47 / 208
第四十七話 辺境平定
しおりを挟む
「お前たち、わしをどうするつもりじゃ」
アルアドが話しかけてきたが、こっちはシュブちゃんの事で忙しい。
放っておいたら怒りだした。
「お前達は、わしとそのバケもんと、どっちが大事なんじゃ」
「な、なにーーっ」
俺とチョカイの声が重なった。
「バケもんだとー、ぶっ殺す!!」
俺も切れかかったが、チョカイが先に切れて、アルアドを殺そうとしている。
「まてまて、やめるんだー」
俺とリョウメイが取り押さえる。
「はなせー、オウブ、お前は腹がたたんのか」
「たつ、立つとも、お前の気持ちは俺が一番よくわかる。だが殺すのは話しをしてからだ。シュカイちゃん、チョカイを止めてくれー」
シュカイちゃんに取り押さえ付けられると、チョカイは大人しくなった。
「アルアド、お前には降伏を勧めたがそれを断りこの結果だ。どうしたいのか、一応聞いておこう」
アルアドに聞いた。
出来れば降伏してくれると、話しがはやいのだが。
「これが魔王の力なのか」
「そうだ」
「……」
アルアドは押し黙って覚悟を決めているようだった。
「わしの命は、どうでもいい。配下の兵士、領民、家族の命は助けて欲しい」
「ふふふ、それがお前の仕事だな」
「な、なに」
「お前が、兵士、領民、家族に魔王様のもとで暮らすように説得するんだ」
「……」
「なあ、アルアドなぜ、そんなに魔王を嫌うのだ」
「お前達こそ、魔王に何をされたのか忘れたのか」
「今の魔王様と、前の魔王とは別人だ……」
俺たちはこれまでの経緯をアルアドに事細かく説明した。
アルアドも馬鹿では無い、魔王様の実力とその心を聞き、アスラ様の陣営に入ることを了承した。
こうして、辺境五領が魔王アスラ様の傘下に入った。
アルアド陣営からは、アルアドの孫のアドが、アルアド軍を指揮する事になり、俺たちに合流した。
って、子供じゃねえか。
「私を馬鹿にするニャ」
猫耳の少女が陣営に加わった。
「シュリさん、この武器を運んでください」
「ぐあーーーっ、こ、こんな重いもの持ち上がるわけがないのじゃー」
「シュカさんお願いします」
シュカは、大量の武器が入った箱を軽々持ち上げて、商館の端へ移動させる。
僕たちは、リコさんとシュリが入れ替わっていることに気が付いていますが、面白いので気付いていない振りをしています。
「おかしいですね、シュリさんとシュカさんはだいたい、同じ重さまでは持てるはずなんですけど」
「きょ、今日は調子が悪いのです。フー疲れました」
「シュカさん、あなたは疲れましたか」
「いいえ、私は疲れることはありません」
「もう、降参じゃーー、私はリコでーーす」
「ぎゃーーははははは」
全員が笑っています。
「ぜ、全員気が付いていたのですか。ひ、酷いです」
今日までの数日間、リコさんのおかげで、武器の買い占めと薬の買い占めも順調に進み、鍛冶屋にまで手を広げ買い占めが進んでいます。
「あのう、大変です」
チッカさんが青い顔をして飛び込んできました。
「どうしました」
「裏に人が戻ってきています」
裏には、闇の組織とかが住んでいました。
追い払ったはずですが、戻って来ているようです。
「やれやれ、魔王がいないと玉座の値打ちも下がるのかねーー」
コデルさんがあきれています。
「恐らく、私の父が恩赦でも出したのでは無いでしょうか。実は私の父、魔王の息子でサダルというんです。この地区の統治をまかされています」
「取りあえずもう一度、ご挨拶に行きましょうか」
僕たちが、あいさつに行くと、全員が腰を抜かしたように、はいずり出しました。
元々、手足が折れていた人達です、まともに歩けないようですが、僕達の顔を見た途端に立って歩ける人がいなくなりました。
「な、何しに来た」
人相の一番悪い人が聞いて来ました。
「それは、こっちのせりふです。本当に何しに戻って来たんですか」
「俺たちは、ここしか行き先が無い、頼む体が治るまでで良い、いさせてくれないか」
「ふふふ、あなた達にそう言って助けを求めた人に、あなた達は手を差し伸べたことがあるのですか」
フォリスさんが怒っています。
まあ当然でしょう。
身から出たさびです。
「全員玉座送りです」
「やめてくれーーー」
綺麗に人の気配が無くなりました。
「くふふふ」
フォリスさんの機嫌が少しよくなりました。
僕たちの武器の買い占めが終る頃、やっと魔王都が、騒がしくなった。
魔王を名乗る反乱軍が、辺境五領を制圧したと噂が流れだした。
その上、反乱軍は魔王直轄領に勝手に巨大な城を作っていると、騒ぎになりだした。
僕たちは、仕事もだいたい終っているので、商会でのんびりすごしています。
「お邪魔します」
ロホウさんと、リコさんになりすましたシュリさんが入ってきました。
「こちらへどうぞ」
僕はテーブルに案内してお茶の用意をお願いした。
「アスラ様、リコ様、どうやら魔王国は勝手に作っている反乱軍の城の破壊に兵を出すようです」
「そうですか。では僕もその反乱軍討伐隊に参加させて貰えますか」
「えーーーーっ」
まわりの人達が全員驚いている。
アルアドが話しかけてきたが、こっちはシュブちゃんの事で忙しい。
放っておいたら怒りだした。
「お前達は、わしとそのバケもんと、どっちが大事なんじゃ」
「な、なにーーっ」
俺とチョカイの声が重なった。
