流してくれ」
レッガはこの戦いにおいて小隊長として従軍している。
先程アオに絡んでレッガに注意された兵も、レッガの部隊の兵である。
「よお、チッカ」
部隊の先頭に着くと、デッグにタツ、ダニーも分隊長として参加していた。
アオはまるで誰か識別出来ていないようだった。
「アオさんは相変わらずだね。青い鎧は味方だから頼むよ」
デッグが笑いながらアオに話しかけた。
「よし、合図だ行くぞ」
森にのろしが上がるのを見ると、レッガが手で部隊に突撃の合図をした。
ヨミのアジトは四つの入り口のある四角い石作りの建物である
イナ軍は、四つの入り口に百人ずつ別れ、突撃させた。
残りの百人は後詰めとして建物の外に待機させている。
中にいるヨミの人数は50人である。
イナの兵士達には楽勝ムードがただよっている。
入り口を入ると細い廊下になっていて、三人並んで歩くのが精一杯となっている。
「ぎゃああああ」
悲鳴が建物の中から響き渡った。
もちろんイナ国軍の悲鳴だった。
戦闘が始まって間もないがイナ軍はたいした戦果も無いまま一割の兵を失っていた。
「レッガさん隊長が倒されました」
これでこの部隊の指揮権がレッガのものになった。
「全軍邪魔だ、建物から出るんだー」
レッガはいったん兵を建物から出した。
建物の中には赤い服のアオとチッカだけがポツンと残った。
少し距離を開け、レッガが立ち、その後ろに兵士が並んでいた。
あちこちから悲鳴が聞こえるがここだけは、異常に静かだった。
ヨミの部下は、廊下の真ん中に立つ場違いな、赤い服の女に注目した。
その女はこの状況において嬉しそうに笑っている。
ヨミの部下はこの無駄に美しい、赤い服の女の笑いを気持ち悪いと感じていた。
「アオ様、青い鎧のないものは敵です」
「敵には、優しく」
「違います、容赦せずです」
チッカが言い終わらないうちに、アオの姿は目で追えなくなった。
「レッガ隊長、終りました」
チッカが報告すると、その横にチッカの頭を撫でる、優しく美しいアオの姿があった。
「全員進軍」
兵士達は自分たちがまるで歯が立たなかった、ヨミの部下が倒れているのをみて、すごいとは思ったが、戦う姿を見ていなかった為、実感が湧かなかった。
ヨミの部下が守っていた所には扉が有り、その扉を入ると広い部屋に出た。
中央に十人のヨミが腕を組み立っている。
レッガが指揮する兵士達は、一気に攻撃を仕掛けた。
十人は散開すると一人一人が異常に強く、兵士が次々倒されていった。
「さがれーー、アオ様の邪魔になるさがれーー」
レッガが兵士を、アオの後ろまで下げる。
今の一瞬で兵士が半数倒されていた。
兵士が下がった為アオとチッカがポツンと兵士の前に押し出された形になった。
中央にいるヨミ達は余裕の表情で集まっている。
「化け物か」
兵士達の間から声が上がった。
「くふふ、私たち十人はヨミの一族です。あなた達程度では百人集まろうが勝てるものではありませんよ」
余裕の笑顔で、息も切らしていなかった。
レッガはさすがにヨミの一族が、十人もいてはやばすぎると思った。
レッガが振り返るとチッカも青い顔をして震えている。
そしてアオの顔を見る。
アオの顔は少しうつむきかげんで黒く影になっていたため、表情まではわからなかった。
だが口の端が持ち上がっているのだけは見えた。
レッガはこの戦いにおいて小隊長として従軍している。
先程アオに絡んでレッガに注意された兵も、レッガの部隊の兵である。
「よお、チッカ」
部隊の先頭に着くと、デッグにタツ、ダニーも分隊長として参加していた。
アオはまるで誰か識別出来ていないようだった。
「アオさんは相変わらずだね。青い鎧は味方だから頼むよ」
デッグが笑いながらアオに話しかけた。
「よし、合図だ行くぞ」
森にのろしが上がるのを見ると、レッガが手で部隊に突撃の合図をした。
ヨミのアジトは四つの入り口のある四角い石作りの建物である
イナ軍は、四つの入り口に百人ずつ別れ、突撃させた。
残りの百人は後詰めとして建物の外に待機させている。
中にいるヨミの人数は50人である。
イナの兵士達には楽勝ムードがただよっている。
入り口を入ると細い廊下になっていて、三人並んで歩くのが精一杯となっている。
「ぎゃああああ」
悲鳴が建物の中から響き渡った。
もちろんイナ国軍の悲鳴だった。
戦闘が始まって間もないがイナ軍はたいした戦果も無いまま一割の兵を失っていた。
「レッガさん隊長が倒されました」
これでこの部隊の指揮権がレッガのものになった。
「全軍邪魔だ、建物から出るんだー」
レッガはいったん兵を建物から出した。
建物の中には赤い服のアオとチッカだけがポツンと残った。
少し距離を開け、レッガが立ち、その後ろに兵士が並んでいた。
あちこちから悲鳴が聞こえるがここだけは、異常に静かだった。
ヨミの部下は、廊下の真ん中に立つ場違いな、赤い服の女に注目した。
その女はこの状況において嬉しそうに笑っている。
ヨミの部下はこの無駄に美しい、赤い服の女の笑いを気持ち悪いと感じていた。
「アオ様、青い鎧のないものは敵です」
「敵には、優しく」
「違います、容赦せずです」
チッカが言い終わらないうちに、アオの姿は目で追えなくなった。
「レッガ隊長、終りました」
チッカが報告すると、その横にチッカの頭を撫でる、優しく美しいアオの姿があった。
「全員進軍」
兵士達は自分たちがまるで歯が立たなかった、ヨミの部下が倒れているのをみて、すごいとは思ったが、戦う姿を見ていなかった為、実感が湧かなかった。
ヨミの部下が守っていた所には扉が有り、その扉を入ると広い部屋に出た。
中央に十人のヨミが腕を組み立っている。
レッガが指揮する兵士達は、一気に攻撃を仕掛けた。
十人は散開すると一人一人が異常に強く、兵士が次々倒されていった。
「さがれーー、アオ様の邪魔になるさがれーー」
レッガが兵士を、アオの後ろまで下げる。
今の一瞬で兵士が半数倒されていた。
兵士が下がった為アオとチッカがポツンと兵士の前に押し出された形になった。
中央にいるヨミ達は余裕の表情で集まっている。
「化け物か」
兵士達の間から声が上がった。
「くふふ、私たち十人はヨミの一族です。あなた達程度では百人集まろうが勝てるものではありませんよ」
余裕の笑顔で、息も切らしていなかった。
レッガはさすがにヨミの一族が、十人もいてはやばすぎると思った。
レッガが振り返るとチッカも青い顔をして震えている。
そしてアオの顔を見る。
アオの顔は少しうつむきかげんで黒く影になっていたため、表情まではわからなかった。
だが口の端が持ち上がっているのだけは見えた。
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