「バケもんだとー、ぶっ殺す!!」
俺も切れかかったが、チョカイが先に切れて、アルアドを殺そうとしている。
「まてまて、やめるんだー」
俺とリョウメイが取り押さえる。
「はなせー、オウブ、お前は腹がたたんのか」
「たつ、立つとも、お前の気持ちは俺が一番よくわかる。だが殺すのは話しをしてからだ。シュカイちゃん、チョカイを止めてくれー」
シュカイちゃんに取り押さえ付けられると、チョカイは大人しくなった。
「アルアド、お前には降伏を勧めたがそれを断りこの結果だ。どうしたいのか、一応聞いておこう」
アルアドに聞いた。
出来れば降伏してくれると、話しがはやいのだが。
「これが魔王の力なのか」
「そうだ」
「……」
アルアドは押し黙って覚悟を決めているようだった。
「わしの命は、どうでもいい。配下の兵士、領民、家族の命は助けて欲しい」
「ふふふ、それがお前の仕事だな」
「な、なに」
「お前が、兵士、領民、家族に魔王様のもとで暮らすように説得するんだ」
「……」
「なあ、アルアドなぜ、そんなに魔王を嫌うのだ」
「お前達こそ、魔王に何をされたのか忘れたのか」
「今の魔王様と、前の魔王とは別人だ……」
俺たちはこれまでの経緯をアルアドに事細かく説明した。
アルアドも馬鹿では無い、魔王様の実力とその心を聞き、アスラ様の陣営に入ることを了承した。
こうして、辺境五領が魔王アスラ様の傘下に入った。
アルアド陣営からは、アルアドの孫のアドが、アルアド軍を指揮する事になり、俺たちに合流した。
って、子供じゃねえか。
「私を馬鹿にするニャ」
猫耳の少女が陣営に加わった。
「シュリさん、この武器を運んでください」
「ぐあーーーっ、こ、こんな重いもの持ち上がるわけがないのじゃー」
「シュカさんお願いします」
シュカは、大量の武器が入った箱を軽々持ち上げて、商館の端へ移動させる。
僕たちは、リコさんとシュリが入れ替わっていることに気が付いていますが、面白いので気付いていない振りをしています。
「おかしいですね、シュリさんとシュカさんはだいたい、同じ重さまでは持てるはずなんですけど」
「きょ、今日は調子が悪いのです。フー疲れました」
「シュカさん、あなたは疲れましたか」
「いいえ、私は疲れることはありません」
「もう、降参じゃーー、私はリコでーーす」
「ぎゃーーははははは」
全員が笑っています。
「ぜ、全員気が付いていたのですか。ひ、酷いです」
今日までの数日間、リコさんのおかげで、武器の買い占めと薬の買い占めも順調に進み、鍛冶屋にまで手を広げ買い占めが進んでいます。
「あのう、大変です」
チッカさんが青い顔をして飛び込んできました。
「どうしました」
「裏に人が戻ってきています」
裏には、闇の組織とかが住んでいました。
追い払ったはずですが、戻って来ているようです。
「やれやれ、魔王がいないと玉座の値打ちも下がるのかねーー」
コデルさんがあきれています。
「恐らく、私の父が恩赦でも出したのでは無いでしょうか。実は私の父、魔王の息子でサダルというんです。この地区の統治をまかされています」
「取りあえずもう一度、ご挨拶に行きましょうか」
僕たちが、あいさつに行くと、全員が腰を抜かしたように、はいずり出しました。
元々、手足が折れていた人達です、まともに歩けないようですが、僕達の顔を見た途端に立って歩ける人がいなくなりました。
「な、何しに来た」
人相の一番悪い人が聞いて来ました。
「それは、こっちのせりふです。本当に何しに戻って来たんですか」
「俺たちは、ここしか行き先が無い、頼む体が治るまでで良い、いさせてくれないか」
「ふふふ、あなた達にそう言って助けを求めた人に、あなた達は手を差し伸べたことがあるのですか」
フォリスさんが怒っています。
まあ当然でしょう。
身から出たさびです。
「全員玉座送りです」
「やめてくれーーー」
綺麗に人の気配が無くなりました。
「くふふふ」
フォリスさんの機嫌が少しよくなりました。
僕たちの武器の買い占めが終る頃、やっと魔王都が、騒がしくなった。
魔王を名乗る反乱軍が、辺境五領を制圧したと噂が流れだした。
その上、反乱軍は魔王直轄領に勝手に巨大な城を作っていると、騒ぎになりだした。
僕たちは、仕事もだいたい終っているので、商会でのんびりすごしています。
「お邪魔します」
ロホウさんと、リコさんになりすましたシュリさんが入ってきました。
「こちらへどうぞ」
僕はテーブルに案内してお茶の用意をお願いした。
「アスラ様、リコ様、どうやら魔王国は勝手に作っている反乱軍の城の破壊に兵を出すようです」
「そうですか。では僕もその反乱軍討伐隊に参加させて貰えますか」
「えーーーーっ」
まわりの人達が全員驚いている。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!
本条蒼依
ファンタジー
氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。
死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。
大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる